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短歌集

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自作の短歌をまとめました。
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記事一覧

【短歌二首】GWの悲哀

厚紙の鎧兜を着せられてカーネル翁「これも仕事さ」 ハブ駅のエレベーターに海外の客がずらり…

【短歌四首】明日は立夏

深春の夏日をゆけば脳喚く 麦茶麦茶、アイスティー、麦茶 冷房の効きすぎたカフェ真冬日のカ…

【短歌】新緑

  風は止みただ一面に静止画の死にたくなるような新緑   ★Kindleで詩集『戯言―ざれごと―…

【短歌】午前0時の鐘が鳴る

  鐘聞くやガラスの靴を叩き割りただの女と男で走れ   ★Kindleで詩集『戯言―ざれごと―』…

【短歌二首】うぐいす

鶯の伸びしろ聞こゆホッケキョがホーホケキョまでいたる過程の 着実に日々さえずりの進歩する…

【短歌四首】風が吹いたら

春光の遊歩道に風ひとつ車椅子の膝に桜しべ 川を越え鳥たちとゆけ花筏にまだならないで桜吹雪…

【短歌】春ひとひら

  早朝のトイレの窓にひとひらの春舞い降りており花嵐   ★Kindleで詩集『戯言―ざれごと―』『寓話』発売中★ (kindle unlimitedご加入の方は無料で読み放題です)

【短歌】三席頂きました

ちょうど一年ほど前にnoteで公開した短歌が、このほど三席(三位)を頂きましたので、改めて掲…

【短歌】最近の入選作

ネットの短歌企画で、最近いくつか佳作・秀作に選んで頂きましたので、入選作と頂いた選評をま…

【短歌八首】車椅子の風景その4

有人のレジで感じぬ障害を突き付けてくるセルフレジかな 自販機も顔認証の時代となチェアウォ…

【短歌五首】車椅子の風景その3

エレベーター何基あっても一基しか車椅子用ボタンで呼べない エレベーター何基あっても一基し…

【短歌十四首】秋の再会

五、六年ぶりに集えばストパーのかかりし友の艶やかな髪 ドイツ語の店の名前にウムラウトあり…

【短歌九首】ようやくの秋

卯の刻に金木犀を敷き詰めて小鬼は踊る、街よ目覚めよ 川岸の岩で孤高の白鷺は川底睨み忍び足…

【短歌七首】ほんとうのわたし

「ほんとうのわたし」なんてねわたしさえ見たこともない、鏡の中にも 流動を感じさせずに黙々と血を運ぶ管、手の甲に透け いちばんに見つけた秋の訪れは袖丈悩む朝の日と風 新月と恋心はね同じなの見えないけれどちゃんと在るのよ 「ねえ月が綺麗ね……いまのアイラブユーじゃないよ!」と嘘つく十三夜 月明かり浴びて映画のような画になるかも試しにキスしてみなよ 餅をつく兎が杵を振り上げた隙に手を取り逃避行せよ   ※第三首 三越伊勢丹が開催している「彩り祭 短歌コンテスト」に応募