祈り 猫 コウモリ クオリア

 慈悲の瞑想というのをしている。気持ちがいい。要は「祈り」なんだけれど、α波がどうのとかオキシトシンがどうのとかで、リラックス効果がある。「生きとし生けるものが幸せでありますように」と心の中で念じる。無料で気分が良くなるのでお得だと思う。
 
 布団に寝転んで慈悲の瞑想をすることが多いんだけれど、横に飼い猫がいることが多い。いつも喉のあたりをくすぐっているんだけれど、慈悲の瞑想をしながらくすぐると、心なしかいつもより喜んでいる気がする。気のせいかな?と思って腹の上に猫を乗せると、いつもなら嫌がるのに恍惚の表情を浮かべている。
 こういうことが何度かあったので調べてみると、猫は飼い主の感情に敏感らしい。昔読んだ速読英単語にも、落ち込んでいる飼い主を撫でに来た猫の話が載っていた気がする。慈悲の瞑想をしながら撫でているので、いつもより手つきが優しいとか、ただの僕の思い込みとかもありそうだが、動物って地震とか天気を予知したり、人間には感知できないことも感知するので本当にそういうことがあるのかもしれない。

 トマス・ネーゲルという哲学者に「コウモリであるとはどのようなことか」という有名な論文がある。コウモリは眼が退化している代わりに、洞窟に反射する超音波で「認識」している。コウモリの主観的経験は、人間には絶対に想像もできない。

 猫がもし、飼い主の祈りのクオリアを感じられるのだとしたら、どんなものなんだろうと少し思った

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