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色彩の教科書(45)子供の好きな色は?

子供の視力は、新生児のときに「動くもの」「明暗」に対する認識力が発達し、ついで生後2~3ヶ月してから「色」に対する感覚が成長し始める。つまり色彩の世界でいうところの明度(色の明るさ)の感覚が最初に発達し、次に色相(何色か?)の認識力が発達する。こうした順番の関係で、乳児は黄色が最も好きで、他にも白、ピンク、赤、橙色など明るい暖色系の色を好む。明度の高いパステルカラーなども乳児が大好きな色だ。
つまり、赤ちゃんの最も近くにいるお母さんは、こうした明るい、暖色の服を意識して身につけることで、もともと大好きなお母さんが、さらに好ましい存在になる。
逆に緑、青、紫などの寒色系は、乳児が嫌う代表的な色。青や緑などは大人が共通して好ましいと思う色なだけに、「よかれ」と思って青や緑を乳児に着せる場合も多いが、きっと当の本人が口をきけたなら、さぞかし不満の言葉を口にするのではないだろうか。
物を認識する力は、色と形が別々に発達するといわれている。最初に発達するのは、色についての認識力だ。例えば、4歳程度の子供に黄色い□の形を見せて、これと同じものを選ぶように」と指示する。すると、子供が選ぶのは、他の色をした□ではなくて、黄色の▽や〇だった。つまり子供は同じグループとして判断する基準としては、形より色が重要だったということがわかる。
 
黄色や赤などの暖色を好む傾向は、大人になるにしたがって徐々に変化していき、大人になると逆に寒色系を好む傾向が強くなってくる。

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