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言葉をデザインするということ / コミューンUXライター

コミュニティSaaSを提供しているコミューン株式会社でUXライターをしているダイゼンナツミです。

スペイン語と日本語の通訳からスタートアップのUXライターへとキャリアチェンジしてもう1年以上経ってしまいました。
1年経って今所属しているコミューンデザインチームでのUXライターの働き方を、このnoteでは綴っていきたいと思います。

こんな人に読んでほしい 🌟
・コミュニティSaaSに興味がある
・コミューンのデザインチームが気になる
・UXライターに興味がある

友人に撮影してもらった一枚 Photo by @salvadorbfm

コミューンでのUXライターの仕事

わたしは、顧客やユーザーの体験をより良く向上するために、プロダクトのUIテキストを改善したり、テキストを書いています。

ライターなので「記事を書いているんですか?」と聞かれますが、読んでもらうものは書いてはいません。
気に留めないようなテキストや、読み飛ばされるようなテキストを、誰にとってもわかりやすくデザインをしているのがUXライターの仕事です。

コミューンではUXライターはわたしだけ。
だから、課題発見からFigmaやローカル開発環境を使った画面上の検証、GitHubを使っての実装まで、すべてUXライターが行います。


なぜUXライティングを仕事にしたいと思ったの?

UXライターになる以前はメキシコに移住して通訳をしていました。しかし仕事に対してはモヤモヤな日々。
なんでモヤモヤしていたかというと、社会構造的に不平等なことや誰かが損をしてしまうことが当たり前のようにまかり通っていたから。
それをそのまま見てみぬふりをしたくなかったけど、何もできない自分が嫌だった。
時々意に反したことも通訳しないといけなかった。

だから「誰かが損をしないような世の中にするために行動しないといけない」と考えていたけど、当時の仕事だけでは実現できないんだろうなと思っていました。

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そんな時に、UXライティングという概念に出会いました。

わたしが住んでいたメキシコはUXライティングへの配慮が高い国のひとつだと思います。国の機関が日本と比べて未成熟で、国民の識字率も高くない。
だから、わたしのような外国人でも「ちゃんと理解できる」くらい、簡単なものでないといけなかった。それを支えているのがUXライティングだったんです。

ラテンアメリカ発のサービス

スペイン語は、国をまたいでラテンアメリカ・スペイン・米国でも使われていますが、同じ言語でも、国や文化ごとの違いがはっきりしており、言葉の伝え方がいかに重要か意識されています。

確かに数年以上前からフィンテックやスーパーアプリなどのスタートアップだけでなく、大手銀行でもUXライティングという職種は存在していました。

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わたしは「UXとはなんだ」から学習し、UXライティングを当時の仕事であった通訳にも取り入れてみました。すると、通訳にかけていたコミュニケーションの時間がかなり短縮し、効率的に。
例えば、共通言語を使ったり、伝える相手によって使う単語を選んだりしていました。
「UXってすごい」と思い、自然とUXのキャリアチェンジを志すようになっていました。

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通訳もUXライターも、表面の言葉だけでなく、話し手や受け手の背景や状況、心境を考えて言葉を作ります。
「心理的なハードルを減らすことで、より効率的で発展的なコミュニケーションができるようになるかもしれない」
「コミュニケーションの問題だと距離を置いていたことにもっと近づけるようになるかもしれない」
「お互いのことを深く理解できるようになるかもしれない」
最終的には、ささいな争いごともなくなるような気がしています。

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よく「全然違うキャリアなのによく転職したよね」と言われますが、前職の通訳もUXライターも同じことをしています。
誰かの伝えたいことを通訳やUXライターが咀嚼して、届けたい人にとってわかりやすいように翻訳する。
だからUXライターは翻訳者でもあります。



わたしの仕事場

  1. PC
    会社支給のMacbook Pro。

  2. コーヒー
    コーヒーなしで1日は始まりません。
    朝起きたらコーヒーミルComandanteで豆を挽いて浅煎りの豆でジューシーなコーヒーを淹れるのが日課。
    コップはベトナムのローカルコーヒー屋さんで偶然見つけ、無理やり買わせてもらった大事なカップ。

  3. モニター(とSpotify)
    インタラクションデザイナーさんにオススメしてもらったLGのモニターを使用。FigmaとNotionとVScodeを並べて使うために購入しました。
    また、仕事中に欠かせないのはSpotify。去年は1634時間聞いていました。


  4. 辞書など、多くの書籍を参考にしてテキストを考えます。

  5. iPad
    手書きでUIを描いて、ドラフトでテキストを書くために使用。メモとしても使います。手書き最高。

    壁(番外)

David氏の作品とわたしがフィルムで撮った写真

メキシコで買い集めたアーティストの絵を目の保養にしています。
このアーティストはDavid Rocha (@davidrochart)の絵で、メキシコシティに行ったことがある人ならすぐ何が描かれているかわかると思います。
作業に疲れたら、とりあえず絵を観てリラックスします。


わたしを表現するものたち

昔から細々したものの収集癖があり、ステッカーはいまだに集めています。
お気に入りのアーティストやお店のステッカーを購入したり交換したり。
ステッカーは、作った人のアイデンティティが見えるので好き。そして、統一感のない感じで雑多な感じが自分自身みたいだし、わたしの好きがとことん詰まっているような気がします。

最近自分のステッカーも作ってしまったので、名刺代わりに配ったり、バーやカフェに貼ったりしてます(見つけた人はラッキー)。


仕事のある日のルーティン

1日のルーティン

仕事は朝方です。朝に前日書いたUIテキストを見直します。昼からは考えたりするアウトプットの時間を多くとっています。プライベートの時間は大事なので1日の中で削ることはありません。

UXライターは特に決まったプロジェクトやチームにいるわけではないのですが、日本語も英語のテキストも見るし、SuccessHubという別プロダクトのテキストも見ています。

それぞれのプロダクトで、テキストの関わり方が違うため、1日の中でどれだけそれぞれのプロジェクトやプロダクトに注げるかを考えて、タスクを決めています。


今挑戦していること

組織内にUXライティングのカルチャーを醸成すること

通訳のときは、わたしは個人競技のアスリートという気持ちでした。
自分のコンディションや事前のインプット次第でアウトカムが変わります。
わたしのコンディションが悪ければ通訳は成り立たず、必要不可欠な存在になってしまっていました。

今コミューンでは唯一のUXライターですが、わたしが必要不可欠な存在ではありません。UXライティングという概念が必要不可欠であるべきです。

もともと道はなくとも、人びとが歩き始めれば、そこに道は現れる

これは魯迅の言葉で気に入っています。魯迅の言う道とは、わたしにとって組織内にUXライティングのカルチャーを醸成すること
そして、自然に誰もが書ける状態になることがわたしにとっての最終的な道の行先です。

これを実現するためには、UXライターが求められる状態にならないといけない。まだ、UXライティングの組織での進め方が完全に定着していないので、チャレンジでありつつ、1から作っているという状況はとてもエキサイティングです。


最後に、コミューンってどんな会社?

コミューンのミッションである「こうあるべきにbetする」の「あるべき」を自分で裁量をもって決定して、実行できるような会社だと思います。

もちろんコミューンとして何を目指すかという軸はあります。
ただ目指すものに対して、何があるべき姿でその方法なのか、というのは個人の考え方や職種によって違うと思います。

「あるべき」が人によって違うから、自分の「あるべき」を見つけていかないといけない。それが入社してからすぐに直面した大きな問いでした。

自分の「あるべき」が決まったら、次は「bet」するための方法を考えます。だから自己裁量で「betすること」を追求できる環境は特殊だと思っています。

働き方について、ほぼリモートです。メキシコに住んでいた頃は15時間も時差がありながらも、柔軟に時間を調整して会議をしてもらったり、非同期でコミュニケーションを取ったり、かなり寛容な職場だと思っています。



まだ1人で立ち上げたUXライティングは浸透していません。
言葉はプロダクトの中身だけではなく、会社のサイトやヘルプページなどのコンテンツにも存在します。
どこまでUXライターが関わるかという線引きは難しいのですが、やるならすべての言葉を保証したい気持ちです。

UXライティングには、プロダクトの細部まで自分の意思決定を反映できる魅力があります。コミューンに興味を持った方も、UXライターに興味を持った方も、気軽にメッセージください。楽しくUXライティングについて話しましょう。
Twitter @daizennnn / LinkedIn Natsumi Daizen


最後に、コミューンではエンジニアやインタラクションデザイナー、UXライターを募集しています!カジュアル面談をご希望の方はこちらのフォームからお申し込みください⭐️


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