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雑誌に載らないお台場・有明観光 [01] - 歴史と未来が交差する旧防波堤 (鳥の島) -

自由の女神像、品川台場、東京ビッグサイトをはじめ、お台場エリアには街のアイコンとなっている物が多数あります。

一方で、この街には大小様々・多種多様なオブジェやモニュメントがあることは意外な程知られていません。
あるいは、存在は知られていても経緯や歴史を知られていないものもあります。

このnoteでは、隔週~3週間程度を目処に見つけたオブジェやモニュメントなどを紹介していきます。
(先にまとめて見たい方は最後のHPをご覧ください)

今回はその第1回目です。


船舶を守っていた旧防波堤

お台場と言えば、レインボーブリッジと空の景観をイメージする方が多いかもしれません。
今回は、その手前に並ぶ2つの島がテーマです。
戦前から現在に至るまで東京の歴史を目撃してきた存在であり、今もなお未来の観光スポットとして育てられています。

これらは戦前に埋め立てられた防波堤の一部であり、当時は最も沿岸に面した場所に造られました。遠浅の東京港を往来する船舶の安全を確保するため、波を抑える目的で造成されています。

1944年 国土地理院地図より

防波堤が与える波への影響については、こちらが参考になります。

その旧防波堤は幾つかに分かれ、現在もお台場海浜公園から東雲の手前まで「へ」の字で伸びています。後から造成された埋め立て地に囲まれるように残存しています。今回取り上げる二つの島はそのひとつです。

ちなみに気づきにくいですが、台場公園と繋がり二の腕のような形をしているお台場海浜公園のうち、台場公園から直線に伸びる部分も旧防波堤でした。ここでしか見られない歴史的なモニュメントについてはいずれ取り上げたいと考えています。

台場公園→旧防波堤→13号埋立地と3種の島で成り立つ一帯

第三台場貯木場として戦後を支える

戦後復興から高度成長に向けて旧防波堤周辺は輸入木材の保管場所、すなわち貯木場として活用されます。その為に旧防波堤の中央を船の出入り用に削り、現在の二つの島になります。
1974年の航空写真ではフル活用されている第三台場貯木場を見られます。

街としてのお台場は、1990年に開発が始まるまでほぼ更地でした

前後するように1969年に新木場が完成し、1983年には第三台場貯木場は廃止されます。他方、経済成長により失われた緑を取り戻す海上公園構想に基づいて1975年にはお台場海浜公園(13号地海浜公園)が開園。

更には1990年より東京臨海副都心(東京テレポートタウン)開発が始まり、1993年にはレインボーブリッジが開通。
こうして現在の景観へと変化していきます。

あまり存在を意識されない旧防波堤ですが、戦前から現在に至るまで東京臨海部の歴史を目撃してきた貴重な存在と言えるでしょう。

桜が育つ未来の観光名所に

旧防波堤のうち、レインボーブリッジの正面にある2つは「鳥の島」と呼ばれます。明確な由来を調べ切れていないのですが、文字通り鳥が多く生息しています。この島では「お台場旧防波堤さくらプロジェクト」として桜の木が育っています。

毎年春には咲くようになり、去年からはライトアップも始まりました。
レインボーブリッジや東京タワーと並ぶ桜並木は、どこか幻想的な雰囲気を醸しています。

これらはお台場海浜公園水域へやってくる屋形船のお客さん等に向けた未来の観光スポットとなる予定です。
東京港の歴史ある防波堤は、こうしてお台場の新しい観光スポットとして、未来を感じる場所に生まれ変わろうとしています。

今回はレインボーブリッジの手前に並ぶ旧防波堤のお話でした。
お台場を訪れる時の楽しみになれば幸いです。

こんな感じで5年近く追ってきた東京臨海副都心の歴史や見どころを押さえつつ、ディープなお台場・有明のスポットを紹介出来ればと考えています。
次回はどこを紹介しよう…?

最後に:お台場オブジェ・モニュメントマップ

掲載情報のダイジェストやマップはホームページにまとめています。

ではでは。

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