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『ハッピーフライト』 矢口史靖監督にしては珍しい駄作。コメディと航空機ネタは合わない?

評価 ☆



あらすじ
ホノルル行きの飛行機NH1980。搭乗スタッフや空港関係者たちが忙しそうに働いていた。副操縦士の鈴木和博にとっては、今回のフライトが機長昇格の合否が決まる最終試験でもあった。予定されていた温厚な試験教官から急に頑固な原田へと変更されて鈴木はへこむ。



矢口史靖監督の映画は嫌いではない。『ウォーターボーイズ』も『スウィングガール』も良質なコメディ+エンターテイメント映画として楽しめた。物語として破綻していても、映画として破綻していなければかなり見られるんだ、ということを教えてくれた2本だった。監督の才能だろう。



ところが2008年公開の『ハッピーフライト』は面白くない。監督はもちろん矢口史靖。出演は田辺誠一、時任三郎など。各々のエピソードはまあまあだけど、全体として見れば「微妙~」。航空機ネタでコメディという着想は面白いかもしれない。しかし、航空機ネタとコメディとは相性が悪いらしい。



矢口監督も逃げている感じがする。あるいは取材したものをそのまま描こうとしているのかも? 別にドキュメンタリーである必要もないし、リアルな前提なんて無視しちゃえばいいのにね。



ギャグに対しても弱腰。なぜ、下ネタに走る? ゲロ系のキタナい話でウケを狙うのかも理解できない。登場人部たちが急に真面目になるのもよくわからない。



キャストも微妙だ。吹石一恵、寺島しのぶ、綾瀬はるかなどがキャビンアテンダント。彼女たちは演技がうまいわけではないし、コメディのセンスがすごくあるとは思えない。彼女たちにコメディは難しいんじゃないのかはキャスティングの段階でわかっているはずだ。それでも勝負に出るにはそれなりの勝算が必要だが、矢口監督には今回この勝算があったのか? 大人の事情が絡んだのかもしれない。



飛行機モノではなくて、もっと規模の小さいものでまとめればよかったのにね。多分、この映画がうまくいかなかったことで矢口監督は完全に混乱してしまった。次回作がどうなるのかわからないけど、期待しないほうがいい。そんな予感がする。



『ハッピーフライト』はつまらない。フジテレビが全面参加すると大体つまんなくなるのはどうしてだ? 多分、フジテレビのブレインの中にものすごいサゲマン(サゲチン)がいるのかもしれない。そいつを駆除しなければ同じような映画がこれからも量産されるだろうな。おっと、下ネタでした。



追記



航空機もののコメディって何があるかなと思っていたら『フライングハイ』とか『アイム・ソー・エキサイテッド! 』とかがある。笑えるか?



初出 「西参道シネマブログ」 2010-03-21



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