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通知表の日

今日は通知表の日(Zeugnistag)と呼ばれる節目の日。ベルリンでは小学校を4年生ではなく、日本と同様6年生で卒業する子が多い。州ごとに教育指針が異なるため、ドイツの他州では4年生で小学校を終える子どもも多いのだ。小学校を卒業するのは今年の夏休み前だが、「通知表の日」というのは小学校6年生は次の進学先を左右する成績表(5年生後期と6年生前期の平均点で決まる)をもらって早めに帰ってくるという日に当たる。

クリスマス休暇が明けたばかりだというのに、明日からまた1週間冬休みに入るわけだが、このタイミングで大事な通知表が渡される、というわけだ。

さて、我が家の子どもたち。長女と長男でそれぞれ反応が毎回全く違う。今日、娘の方は家に帰ってくるなり、「ほら、見て」と通知表を見せながら内容についてのプレゼンが始まった。息子の方はというと、帰ってくるなり何も言わずに部屋に閉じこもっているではないか。

「え、また何かやらかしたのか!?」

部屋に立て篭もられてもこちらとしては怖いだけである。「思ったよりあかんかったわー!」と娘ならあっけらかんと言い切るところが、息子の場合は黙って籠城するからである。

「おーい、大事な書類も入ってるし、渡してやー!」

と何度か声をかけるが反応がない。おいおい。ジョギングから戻ってきたばかりの私は娘のプレゼンを聞いているうちに汗が冷えて寒くなってしまった。そう、いろんな意味で寒い。

「ちょっとシャワー浴びてくるな。あの子はまだ部屋に閉じこもってるけど大丈夫なんかなぁ。」

そんなことを言いながらとにかくシャワーを浴びる。浴び終わって部屋に入ると、床に通知表が散乱しているではないか。

(え、大丈夫なんか、これ?)

恐る恐る拾い上げて結果を見ると、懇談会で担任に聞いていたよりも若干よくなっていて胸を撫で下ろす。では落ち込んでいる理由はなんなんだ?

どうやら、算数が思ったより評価が悪くて「もうあかん」と思い込んでいたらしいのだ。めちゃくちゃ勉強をしてダメだったのならまだしも、テスト勉強もやっつけ仕事でそれほどしていなかったはずなんだけどなぁ。それに、ドイツの学校ではいくらテストでいい点を取ったとしても、授業中に発言しなかったり、プレゼンの内容が悪かったりすると評価がガクンと下がる、という特徴がある。テストの点が割とよかったのに、それが反映されていなかったのがショックだったようだ。

授業にいかに積極的に参加し、多くの発言をするか、という点を重視するのがドイツらしいといえばドイツらしい。娘はテストより、この授業に参加する積極性重視のMitarbeitの方が得意なので、そこでカバーをしている、とさっきも語ってくれたが、息子は全くその逆を言っているのだ。上と下で本当にタイプが180度違うのが面白い。

そんなわけで、第一希望も特に変更せずに申し込むつもりだが、何をどう勘違いしたのか、息子はもう行けない、と思い込んで帰宅したらしくひどく落ち込んでいたのである。

大雑把な娘と神経質な息子。

行きたい学校に行けるといいな、と心の底から思った。さて、冬休みは何をしようか。

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