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サツマイモ属ストロング

自宅近くの百坪農園、破格の条件で借りることができているのは、使いにくいためである。細い小路の先にあり、トラクターは入らない。利水施設もない。水は雨頼み。

今年の夏はきつかった。東京では猛暑日日数は史上最多。梅雨入り後の雨はほとんど降らず、7月の降水量は平年の5分の1程度。残念ながら夏野菜の収穫量はいつもより少なかった。もうすぐ収穫期を迎える長ネギも、そんなに太くなっていない。水がなければ、光合成ができないわけで、当然と言えば、当然なのだろう。

しかしサツマイモ収穫量は、そんなに落ちていないようだ。夏の盛りの頃には、やはり元気がなく、ツルや葉も地面にひれ伏していた。ただし、もっとも暑い時期を何とかしのぐと、8月後半頃からツルも葉もシャンと上向いてきた。そして10月に収穫。それなりの量はあった。

もともとは九州地方で栽培されていたサツマイモが、東日本まで広がったのは江戸時代中期だそうだ。日照りなどの天候不順が続くと、凶作となり、飢饉を招くことになる。その対策として徳川家はサツマイモの栽培を奨励したという。なるほど、そうかと思う。

さて、空心菜。中華料理などで、よく使われる葉物野菜で、シャキシャキとした歯ごたえが特徴である。じつは空心菜はヒルガオ科サツマイモ属の野菜で、可食部となる部位はまったく異なるが、いわば仲間である。ややクセがあるので虫を寄せつけない。そして暑さに強い。厳しい夏を乗り切り、サツマイモを収穫する頃に花を咲かせる。

アサガオに似た空心菜の花

なお店頭で販売されることは少ないけれど、サツマイモのツルはなかなか美味である。いまが旬で、食物繊維が豊富である。わが家では佃煮やキンピラなどの常備菜にすることが多い。

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