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「サザエさん一家」が暮らす日本

テレビをつけたら「サザエさん」の時間。
久しぶりに見てしまいました。
現代にも通じる様に工夫をしつつも、昔ながらの世界観を崩さない様、
作り手側は相当苦心してるだろうと思います。時代も家族の有り様も大きく変わり続けています。

子供達や30代位迄の人達は「サザエさん」をどう見るんだろう。
ふと、そんな事を考えました。

私の母は専業主婦でした。世代的にも専業主婦の母親の方が多い様な時代でした。貧乏でしたが、父親は母親は家にいるものだと言う考えの人でしたし、母も働きに出るつもりはありませんでした。
日曜の夕方はサザエさんを見たし、どこかにある家庭の様な親しみがありました。

夫婦共働きで子供一人を育てていくのだって楽ではない今の日本。
共働きの親に育てられた世代と、その子供達が見るサザエさんの世界は、私達世代のそれとは違うのか、それともどこかノスタルジックな思いと普遍的魅力を感じてみてるのか。。

サザエさん一家の収入源は、波平さんとマスオさんのサラリー。
サザエさんもフナさんも専業主婦。
小学生二人、三歳児一人に猫一匹を養ってます。

基本的に夕食は家族皆で食べてます。タラちゃん筆頭に子供達がいるので、少なくとも19時頃には帰宅出来てる事になります。
二人とも殆ど毎日定時で退社。
マスオさんも波平さんも出世とかに縁遠い、サラリーマンでしょう。

波平さんは上場してる商社の課長という事にしてあるようですから、平均より高いサラリーを貰ってる設定にしてるんでしょう。
それでも「現実的には有り得無い設定」と感じてしまいます。

が、しかしよく考えると・・出来なく無い。

サザエさんの世界にスマホが普及して無い。
大人全員がスマホを持っていないだけで、月に4〜5万円は不要となる。
テレビも一台しかないし、PCも無い。
通信費も受信料もその分要らないのでここでも最低1万円位は削減されてる。
車も持ってない。
今のご時世、2世帯同居してたら車は2台必要ってなります。
維持費やローンを考えたら10万近く削減。

専業主婦が毎日炊事してくれるので、共働きで外食増えたり、出来物買ってきたりも少ないので食費も削減できる。

恐らく今の日本で同じ構成の家族が、一つ屋根の下で生活しようとしたら、
サザエさん一家よりも30万位は多く稼がないとならない。

そうなればサザエさんは正規雇用の仕事にでも就かないとってなる。
フナさんもパートに出ないとならない。
タラちゃんは保育園に預け、カツオくんやワカメちゃんも学童に入ったり、習い事させたりして家に子供だけで留守番という時間は無くしていかないとならなくなる。連絡取り合える様にしないとだから、カツオ当たりにはスマホを持たす。

保育園の送り迎えなんかがあるから車も欲しいとなってくる。
家族集まっての食事が難しくなり、夕食は外食や出来物で済ます事が増える。

・・・そんな事を考えてしまいました。

今の生活で感じる息苦しさって何?
本当は要らないモノの為に働かされ、大切な時間を減らされてないか?

物質的豊かさや、電化製品の発展に疑問を抱かざる得ない世界観。
サザエさんのスポンサーは電気メーカー 東芝。。なんだか馬鹿げてる。

現在の日本の家族の姿と、サザエさんの描く家族。
どっちが、魅力的な世界だろう。
どっちが豊かなんだろう。
どちらの方が日本人らしく、人間らしく生きれる世界だろう。

もちろん、スマホもPCも車も便利だし、自分も手放せない。
でも、もし世の中全体で無くす為に努力をしたらどうなるんだろう。
または、国だったり行政だけが必要に応じて利用するとか、事業目的でないと使用できないものとして位置付けたらどうなるんだろう。

きっと不便だけど、家族や地域、仲間が助け合う世の中になるんじゃないかな。豊かな心が育まれるんじゃないだろうかな。

そんな事思いました。







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