見出し画像

【読了】『血も涙もある』---約400字感想

今日の一冊: 山田詠美著『血も涙もある』

高校生くらいの時によく読んでいた山田詠美さん。
すごく久しぶりに読んでみたところ、自分のイメージの山田作品を60%減塩したようなとてもあっさりとした読みやすさに拍子抜けしました。いい意味で。
それがこの作品だからなのか、最近の山田詠美さんの作風がそんな感じなのか、はたまた自分が歳を重ねたからなのか理由は今のところ不明ですが、不倫を扱ったテーマの作品ですがものすごく平和的な読後感でした。

“不倫をしている女”・”サレ妻”・”どちらにも愛される男” の三人の語りのリレー形式で構成されていて、それぞれ独特のマイ・ルールで生きている様子が重々伝わってくるのですが、山田さんは性別的に女性ですが、男側の視点というのはどのように会得し落とし込んでいるのかということが本編とは関係なく気になりました。

飄々ぶりっこ。ゆったりぶりっこ。
みんな置かれた場所や対面する相手によって "◯◯ぶりっこ" な仮面をつけて生きている。
平野啓一郎さんの「分人」を思い浮かべる最後でした。
そして改めて、他人の不倫話は本当にどうでもいいな。と思いました。

この記事が参加している募集

読書感想文

サポートしてくださると、もれなく私が喜びます♡