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なぜ、未亡人は美しく見えるのか? Chapter 2 「会社・お店・施設」の驚きの「色」仕掛けを解明する(4)

キャバクラで気持ちよくだまされるために

恋は駆け引きというけれど

もし、毎日のように熱い恋の駆け引きを繰り返す生活だったら。
しかもその恋愛の一つ一つが、厳しいノルマ付きだったら。
ありもしない映画のような世界をいっているようですが、実はこうした場所が非常に身近に存在しています。皆さんも訪れたことがあるかもしれない、キャバクラやクラブの世界です。
「たいしてイイ男でもないあなたが初めて行った場所で、女性にニコニコ大切にされたって、それはあなた、あなたが本当にモテてるんじゃありません。懐に入っているお財布がモテてるんですよ、そこんとこ勘違いしちゃいけません」
落語などでよく登場する、遊んでばかりいるお店の若旦那に番頭さんがお説教してるシーンですが、これは現代も同様です。初めて出掛けた店で、急に自分の魅力が倍増し、にわかにモテ出すことなどありえない。そう頭ではわかっていても、やはり出掛けてしまう。なんと奥深い世界なんでしょうか。
それもこれも、本当に100%、ワタシはモテない、とは言い切れない、かもしれない、程度の、ほんのちょっとの希望、期待感があるがゆえでしょう。
つまり、そんな気にさせる仕掛けを現場で働く女性方は持っている、ということなのでしょう。相手をその気にさせる擬似恋愛の技術です。いくらモテる気満々のお客さんとはいえ、初めて来た方に「そんなわけないだろ」とは思わせず「もしや私にホレたのでは?」と思わせるのですから、並大抵の技術ではありません。
もちろん、お顔立ち、プロポーション、話術、手をひざに置いて、といった巧みな初期誘導技術もあるでしょう。そんな彼女たちにとって、さらに大きな武器となっているのが、身にまとっているコスチュームです。通勤にはとても着れないが、キャバクラでは着ていてもらわないとなんだか寂しい、あのさまざまな色のコスチュームです。
初めて会った瞬間から、男性諸氏をフワフワした気持ちにさせ、擬似恋愛の気持ちを呼び起こすための色。
「モテるわけないじゃない」といった控えめな気持ちを一瞬にして忘れさせてしまうあの色です。実はあのコスチュームには、そんな、文字通りの「色」仕掛けが施されています。
さて、思い出せる方は思い出してみてください。
あのコスチュームの色には、非常に使われている色と、ほとんど登場しない色があります。
よく登場する色は「赤」「紫」「ピンク」「黒」「白」など。
逆にあまり登場しないのが「緑」「青」「黄色」などの色。
これは、繁華街には必ずといっていいほどある、お勤めの女性方御用達のお店に行ってカウントしたものです。
さて、どうしてこういった色の現象が起こるのか。
まず一ついえるのが「興奮」する色なのかどうかのポイントです。
のちほど「売れる色」について説明した章で詳しくお伝えしようと思いますが、実は人間にはその色を見て「興奮」する色と「落ち着く色」があります。
落ち着く色とは「緑」「青」です。人はこの2色を見ると沈静化したり明るい気持ちになったりはするものの、興奮はしません。
逆に興奮する色は「赤」「黒」。この2色を見ると、人間は本能的に、緩やかにではありますが興奮するようにできています。
さて、わが胸に手を当てて考えてみましょう。恋愛のとき、冷静ですか、興奮していますか?
こうした「赤」「黒」のコスチュームは、あなたを無意識のうちの擬似恋愛の世界に案内していたわけです。ただし、恋愛しているから興奮しているのではなく、興奮しているから「恋愛かも」と思ってしまう逆の心理ですが。
こうした「興奮」の要素以外にも、「紫」は高貴さを感じる色ですし、
「白」はもちろん清潔さの代表色。高貴で清潔な女性というのは、いつの時代でも男性の憧れの対象です。
逆に「青」は色の中でもっとも冷静さを感じさせる色ですし、「緑」は目立たない上に癒しや清涼感が大きく、女性的な魅力とはもっとも遠い色です。
「黄色」も華やかさはあるものの、軽快、若さ、軽さなどが全面に出すぎて、この場では非常に扱いにくい色です(それでも黄色を着ている女性は、わざわざ黄色を着ることで特別に見せたい自分の魅力的部分があるということです)。
それにしても、この色の効果を完全に把握しているかのような女性たちの色使いはどうでしょう。誰が教えたわけでもないのに、緑や黄色のコスチュームが少なく、「赤」「紫」「白」などが闊歩する店内。こうした場できっと何百年も続いてきている男女のやり取りの中で、まるで淘汰のように色が選ばれてきたということなのでしょうか。それともやはり女性は生まれながら自分を演出する天才なのか。
皆様もぜひ、独自にご観察なさってください。

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