へっぽこぴーりーまん書紀〜2社目編⑧
(→前編から)
ボク独自の管理ルール
ボクの指導を任された淡路(仮名)は、諸々ボク独自のルールをつくり始める。
ボクだけ週間行動計画の提出を義務付け
手分けしてしていた事務所の雑用をボクの業務として固定
基本的に営業はある程度大人として自由な裁量が任されていたが、ボクに対しては独自に管理を強化。いわば子供扱いになった。何をするにも自由に行動できない。最終的に仕事のほぼ全ての裁量を奪われたような状況だった。
これは酷く傷ついた。
営業、仕事面で信頼されなくなった「受け身」姿勢のボクは雑用の引受手にされてしまう。
当時在籍していた組織は事務職がいなかった。文房具の発送、荷物の受け取り、手配、各種備品の手配、掃除、植木への水遣り、その他雑用折衝…こうした雑用の引受手に最年少のボクは都合よく充てられていく。この小間使いに、ボクの低いモチベーションは更に地にめり込むくらいに墜ちてしまう。
全くやる気が出ない。
特に目的を与えられず(言われず)、淡々と業務だけを割り当てられる日々は辛かった。
やりがいゼロ
やりがいを全く感じず、頭が活発に働かないようになる。先述の不安神経症のような状態は深刻化してケアレスミスも多発する。
商談用のサンプルを入れ忘れたり、送り間違えたり。
ボクの不注意や甘さも間違い無くあったが、注意力がうまく働かない。コントロールできない。自身でも病気かなと思うほどだった。その都度注意を受け、更にモチベーションと、仕事を遂行できる自信が低下する。
そしてますます受け身になる。
悪循環は底なしに続く…
体調と気分
鬱っぽくなり、通勤中に吐き気をもよおすなどの症状も出る。とにかく毎日朝が来ることが辛い。
不安感が高まり、気分がどうしても上がらない。
精神科医にかかっても、特に異常は無しですとなる。
ただ、間違い無く辛かった。
このときばかりは、ドラッグや麻薬をやりたい人の気持ちが少しわかる気さえした。
薬で何か気分を落ち着かせるものはないか探した。漢方主体の市販の精神安定剤(鎮静薬)をドラッグストアで購入し、だましだまし通勤する。
ただ、精神安定剤は強い不安感は和らぐのだが、気分がぼけーっとする。たぶん刺激に対して鈍感にさせ、弛緩させ、気分を安定させているのだろう。
例えてみると意識が霧がかったような感じになる。
これにより、怒りや不安は軽減されるのだが、なんとなく集中力や注意力が高まらずいつもより動作がトロくなる。ケアレスミスを多発させる。精神安定剤が悪いわけではないが、仕事の能率としては落ちる。
しかし飲まないと強い漠然とした不安感が襲う。もはや八方塞がりの感覚だった。
なんとか誤魔化しながら、1日を終える。ぐっすり眠れない日も多かった。
すべてのさりげない言葉が、ボクを批判しているような気がした。
普段はなんてない言葉なのに、突き刺さってくる。いつまでも傷む。
部屋でひとり布団に伏せ、曲を聴いた。
沁みた…涙が止まらなかった
もう…立ち上がれない気がした。
月が近づけば少しはましだろう
もう終わりかな…
もう終わりかな。何もかも終わった。
そんな気分になっていた。
ボクの歯車、采配の掛け違い。
こんな劣勢に追い込まれるとは。
厄払いにいこうとも、神頼みしようとも、精神安定剤を飲もうとも。
事態は好転しない。
こんな感じで、ボクの会社員生活2社目も窮地に追い込まれる。
土日になったら岩盤浴に行って空っぽになる。それだけが生きがいになっていった。25歳。長くて真っ暗な先の見えないトンネル。光は見えない。日の当たる生活とは無縁の日がずっと続くように思えた。
(→次回に続きます)
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