08/02の日記

「あ、スイス」と妻が呟いたのは、とある登山鉄道の中のこと。

スイスの山中を走る登山鉄道の写真がそこに並ぶ。美しい山々を持つスイスの鉄道技術を取り入れ、自然を損うことがないよう、この鉄道も設計されたそう。

僕らが欧州での8年の生活を終え、東京に戻ったのが3か月前。生活も落ち着き、骨休めの旅。その道中にふと出会ったスイスの山々を、妻はぼんやりと眺めていた。

帰国前、妻が最後に行きたいと言った場所。数時間で行けた距離なのに、僕は忙しいを言い訳に、その希望を叶えなかった。

なんかすみません…心の中で思う僕に、わざわざスイス行かなくてもよかったね、と妻が笑う。ここだって、こんなに綺麗だもんね、と。

どこにいても楽しめるのが、彼女のいいところだ。それに甘えすぎている自分を反省する。

次行きたいところある?なんて、この旅が始まったばかりなのに尋ねてみる。次はちゃんと叶えなきゃなぁと、答えを待ちながら、心に誓う。


お蕎麦屋さん開きたい。