見出し画像

雪解けと春の訪れ

整理整頓が間に合わない。今日は壁や扉にペタペタ貼られたままになっていた子どもたちが小さい頃に描いた絵や塗り絵を剥がした。白い壁がやけに白く見える。要は味気がない。

ベルリン交通局がストライキ中なので、学校から30分以上も歩いて帰宅した娘がその壁を見て「白すぎるな」と一言。慣れというものは恐ろしい。気が向いたら、家にあるポスターでも飾ろうかとは思っている。

埃のせいかずっと右目がちくちくと痛い。花粉症の季節なのでそれもあるのかもしれない。目薬を2回さしても治らない。困ったものである。ゴロゴロとした不快感が残っている。

ゴロゴロとした不快感。

最近、どうもスッキリしないのだ。友人たちの話を聞いてもさっぱり納得がいかない出来事ばかりだし、なんでそうなるんだ、という理不尽なことも多い。コロナ禍や戦争の影響に加え、円安までもが追い討ちをかけてくる。2024年もなかなかハードモードになりそう。これっていつかハードルが少しでも下がる日が来るんだろうか。

ベルリンに長く住んでいるとは言っても、住居や職探しに使える人脈やコネがあるわけでもなし。身近な友人が困っていてもどうすることもできない。最近はそんなことばかりが続いているので割と参っている、というのが正直なところ。

できることといえば、半ばやけになって公園に走りに行ったり、必要以上にストイックにジムで筋トレをするくらい。全くもってやる気があるのかないのかもよくわからないまま、仕事まで探し始めた。日本にいた頃も、バイトですら友達や先生からの紹介だったよな、ということに思い当たった。家庭教師、ファッションビルのアクセサリー販売、奈良の庭園喫茶に巫女。

3か所に履歴書を送ったところで力尽きたので、ひとまず様子を見ているところだ。それにしても、世の中には似たような種類の求人が山のようにあるんだな、ということだけはよくわかった。自分は一体何がしたいのか。何ができるのか。まるで20代の頃のように悶々とする日々。そして、ふと我に返ってひとりで苦笑いをしている。いつまで経っても成長しないよなぁ、ほんと。

今の現状、なんとなく2020年の今頃に似ているような気がする。こういうときはひたすら走ったり、書いたり、考えたりしながらスタックしている時を耐え忍ぶしかない。そのうち雪が解けて春が来るように、何かのきっかけで物事がスムーズに進むようになるだろうから。

そういうわけで待ち侘びる、春の訪れ。驚くべきことにいつの間にか、もう3月になっていた。



サポートは今後の取材費や本の制作費などに当てさせて頂きたいと思います。よろしくお願いします!