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命令形の厳重注意⚠

私は、一般の日本語教師と、私達送り出し機関の日本語教師は、
分けて考えるべきと思うのです。

なぜなら、
サークル、留学生、また学校の学生に日本語を教えている教師方とは、
ニーズも目的も違うからです。

*こちらをご参考に

ですから、教授法も自然と同じようにはいかなくなります。

約20数年前、私が日本語教師になった頃、
aiueo-te-ta並びの動詞活用の教授法は、
当時一般に知られておらず見られませんでしたが、私はすでにその教授法は大学で学んでいました。
現在では、珍しくなくなりましたけど、当時は、非常に驚かれたものです。
3,4時間あればで全活用を教えられますし、 学生も理解がしやすい

私達は、短時間で効率よく教えなければなりません。



さて、前振りが長くなっちゃいましたが、
今日お話したいのは「命令形」 ですね。

しろ、やれ、来い、行け、 etc. 「命令するとき」に使う表現です。

一般の日本語教師は、たぶんあまりよろしくない表現としてサラっとやり過ごすところでしょうか。
通常使いませんし、使うと問題が起きますし、テキストでも例文は少々ですからね。

私達、外国人技能実習生の為の日本語講師は、これをさけられないんです。
実習先の企業には、建築・土木等のいわゆるガテン系の職種に行く子も多いですからね。
命令形の表現は、日常茶飯事です。

え?日常茶飯事???

日常茶飯事となると・・・それはすでに日常会話表現化しているという事です。

日本語学的また科学的には 命令形です。
ただし、
彼らの現実の職場内、生活内では、「命令」の意図が薄れています。

使っている側も心情は別に命令だけをしているわけではありませんし。
軽く頼んでいる場合もあり、食え、飲め は愛情を含んでいる場合が殆どです。
これは、日本人であれば、ニュアンスいわゆる空気で感じ取れますね。


日本語学習初心者にはこのニュアンスの理解は皆無です。
全く理解が出来ません。

それを、年頭に置かず 【命令形】 と教えた場合。
実習生は、朝から晩まで命令されている。奴隷ではない! と
メンタルの弱い子は
泣き泣き大使館へ電話して、いつの間にか逃避
しちゃいます。

日本側も気をつけて命令形は使わないよう気をつけてくださっている
企業もありますが
その現場には、従業員も若いお兄ちゃん達もいるし、命令形を全く使わないとなると 無理がありますし、仕事にも支障が出ます。

命令形の役割は、
命令だけでなく 「速攻で伝える」時間短縮の意味も有ります。
「危ない、逃げろ!」 は、この代表ですね。


そこで、技能実習生の為の日本語教師、送り出し機関の日本語教師は

絶対に命令形と教えてはいけません。 
仕事形、あるいは、仕事言葉として教えるべきですよ。

なにか問題があります? 
命令形? 依頼表現? ―て形? なんて考えてしゃべる人はいませんし
そもそも、この子たちは日本語の学者になる為に日本へ行くわけではないですから。

何より大切なことは、実習生の心を守る事です。

あ!仕事形  ⇒ ガテン系 ⇒ ガテン形  でも良いかな? 


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