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詩集#4

26
第四詩集です。
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2024年5月の記事一覧

【詩】友情

君のことが好きだ 何年経っても、何十年経っても わざわざ思い出さずとも、噛みしめずとも 洗…

【詩】花びらが汚れても

どんなことがあっても絶望してはならない というのは真っ赤な嘘で 人生には、正しく絶望すべき…

【詩】青空

青空は、いつだって美しいから この世は残酷だ その下を歩く者たちすべてに 青空はいつだって…

【詩】灯火と太陽

洞窟の奥深くで、彼らは暮らしていた みな、枷を填められ鎖で繋がれていたが 枷は体の一部のよ…

【詩】友よ

ぼくは、君のセリヌンティウスになれるだろうか ぼくは、君のために喜んで命を賭けられるだろ…

【詩】神事

赤ん坊が泣いている お腹が空いたのだろうか おむつが濡れているのだろうか 眠いのだろうか ど…

【詩】解離

着たい服を着て、小洒落た食事に出掛け 目の前の愛する友に、やわらかく微笑みかけながら 頭の中では死の算段をするような たとえば、そんな夜がありましたか 磨き抜かれたナイフとフォークで サラダからフィレ肉まで舌鼓を打ちながら 必要なロープの強度や橋の高さを考えるような たとえば、そんな夜がありましたか デザートの美味に感嘆し 最後の一口を惜しむように掬いながら ラズベリーソースに、己が流す血の色を見るような たとえば、そんな夜がありましたか それは虚飾の夜ではなく、覚悟の