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正座から異文化を考えてみたら...

 膝を折っておしりを床につける座り方(屈膝座法)は、海外では「あぐら」が殆ど。

正座とは日本では、かかとの上にお尻を乗せる座り方、礼をつくしかしこまった時、正式な礼儀正しい座り方。
日本も江戸時代前期までは男女とも「あぐら」が一般的だったそうですね。

正座だと戦闘態勢に持って行くまで時間を要するので、
「私は、刀は抜きませんよ」の意味もあったとか。
なので、武道の試合前は、正座ですね。
「試合中では無いので、今は襲ったりしません。」との意思表示。
それが、礼儀として定着したらしいです。

そういえば、ボクシングや海外発祥のスポーツは試合前から、ぶっ潰すぞ満々ですもんね。

ただ、畳の無い時代に板の上での正座はきつかっただろうと想像します。
戦闘前に、足のしびれと闘わなければならなかった…かも。

さて、
正座を礼儀正しい座り方とすれば、

韓国では男も女も片足を立てても無礼ではない。

ここタイでは、男女ともに両足をそろえてお尻の外へ出して座る、横座り。日本では女座りとも言う。

なぜ、各国で正座の形が違うのか?
いろいろと説はあると思うんですよ。
異論もあると思いますがァ…。
ただここでは、私個人の考え方なんですけど。

「気候」も非常に重要だと思うんですね。

日本の冬は寒い。寒ければ手足の先が冷たくなる。温める必要があります。
日本の正座は、お尻で足の指先を温めることが可能。
だって、かしこまった席でなくても
メッチャ寒い部屋にいると自然に正座になりませんか?

ここタイは暑い国。足の裏から体内にこもった熱を足の裏から逃がさなきゃいけない。 日本でも、暑い日は足を投げ出して座りますね。

 韓国はというと。
ここは、素晴らしいものがありますね。女性のチョゴリです。
立膝で座ることによって、あのチョゴリがおとぎ話のお姫様のドレスのようにふんわりと広がって美しさが増すんです。
あのチョゴリの中へ床のオンドルで温められた空気が
たっぷり入るんですね。
 
以前、沖縄で正座と呼ばれるのは、椅子に腰かける。または両足の膝を床につけ、お尻は下におろさないと聞きました。 神に祈る、のあの姿勢です。
沖縄も暑い所ですね。

座るという事は、「移動も無く、ある程度の時間の必要」ですから
その時間、なるべく気候に逆らいたい。

所変われば、気候もかわる、そして意に適った文化が生まれ定着する。

その国の中で生活し続ければ、その国の文化が自分の常識になり
異文化への違和感がどうしても非常識に感じてしまう。

外国の人に、なんで正座しないんだ!無礼な!なんてことはナンセンスですね。
「茶碗を持たないで食べるて、はしたない!」
って韓国では お茶碗を持って食べることはマナー違反ですね。

悲しいかな、日本は、井の中の蛙さんが多いですよ。
日本という小さな小島の中の日本人さんが。

実習生は全員成人。
約20年から40年 母国の文化、母国の常識の中で生きてきました。
異文化に縁がありません。

約半年ほどで日本語、日本の文化、常識、ルール、マナー、モラル、
挨拶・・・あれも、これもダメダメダメ・

実習生だって必死で学びます。
異文化だから非常識と感じてしまうものまで、
「郷に入れば郷に従え」で 勉強します。

一方、40年、50年、60年と日本の中の常識で過ごしてきた方々の中には
日本の常識が世界の常識と勘違いされている方も少なくありません。
外国人の言動が非常識と感じられることがあるでしょう。

それは、お互い様なのです。

双方には、
異文化を知ろう。異文化を学ぼう。異文化を理解しようとの心が無くては
平和を築けません。

例えれば、
バラエティー番組『秘密のケンミンSHOW』の 世界版の心です。
        (長い事、観てませんが・・・)

「朱にそまれば赤くなる」です。
彼らも、いずれは赤くなります。

美しい赤になるか。そうでない赤になるか。

みごとな赤に染まるよう、なにとぞ、お手伝いください。
そして、美しく染まっていく姿を温かい目で見守ってください。

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