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20070611 日付変更線

 日付変更線は何故、一本なのかと言う疑問を持つ人がいるらしい。一本というのは判りにくい。経線の180度線にあるだけで何故本初子午線$${^{*1}}$$にはないのか、と言う疑問である。日付変更線を境にして日付が変わるのならその反対側のどこかで日付の境目がないと何か落ち着かないらしい。言われてみればそんな気もしてくるが、やはり日付変更線は二本も必要ない。

 日付変更線を同じ日付の地域の境目と考えるから変になるのである。日付の切り替わりは時刻であって、その時刻は真夜中零時$${^{*2}}$$だ。日付は時刻によって決まるのであって、場所によって決まるのではない。自分が地球上を移動した時に場所で変わってしまうのは、その場所を世界で一番最初に日付が切り替わる地域としたからである。つまり一番最初に午前零時を迎える場所としたのだ。それが日付変更線であり、暦の起点となっている。起点(起線)は一本で十分であり、二本も必要ないことになる。

 最初に日付変更線の西側の時刻帯$${^{*3}}$$が午前零時になるとその時刻帯の日付が変わる。例えばその日付を一月一日としよう。この時刻帯にあるキリバス共和国$${^{*4}}$$は世界で一番最初に一月一日なる。そして一時間経つと次の時刻帯が日付を変える。三時間後には日本、四時間後に中国、九時間後にサウジアラビア、十二時間後にイギリス、十七時間後にワシントン、ニューヨーク、二十二時間後にハワイと次々と時刻帯ごと一時間毎に日付を変えていく。こう考えていくと場所によって日付が変わるのは日付変更線付近だけでないことが理解できる。そして日付変更線のすぐ東側にある時刻帯がようやく日付を変えるのはキリバスの日付が変わってから二十三時間後である。

 この時、日付変更線の西側の時刻帯は一月一日の二十三時、東側の時刻帯は一月一日の午前零時だから、変更線の西側の時刻帯の日付が変わる午前零時までの一時間は世界のどの地域も一月一日である。この時の日本の時刻は二十時から二十一時の間である。

 この全世界が同じ日付になる一時間の間に日付変更線を西から東に通過した場合$${^{*5}}$$、日付をどう考えればいいか。日付を一日遅らせる$${^{*6}}$$のか。しかしこの時間は全世界が一月一日だから一日遅らせるのは変だ。

 そうではない。各時刻帯の時刻$${^{*7}}$$を考えると東に回れば経度15度ごとに時計の針を一時間$${^{*8}}$$進めることになる。日付変更線の西側の時刻帯で一月一日二十三時半とする。十分後に変更線の東側に入ったとする。東隣の時刻帯に移動したので時計の針を一時間進める。時計の針は零時四十分になる。午前零時を過ぎたから時計上は一月二日だが、日付変更線を西から東に通過したので一日遅らせる。すると一月一日の零時四十分となって辻褄が合う。

 もう少し簡単に時差と日付とを割り出す方法はないか。ない。時計の針を時差分回してみて、午前零時を過ぎたかどうかで日付を割り出すしかない。もっと簡単に知りたければ、自動的に表示してくれるページ$${^{*9}}$$が色々ある$${^{*7}}$$ので、それを利用する。

*1 天文セミナー第91 『本初子午線』『世界で最も早い初日の出』
*2 20000725 満0歳
*3 2. 時差と日付変更線
*4 キリバス共和国 - タラワ環礁について
*5 日付変更線ってなに?
*6 日付変更線って何
*7 [世界時差表] koyomi365
*8 なぜ経度差15°で1時間なの
*9 NAGASE WORLD CLOCK (ナガセ世界時計)

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