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CommunicationとBrandingの表/裏関係 [私たちが考えるCC #2]

“ざわざわ”へようこそ。私たちはCC(Corporate Communication/企業広報)の諸課題を「実務」と「経営」の両面から語り合っているグループです。詳しくは“ざわざわ”とはのページをご覧ください。第2回の本稿では、「私たちが考えるCCとは?」を言葉の定義の面からご説明します。

Q. “ざわざわ”が考える「CC」とはどのようなものか?
私たちはCCを下図のような構造で捉えています。すなわちCCは、IC(Internal Communication/対内広報)とEC(External Communication/対外広報)の2つで構成され、両者のダイナミックな相互作用の下に展開される営みですが、私たちが「土台」と考えるのはあくまでもIC。ECは、ICのしっかりとした基盤があってはじめて効果的な展開を為しうるものと考えます。とりわけ今日では、SNS等の発達にともないICとECの境はますますシームレスとなっており、ICのあり様がECとなって現れる。「内なる顔」がそのまま「外なる顔」となって映し出される時代だと理解しています。

Q. CommunicationとBrandingはどのような関係にあるのか?
私たちは、CommunicationとBrandingもまた、ダイナミックな相互作用を円環的に繰り返す[コインの表裏] のような関係にあると捉えています。表がCommunication、裏がBrandingとイメージしていますが、それはいわば地上[表]でのCommunicationという営みが、地中[裏]でのBrandingという堆積となり、土壌が培われていく。そしてその肥沃な土壌から次なる良質なCommunicationが生み出されていく——という営々とした循環です。

CommunicationとBrandingの[表/裏]の関係を、私たちはまたDoing/Beingという言葉でも捉えています。Doingは「行動」の領域、Beingは「状態」の領域であり、英文法における動詞の2分類に即していえば、Communicationという「動作」の結果、Brandingという「状態」が生み出され、それが行動→状態→行動→状態…という形で円環する、という関係です。

Q. Brandingは「状態」か、それとも「行動」か?
動詞のbrandは「(~に)焼き印を押す」という動作動詞であり、Corporate Brandingにおけるbrandingは「ブランド化/ブランド戦略」を意味する動名詞。いずれも「状態」というよりは「行動」に属する言葉のように思われます。が、私たちは上述のようなCommunicationの対概念としての捉え方に基づき、これを「状態」を表すものと理解しています。なぜならば「状態」とは決して不動のものではなく、諸行無常の理にならい少しずつ緩やかに変化を遂げるもの。いわば、老舗企業にあって常に<変化>を遂げることで生み出される<安定>のようなもの。それこそが永続的な変化の領域たる「状態」というものの在り様と考えるからです。

「状態」は、それを直接的に作ることは叶わず、あくまでも「行動の結果」として生み出されるもの。「戦争する」ことはできても、「平和する」ことはできない。平和という「状態」は、防衛などの秩序構築という「行動」を通じてしか生み出せない。これと同じようにCommunication(行動)とBranding(状態)との関係は、まさしく「CCなくしてブランドなし」——ここに、私たちが「IC/CCは経営の中核を担う営み」と考える理由があります。

Q. Corporate Identityとは?
[コインの表裏]の関係にあるCorporate CommunicationとCorporate Brandingが、円環的な相互作用を繰り返すことの結果として形づくられていくもの——それを私たちは「Corporate Identity」という言葉で呼んでいます。

企業を象徴するシンボルマークやロゴの策定を意味する「CI」とは異なり、それぞれの企業の個性や人格、存在理由の源泉となる、きわめて広義で包括的なもの。理念体系(Mission/Vision/Values)を核に、当該企業がその歴史を通じて、CCの堆積によって形成する地層が「組織文化」だとすれば、そこから醸し出される「個性」や「らしさ」のようなものがCorporate Identity——。そして私たちは、それらすべての原点にあるものがIC/CCだと考えます。
(まとめ:馬渕)


  》》》CCは経営理念の実践プロセス[私たちが考えるCC #3]につづく

《《《 ICは日本を元気にする毛細血管[私たちが考えるCC #1] は、
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この記事について

“ざわざわ”は、ツールの使い方や社内コミュニケーションの最適解を教え合う場ではありません。道具が多少足りなくても、できることはないか?姿勢や考え方のようなものを「実務」と「経営」の両面から語り合い、共有する場です。

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