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クリスマスマーケット探訪・フランクフルト編

いよいよクリスマスも間近に迫ってきた中お届けするクリスマスマーケット探訪第3弾は、ドイツ屈指の大都市であるフランクフルトにおけるクリスマスの様子を取り上げたい。

フランクフルトはこんな街

フランクフルト・アム・マイン(Frankfurt am Main)はドイツ中部ヘッセン州に位置する都市である。
人口72万人とドイツ第5の都市であるとともに、産業・金融・交通などの面で世界的要衝を担う都市となっているが、これは地理的にドイツの中心であるとともにヨーロッパの中心に位置するところによるものも小さくないだろう。

なお、アム・マインとは「マイン川沿いの」を意味する。これは、ドイツ国内にフランクフルトと名のつく別都市が複数存在するためその区別としてつけられるものである。"大和"郡山や"武蔵"小金井のようなものだと思えば良いだろう。

見本市の行われる街として世界的に知られており、1160年にはすでに見本市が行われていたと言う記録が残っている。850年を超える見本市の開催で、また大航海時代のアメリカ大陸・インド航路の発見などによって貿易の中心が移ったこともあって街は大いに発展し、現在の繁栄の礎となっている。

Internationale Messestadt(国際見本市都市)と冠されたフランクフルト中央駅

近代都市

前日にクリスマスの首都と呼ばれるストラスブールのクリスマスマーケットを訪れた私は、帰りの飛行機が出るフランクフルトへと移動し、夕方までの間観光することにした。

列車はフランクフルト中央駅に到着する。
国際列車が多く発着しドイツ第二の利用客数を誇る駅だけあり、地上だけで24のホームを有する大規模な駅となっている。

そんな駅の中もすっかりクリスマス仕様である。

先述の通り、フランクフルトは欧州・ひいては世界屈指の金融・産業の中心地であり、特に欧州の統一通貨であるユーロを発行する欧州中央銀行の本部があることでも知られている。

それもあって巨大なユーロマークのオブジェがあるという。
それを見るために欧州中央銀行の本店へと赴いた。

さすがの規模である。
しかしユーロのオブジェがない。

一周してもどこにもユーロが見当たらない。
いわゆるユーロ危機である。

改めて調べてみると、欧州中央銀行の本店は2014年に現在の場所に移転をしたものの、ユーロマークは移転せず旧本店であるユーロタワーにあるということらしい。
危機は去った。
ただ私の時間と電車賃が無に帰しただけであった。

ユーロタワーはフランクフルト中央駅から徒歩10分足らずの場所に位置している。
オブジェを写真に収めたい方は間違えないように注意されたい。

これまでの写真からのわかるように、フランクフルトの街はビル群が林立する近代的な街並みが広がっている。
それは、第二次世界大戦における連合国側の空襲により市域の約70%が破壊され、その後の復興で中世の町並みが復元されずに近代的な建築に置き換わったからである。

レーマー広場のマーケット

そんな中において、旧市街の中心であるレーマー広場は別格である。

旧市庁舎(レーマー:Römer)が置かれたこの場所は、1980年代にかつての姿を蘇らせ、中世の反映を感じさせる一角となっているのだ。

旧市庁舎

そしてフランクフルトのクリスマスマーケットが開催されているのが、このレーマー広場である。

旧市庁舎前にはクリスマスツリーが、

そして木組みの建物をバックに店が並ぶ姿は、遠く中世にタイムスリップしたかのような趣を感じさせる。

フランクフルトのクリスマスマーケットは年間約300万人もの観光客が訪れるとされており、世界最大級のクリスマスマーケットの1つである。

フランクフルトといえば

「フランクフルト」と聞いて、ドイツの都市以外に多くの人が思い浮かべるのがソーセージだろう。
クリスマスマーケットでもソーセージを売る店の姿があった。

フランクフルトソーセージは、まさしくここフランクフルトの地名から取られたソーセージの一種である。
ケーシングと呼ばれる、肉を詰める皮膜に豚の腸を用いるのがその特徴であり、日本の規格では
 ①豚の腸を用いる
 ②太さ20-36mm未満で牛・羊の腸をケーシングに使わない
  
※人工の詰め袋を使う場合など
のいずれかの条件を満たすものが、フランクフルトソーセージと定義される。

これが羊の腸を用いるか、太さ20mm未満で牛・豚の腸を使わないものになると、ウイーン発祥のウインナーソーセージとなる。

参考

フランクフルトのマグネット

フランクフルトのマグネットがこちら。

レーマー広場の木組みの建築が描かれている。
右にあるのはローマ神話に登場する正義の女神ユスティシアの像である。
天秤と剣を手にしたこの女神はJustice(正義)の語源とされており、日本の最高裁判所を始めとした司法機関にも多く飾られている像である。

近代的な都市のなかにあって、過去へとタイムスリップするかのような雰囲気を味わえるフランクフルトのクリスマスマーケットも、ドイツのマーケット回りにおいては一見の価値のある場所と言えるだろう。


最後までご覧頂きありがとうございました。
次回も25日までに間に合えばクリスマスマーケットについて書きたいと思います。


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