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時間軸と空間 〜DARK〜

めずらしくドイツのテレビドラマを夢中になって観ている。

DARKというNETFLIXで配信されている全26話からなるテレビドラマなのだけれど、今、丁度第1シーズンを全て観終わり、第2シーズンの頭に来ているところだ(と書いた時点から既にほぼ第2シーズンの終わりまで見終わった。)

テーマはドイツの小さな町で起こる子供の連続失踪事件とそれに関わる4家族の世代を超えた秘密について。過去・現在・未来、時間と空間が入り組んだかなり複雑な脚本となっている。

第2シーズン終盤くらいから、少々やり過ぎなのではというきらいがないわけでもない。

初めはそれぞれの登場人物同士の関係を追うだけで大変だが、第1シーズンの終盤になって、やっと人物の相関図が頭に入ってくるようになった。

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町の外れにある原子力発電所(AKW)、森の中の洞窟、小さな防空壕などそれぞれ事件に関係のある場所が設定されている。

まだ最後まで通して観れていないのだが、とにかくこれだけ複雑な脚本をよく書き上げたものだな、と驚きを隠せない。創造力はもちろんだが、相当なリサーチと構想案が必要だったように思う。

視聴者がストーリーを追うのが大変なくらい登場人物が行ったり来たりを繰り返すのだ。ネタバレになってしまうので、詳細はここでは書かないがとにかく色々と考えさせられるストーリー展開であることは間違いない。

量子の世界や並存する世界。こんなところでこれらのキーワードに出会うとは。

DARKは2016年2月にNetflixにより制作を発注。10月半ばにはベルリンとその周辺で撮影が始まり、翌年3月に終了している。ドイツ語では初のNetflixオリジナル作品となっている。

第2シーズンの撮影は2018年6月からベルリンにて行われ、第3シーズンは2019年5月から12月にかけて行われている。奇しくもコロナのパンデミック化以前に撮影が終了したわけだ。

シーズンごとに半年の撮影期間が取られている。時代を跨ぐ撮影になるのでセットを組むのもなかなか大変な作業になっただろう。これまでに経験したテレビドラマといえばせいぜい放送時間が2時間ほどのドラマだ。それでも撮影本番までの作業量は半端なかったし、現場の進行も大変だった。一度でいいから、このような作品の制作現場を見てみたいものだ。

*タイトル画像はマンハイムのクンストハレで撮影したKlaus Rinke "Messinstrument für Zeitlosigkeit I"という作品です


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