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日本人は英語ができないのか?

「日本人は英語ができない」
「日本人は英語が苦手」

これって誰が言い出したのですかね…日本のメディアが危機感をあおるために言ってるのかな、そもそも英語を神聖視しすぎな気もしますが…

日本人は本当に英語ができないのか?


私の個人的な意見ですが、日本人は言われているほど英語ができないわけではないと思います。


義務教育に英語が含まれている


日本では義務教育に英語が含まれていますが、義務教育で英語を習わない国はたくさんあります。

海外の語学学校では入学時に実力を測るためのテストが実施され、その結果によってクラス分けされます。一番上のクラスが日本人だらけだった!というのはよく聞く話です。


日本では英単語が浸透している

私がバンクーバーに来た際、ホームステイを手配してくれたエージェントが他の子たちをまとめてピックアップし、それぞれのステイ先にドロップオフしてくれました。

その際にブラジル人の子たちと言葉を交わす機会がありましたが、彼女たちの英語は細切れの単語で、文章にすらなっていませんでした。

その後、韓国人の子と接する機会がありましたが、彼女は"Before"や"After"という単語すら知りませんでした。

日本語はかなり柔軟な言語だといわれており、年々新しい単語が辞書に追加されています。(豆知識:逆にフランス語は新規の単語がなかなか増えない言語の代表といわれています)

本来とは違った意味で浸透してしまっている和製英語もあるものの、"Before""After"というような英語単語をそのまま日常生活で数多く使用していたりするので私たちは思っている以上に英単語を知っていたりします。

私のホームステイ先には他にサウジアラビア人がいたのですが、彼は"I"と"You"の違いすら分かっておらず、何を言っているのか全く分かりませんでした。彼は携帯を使用し、アラビア語を英語に変換した画面を見せることでホストとコミュニケーションをとっていました。

更に言うと、そのホストのセルビア人夫妻も長年カナダに住み、家まで所有しているにもかかわらず、英語はかなり微妙でした。サウジアラビア人の英語をさらにスラブ語に携帯で変換してのコミュニケーションがなされていました。シュールですよね…


日本の国民性=「恥の文化」

「ありがとう」「こんにちは」くらいしか言えないにも関わらず「I can speak Japanese!」と自信満々に言い張る外国人...
それを「すごい!日本語上手ですね!!」と褒める日本人。


どこかで見たことのある光景だったりしませんか?

このノリで通用するのでしたら、日本人だって”Thank you”と”Hello”くらいなら知っている人も多いですし、”I can speak English!”とドヤ顔で言い張ってもいいのではないでしょうか。


残念ながら、そうならないのは世間体や外聞といった他人の視線を気にする「恥の文化」が日本の国民性だからだと思います。

※「恥の文化」に関してはルース・ベネディクトの「菊と刀」にまとめられています。日本にいたころに一読しましたが、面白い一冊でした。

要約すると日本=「恥の文化」=世間体や外聞などの他社の視線を気にする文化に対して欧米=「罪の文化」=キリスト教などからくる、内面の両親を重視する文化

仮に学校での英語の成績がよくとも、間違ったことを言うくらいなら恥ずかしいから黙っておこうとか、完璧な発音ができなくて恥ずかしい~というような理由で自信が持てず「私は英語が全然できません」と自称する人は多いです。


義務教育のせい?

英語にかかわらず、どんな言語でも四つの分野に区切って考えることができます。

  1. 読む (Reading)

  2. 聞きとる (Listening)

  3. 書く (Writing)

  4. 発声する (Speaking)

日本の英語の義務教育では圧倒的に聞き取る練習と発声練習が足りていません。音のインプット・アウトプットが足りていないのです。

文法や単語の勉強に集中した受験目的になっており、英語をコミュニケーションツールとして使うための訓練が欠けているのです。

その代わり、読み書きの平均値は高かったりするため、先に挙げたように、語学学校で一番上のクラスが日本人だらけになるという現象が起きます。

聞き取りと発声に関しては、基礎力さえ高ければ、英語環境に身を置くことで一気に飛躍する可能性が高いです。ですので、読み書きを勉強するのはやっぱり大事です。


ぶっちゃけ英語が必要ない

実はこれはかなり大きいと思うのですが...

日本で快適に暮らしていく上で英語は別にそこまで必要なかったりします。私たちの多くは義務教育で仕方がないから英語を勉強します。自分で定めた具体的な目的がなければ身が入らないというわけです。

英語じゃないけれど、私は高校で習った微分積分とかもう忘れてしまいました。習っている当時はテストを乗り切るために頑張っていましたが、その先に微分積分を使用して具体的にどうこうしたいという目的はなかったのでやる気もそこまでありませんでした。

でも別に数字で食っているわけではないので、問題なく生きてますし、必要性をいまのところ感じていないので見直す予定もないです。

もっと貧しい国なんかだと、そこから脱出するには英語を身に着けて海外へいかなければいけない!というように自分自身の一生どころか家族の運命までかかっていて必死に勉強してできるようになった!なんて話もよく聞きますけど、なんだかんだ言って日本で生きるのって快適ですもの。仕方ないですよ。

結論

日本では義務教育に英語が含まれており、日常生活に浸透している英単語も多いので、まったく英語に馴染みのない暮らしをしている他国と比べたら英語の最低レベルの平均値はそれなりに高いのではないかな、と思います。

また、書き取りのレベルは高くとも、聞き取りと発声の経験が少ないために対人で話せない=自分は英語ができないと思っているケースがかなり多いと思います。

総じて、世間で言われているよりは出来るんじゃないかな?という感覚ですかね。


正直言って日本語と英語はまったく共通点のない言語です。使用する文字も違えば、文法の構成も真逆です。

そもそも日本語自体がとても奥が深く、習得に時間のかかる言語だったりするわけです。ひらがな・カタカナ・漢字がそれぞれ存在していることに対して"Japan has 3 alphabets!"と言われたりします。

私はこっちにきてから、幾度か「日本でさ、道を聞こうとしたんだけど、誰も英語を話せなくてさ、なんで?」と聞かれたことがあるのですが「日本語ってマジ複雑だから習得に忙しくて英語どころじゃないんだよ」って答えておきました。(笑)

義務教育に含まれているために、英語のできない私って最低…と落ち込んで切る人も多いかもしれませんが、複雑な日本語を習得しつつ、全く違った言語である英語も学んでるってよく考えたら相当に凄いことなのでは?と私は思っちゃったりするわけです。

…と、よくわからない開き直り方で〆ておきます(笑)

次からは英語の身に着け方などについて書いていこうと思っています。

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