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20080313 瓶の点字

 ふと、食卓に出されていたドレッシングの瓶を手にとって眺めていたら、瓶の肩の部分に小さな突起が数個並んでいた。点字$${^{*1}}$$だとすぐ気付いた。

 こういう心遣いが消費者を安心させる。ここまで気を使っているのかと。実際にドレッシングに点字の表示を必要としている人々はかなりの少数派であるが、その人々のために費用を掛けてまで実施している。そこまでやっているのなら他も大丈夫だろう、と思いたくなる。このように最終的にはこのドレッシングの殆どの売上げに貢献している「点字を必要としない人々」への訴求効果を狙っているのだが、これは商売として正しい道であろう。無心でやっていれば神か仏かと言うことになるが、企業である以上それはあり得ない。

 点字で何とかいてあるのだろう。記載されている文字数は少なそうである。「きゅーぴー どれ$${^{*2}}$$」と書いてあるようだ。

それにしても点字はいつ頃からあるのだろう。明治時代に石川倉次$${^{*3}}$$という人が完成させたらしい。六点で構成された点字の起源は西洋であり、ルイ・ブライユLouis Braille$${^{*4}}$$という人が発明した$${^{*5}}$$ようだ。ローマ字用であったのを石川倉次が日本語の五十音に翻訳した。

 中国語や朝鮮語はどのように点字で表記するのか。色々工夫されている$${^{*6}}$$ようだ。朝鮮語のハングル$${^{*7}}$$は、日本語の仮名や西洋語のローマ字と同じように表音文字なので、ハングル$${^{*8}}$$をそのまま点字に置き換えれば朝鮮語の点字ができるはずだ。ところがハングルの一文字は十の基本母音と十四の基本子音その他との組み合わせで構成される$${^{*9}}$$ので、六点の点字一字とそのまま対応させることができない。そこで母音、子音を表す記号をそれぞれ六点の点字に対応させる様になっている$${^{*10}}$$。

*1 とほほの点字入門
*2 ニュースリリース|キユーピー
*3 i style 人物伝
*4 Louis Braille
*5 Duxbury Systems -- Louis Braille and the Braille System
*6 世界の点字
*7 20050322 ハングル
*8 ハングルの基本|韓国語(ハングル)|「コネスト」
*9 ハングルの森 - 母音と子音
*10 A Design and Implementation of Hangeul-Braille Translation System.pdf

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