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伝説のドラマは令和に通用するのか?「GTOリバイバル」感想

26年振りの復活、これ如何に。

まあ、観終わった感想としては不安的中というか。
放送が決まった時点で、こういう記事も書いていたんですけども。

なんでしょうね。ドラマ全体が重い印象。
反町隆史は頑張って軽い演技してたんですけどね。どうも無理がある。
26年の間に、役者としての風格が付き過ぎたのかもしれない。

なんというか、セリフの間とか。大物役者の感じが漂ってて。
キムタクのわざと遅らせる歌声を聴いている感覚なんですよね。笑

その点、菊池(窪塚洋介)やのぼる(小栗旬)、冴島(藤木直人)はキャラを変えずにうまく現代にチューンナップしてて流石だなと思いました。今でも仕事が途切れてない彼らは、やっぱ役者としての地力があるわ。

ストーリーも演出も、うーんって感じ。
まず、旧作にあったスピード感が全くない。
ストーリー展開は早いはずなのに絶妙にテンポが悪いし、そもそも鬼塚の滅茶苦茶っぷりが全然足りないですよね。
規制でできないのかもしれないけど、ド頭に性格悪い教師ぶっ飛ばすぐらいの破天荒さを見せてほしかった。
中盤、チェーンソーで切るのがカバンっていうのも地味。
グレートティーチャーなら大木ぐらい切ってくれよ。
26年前はハンマーで壁ぶち破ってたじゃん。

あとさあ、炎上系Youtuberが敵役っていうのもさあ。
いかにも令和っぽさを狙ってて、なんだか恥ずかしい。
ドラマの中でのYoutuber像もテンプレ通り過ぎて…自動車教習所のビデオ観てるような気持ちです。
というか、半グレと高校の内輪動画を上げ続けるYoutuberってなんだよ。

で、中盤までは比較的ゆっくり進むのに後半は大事なシーンも急激にまとめ始める。なんか割り振りおかしくないか?

演出的に言うと、変に令和にチューンナップしたオシャレなカットとかも要らないですね。
例えば、序盤に鬼塚と綾原先生(岡崎紗絵)が会話している遠景引きのバックショットとか、スマホ画角がいっぱい出てくるところとか。
このドラマに誰もそんなオシャレ求めてないから。笑

結果、教室に向かう鬼塚の後ろ姿とか旧作リスペクトのOPとかが一番良かった。元々が良いんだから、余計なことすんなっていうね。
ほら、たまに昔のヒット曲を変なアレンジして歌う歌手いるじゃないですか。あれを見てる気分でした。

Tiktok撮ってる生徒と夢の話をするシーンだけは良かったですけどね。
なんというか、令和と平成のすれ違い感というか。
あのシーンが一番雰囲気出てたなーと思います。
逆に言うと、ここ以外は全く褒める部分がなかったなあっていう。

単発でこの出来だとフォローに困る部分はあるんですが、せめて連ドラだったらとは思いました。
1.5時間のドラマでメイン生徒4名の心境の変化と綾原先生の成長を描くのは尺的にちょっと無理があるし、感情移入できねーよっていう。

結果、最後に出てきた松嶋菜々子が全部持っていきましたね。
ひとりだけ、良い意味で26年前と雰囲気が全く一緒。
やっぱこの人と反町が並ぶとグッと「GTO」感が出る。
締め方は最高だったので、なんか15点の出来が52点ぐらいにはなったように錯覚するな。

まあ、復活はこれっきりで良いなって感じです。
1998年版は人生で観た連ドラでもトップクラスに好きだったので、ちょっと残念。

反町版GTOの続編が観れるなんて思ってなかったので、記念にはなりましたけどね。
やっぱ鬼塚のキャラ的にもう15年早くやって欲しかったなあ。
天海祐希主演の「BOSS」(2009)にラスボスとして出てた頃のビジュだったら、鬼塚ぴったりだったのに。

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