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パーソナルトレーニングについて

いつもお読みいただき有り難うございます。
全力教室 古川でございます。

今回は一対一で行うパーソナルトレーニングについて書いてみようと思います。
長文になると思われますが、ご容赦下さい。


パーソナルトレーニングとは

2010年創業、私の事業はマンツーマンの運動指導から始まりました。
顧客の身体状況や既往歴(生まれてから今日までにかかったことのある、主な病気に関する記録のこと)をお聞きし、安全最優先で顧客に必要な運動内容を熟慮し、指導の際は補助に入りながら、励ましご指導させて頂きます。
例えますと、私の仕事は車の道順を指示してくれるカーナビゲーションだと想像して下さい。
カーナビの操作と致しましては、先ずは目的地を入力する。
その上で高速代金が掛かっても良いから、一秒でも早く到着地に着きたい。
時間が掛かっても良いから、予算を抑えて下道で目的地に向かいたい。
最短の道はあるけれども、途中大好きな景観の見える道があるので、そちらを迂回して向かいたい。
等々、目的地は同じでも、入力者の考えや想いは異なります。
その考えや想いを考慮して、運動プログラムや運動スケジュールを考えるのが私の仕事です。

短期的に体重を減らすだけの目的地を推奨する事はありません、100%リバウンドしてしまいますので。
例えとして、体重5㎏を減らすのが目的地だとします。
その目的地までの道のりを、安全最優先で到達するナビゲーションを私が作成致します。

この際何よりも肝心なのが、お互いの信頼関係だと考えております。
信頼関係が築けていなければ、私が一見遠回りに見えるかもしれませんが直進すると落石の可能性があり、ここは右折して下さいと指示を出したとしても、目の前に目的地が見えているのだから直進で良いでしょうと、顧客が亜流で判断してしまいます。
落石というのは、機能障害(身体の構造または生理的・心理的機能の喪失または異常のこと)だと考えて下さい。
顧客の身体能力に見合わないにもかかわらず、一時のマンパワーを発揮して、能力に見合わない強度のトレーニングを行ってしまう。
能力に見合わないので、何かしらの機能障害が発生してしまいます。
当然の結果ではありますが、本人は身に覚えのない痛みに苦しむ結果となります。
私が右折して下さいと指示する時は、顧客に自覚症状や能力が足りていない場合に、遠回りになると感じたとしても、その道順が最短であると伝えます。
しかし顧客は亜流で直進と判断していまいます。
実質その先は落石(要するに痛み)により通行止めになっておりましたので、わざわざUターンする羽目となりました。
機能障害や痛みが発生し、安静期間が2~3ヶ月必要となります。
むしろ、身体改造を決意したその時点の状態より体重が増加したりと、悪化します。
Uターンをしただけロスになり、原点から発車する事が億劫となり、目的地を目指す事自体を止めてしまいます。
信頼関係が築けていないと、このような現象が発生してしまいます。
信頼関係が築けなかった事自体、私自身の至らなさを感じます。
最善を尽くしたとしても、望んだ結果にならない等はよくある事であり、致し方ありません。
最善を尽くしたので後悔はありませんが、それでもどうにかならなかったのか、何が出来なかったか、時折思い出し考え続けます。

機能障害への共感

私の顧客に、腰椎分離症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎すべり症と、三重苦の腰痛に苦しんでおられる方がおります。
私自身、去年椎間板ヘルニア除去手術を敢行致しましたので、腰椎周りの痛みや症状は体験もあり、症状の予測が立ちます。
その顧客は一見何ら身体に不都合はなく、非常に健常状態の高い立位や過ごし方に見えます。
本人がどれほど日常の姿勢に気を張りたまに起こる腰痛に苦しんでいるのか、他者には分かりませんし、想像も出来ません。
しかしながら、私には手に取るように、顧客の状況や痛みが想像出来ます。
私も全く同じ状況や痛みが発生する日常だからです。
長年の過度な総合格闘技の練習により、私の頸椎・腰椎には、計五か所の椎間板ヘルニアが発生しております。
その状態は手術のみで除去出来る治療であり、日にち薬で回復するものではありません。
簡単な庭仕事であっても、細心の注意を払う必要があります。
日常の動作に不備が多く、それは悲鳴を上げ続けていた身体の声を無視し続けた結果です。
ただ、その状態が唯一、三重苦の腰痛をお持ちの顧客の心の底の気持ちを理解出来る事実を残しました。
全てに意味があると考え、顧客の心に寄り添えた結果だけは、私にとって椎間板ヘルニアは必要な事態であったと考えております。

機能解剖学の習得に努め、顧客の生活状況や根底の心理を理解し、精度の高い運動指導を行う。
それが私の考えるパーソナルトレーナーです。
私のパーソナルトレーニング指導料は一回5,000円です。
決して安くはありません。
しかし、考えてみて下さい。

健康とは

私の仕事は生活での優先順位の低い仕事です。
自身の健康を優先するより、寝る時間や休日を削ってでも仕事を優先。
家庭を持てば、育児家事に追われる日々となります。
決して間違っておりません。
ただ、その仕事や育児家事を行っているのは、自身の身体であり、その継続や維持は、自身の健康状態に比例されます。

あなた様には何人ものお子さんが居り、自分の時間も取れず、子育てに追われます。
しかし、その子育てを行う体は、あなた様の身体です。
屈むだけで膝が痛い、抱っこするだけで腰に激痛が走る、運動不足により睡眠の質が下がり、朝の起床時から体の重さを感じる一日から始まる。
その身体状況で最良の子育て、出来ますでしょうか。

私は健康状態である事が、人生最優先であると考えております。
健康を損なうと、どのような事象が発生するのでしょうか。
私に起こった近年の事象で例えてみます。

生来の遺伝で脊椎管狭窄症を抱えており、コンタクトスポーツには向いていない身体でした。
しかし、私自身に自覚がなく、観戦好きから始まった格闘技に没頭していく事となります。
練習後、ある日急に布団から一歩も動けない時がありました。
右肩が下がり、一週間ほど全く挙上出来ない日がありました。
最終的には下肢に麻痺が蔓延し、手すり無しでは一段も階段を登れない日々を過ごす事となりました。
その時の心境は絶望、その一言に尽きました。

顧客からのご紹介があり、信頼の出来る主治医との出会いがあり、椎間板ヘルニア除去手術を敢行致しました。
術後痛みが引いても亜流で判断する事なく、主治医からの指示に従い、私は安静に努めました。
腰椎に圧迫のないトレーニング法を熟慮し、安静期間中も私にとって正しい筋力トレーニングに励みました。
その甲斐あってか、主治医から運動再開の許可を頂く事が出来ました。
それも全ては、健康を最優先に考えた結果であると感じております。
健康は最優先です。
そして、その健康を維持する為のドリンクは、一本5,000円です。
日常生活を円滑に行う、スポーツのパフォーマンス向上を考える、自身の美意識に達する体型を維持するための努力がパーソナルトレーニングです。

パーソナルトレーニングの目的

①スポーツのパワーアップ
世の中にはテニス等の一過性のあるスポーツ、格闘技等のコンタクトスポーツ、持続性の必要なマラソン等、様々なスポーツがあります。
選択したスポーツにとっての必要な能力や運動機能は多種多様。
各々のシーンで必要な能力が違います。
その不確定性な動きに対応できるよう、パーソナルトレーナーからの指導を受ける必要があると考えます。

テニスであるならば、利き手から出力先への円滑な力点のスムーズな移動。
多角的な方向へ反応する為の敏捷性向上。
障害予防を考え、内側靱帯損傷にならぬ為の踏み込み動作への正確な方向指示。
移動をしてスイングするだけでもこれほど多角的、応用性を考えたトレーニングをする必要があります。
更に各々のスタイルは、先天的や後天的な要素を考え、向き不向きを考慮する必要があります。
間違ったトレーニングは必ず間違った結果を出します。
世界的に推奨されているトレーニングであっても、その方にとっては間違ったトレーニングである可能性があります。
唯一無二のその方だけに合ったトレーニング方法を算出するのが、私たちパーソナルトレーナーの仕事であると考えております。

②生活機能の向上
20代までは寝れば回復する自身の身体状況。
その現象がどれ程に若さの恩恵を受けていたのか知るのは、30代を過ぎてから。
どのアスリートでも迎える壁であり、それは一般人の私たちにも同じく訪れます。

加齢に伴い、肩が上がらなくなる、膝が曲がらなくなる、首・腰に痛みが発生し、移動が困難になるなど、様々な機能障害が発生します。
人間に関わらずですが、生涯を通して身体を使い切るように設計されておりますので、想定外に消耗すれば、不備は発生致します。
その不備に目を向けず、精神だけで体に無茶をし続ければ、必ず体は裏切ります。
ある時とんでもない激痛に見舞われる。
どうしようもなくなったからと、医者に駆け込む。
医者からは何故これ程に放置していたのかと、叱責を受ける。
緊急手術を行う。
術後命に関わる事はなくても、以前のような動作は物理的に不可能となる。

このような意見を今までどれ程にお聞きしたか。
もうどうしようもない、手術しかないまでの状況までに出会えていれば、どれ程その方の人生の選択肢を増やせていただろうか。
私の仕事は予防であり、治療ではありません。
治療は医師の仕事。
予防は治療に勝る。
治療になれば、膨大な時間と費用が必要となります。
予防の段階だからこそ、一週間に一回で済むのです。
まだ何処も痛くないからこそ、自身に必要な予防のトレーニングが必要なのです。

③美意識にかなう体作り
時代もあり、男性であっても美意識が高くなったように感じております。
高校生が美肌パックをする等当たり前。
洗顔すらしない私にとっては超常現象です。
その美意識を客観的に一番感じる場面とは、姿勢です。
自身の美意識のために努力をしているなと、一番感じる場面です。

人間は二足歩行の未来を選択した時点で、加齢により姿勢が崩れる運命を選択しました。
考えてみて下さい、二足歩行、バランスが悪いように見えませんか。
馬は立ったままで寝れますね。
四点での完璧なバランスです。
鳥も二本の足だけで枝に止まり寝ます。
人間は座位ですら、身体のバランスを崩し、機能障害が発生してしまいます。
なので、立位の姿勢が良い人は、人並み以上の努力をしていると想像するのです。
上肢であれば胸郭、下肢であれば腰椎の形成を見ます。
肩こり・四十肩をお持ちの方は、必ず胸郭が閉塞(胸が前に落ちている)しております。
腰痛・ひざ痛をお持ちの方は、必ず腰椎が後湾(腰が後ろに落ちている)しております。
30代以上からそのような現象が発生しない為には、人知れずの努力が必要です。
その際亜流で行い遠回りするよりは、自身の美意識にかなう為の身体作りに、専門家の指導を受けるのが最効率かも知れません。

パーソナルトレーニングの内容

①正しいトレーニング(フォーム・手技・時間等)

正しいトレーニングを行うにあたって、正しいフォームで行う必要があります。
ただ、これが難しい。
何故ならば、人間は限界点に近付くと、本来の動作させたい部位以外で動くよう、生理的に補助してしまうからです。
ただ、本質的なトレーニングの回数は、本人が限界点に近付いてから行う、最後の低回数にあります。
しかし、個人ではその最後を正しいフォームで行う事が、物理的に難しい。
なので、傍に立ち、客観的な視点でフォームを修正する人間が必要なのです。
それが私たちパーソナルトレーナーです。

どれぐらいの重さを、どれぐらいの回数で、どれぐらいの動作スピードで行うか。
この三点を正確に行うのは、一個人では限界を感じると思われます。
動作スピードを正確に行う際、私は演奏で使われるメトロノームを用います。
本来はドラムやベースを演奏する方がリズム習得の為に用いますね。
そのメトロノームを用い、一定のリズムを確保します。
特にストレングストレーニングの効果は動作スピードと因果関係が深いので、正確に測る必要があります。
ピラミッド方式のトレーニングを行う際には、毎度重量も変えます。
人は追い込まれれば追い込まれるほど、脳に酸素が行き届かなくなり、思考が鈍ります。
そのような状態で正確な重さ、回数、スピードを測れるでしょうか。
私には自信がありません。
重量の入れ替え、回数の把握、フォームの乱れの補助。
他者の介入が必要であると考えます。

②個人にふさわしいトレーニング
顧客の仕事環境、生活環境により、必要なトレーニングは多種多様です。
何時に起きるのか寝るのか、始業休憩は何時間なのか、休日は何日なのか。
この三点だけでも、考えるトレーニング内容は異なります。
生活習慣が良き人には、高強度のトレーニングを組み込んでも、リスクは少ないです。
休日や睡眠時間が正常に確保出来ていない方には、高強度のトレーニングはハイリスクです。
先天的に把握出来ている状態だけで済めば良いのですが、顧客の人生は生ものです。
その日お会いした近況報告で、前日あまり寝れていないと知れば、予測していたトレーニングプログラムを瞬時に組み替える必要があります。
その際発揮するのは、地道な機能解剖学の習得による自力です。
自力があれば、後は閃きに尽きます。
思いつきではありません。
その日その日の閃きで、顧客の最善を考えます。

顧客が柔道に取り組んでいたとします。
顧客の得意技は内股。
その際必要となるのは、軸足の屈曲から伸長、固定する為の筋力。
駆け足の内旋。
内股は相手を背負いながらの投げ技ですから、相手の体重を想定した重量を抱えながら、挙上を意識したツイストランジなどを考えるでしょうか。
その際相手も動くわけですから、チューブなどである一点に負荷を掛けながら、行うかもしれません。
挙上量は重く、その上でファンクショナルな要素を追加します。
柔道はハイパワースポーツなので、基本はストレングスやパワー、プライオメトリクス(爆発力)の向上を考えますが、顧客がテクニカルなスタイルを目指せば、スピードやアジリティ、コンディショニングのトレーニングを考えます。
柔道一つにとっても各々スタイルが違いますので、スタイルに合わせたトレーニングプログラムを作成する必要があります。
ナビゲーションの例えでも申しました通り、顧客が望む目的地が最優先です。
その上で、客観的に見た私の意見を申す場合もあります。
主観だけでは把握し切れない個人の身体状況を伝え、重心の置き所を変えるだけで出力が上がるのではないだろうか、今はトレーニングの強度を下げないと傷害リスクが上がってしまう等です。
顧客が納得すれば私の意見もトレーニングに取り入れるし、納得出来なければ一意見としてお聞きいただくだけです。
目的は顧客の内股が向上し試合で結果を出す事ですから、その為の最善を考えます。

③継続性、他者によるかかわり
私自身総合格闘技を行っておりますが、自身だけでのセルフトレーニング、セルフケアには限界を感じております。
そもそも背面から自身を眺め、背面からの動作修正を行う事が物理的に不可能です。
私は整体も行っておりますが、手技の8割は背面に行います。
視覚の届く範囲には、セルフでもある程度自身でメンテナンス出来ます。
背面に対して完全に脱力した状態で手技を掛けるのは物理的に不可能なので、他者の力が必要だと考えます。
自身でトレーニングを行う際、正面に鏡を設置し、正対しながらトレーニングをすると考えてみましょう。
正対した状態で見れるトレーニングは問題ありませんが、横に向いた状態を確認しながら行うトレーニングでは、顔を横に向けて行わなければなりませんね。
顔を横に向けてとは頸椎を望まぬ方向に向けて行うという事ですから、不必要な障害リスクを抱え、間違ったトレーニング結果の出る可能性を生みます。
バックランジ等の背面を意識してのトレーニングなら尚更です。
精度の高い、障害リスクの低いトレーニングを行う際には、物理的に把握が不可能な部位、視点を補う必要があります。

また、何よりも困難なのが継続性です。
私も時折ですが、体重が増加してしまう事があります。
少しの間気を抜いただけのつもりが、実質数ヶ月。
分かりやすく体型の崩れや体の重さを感じます。
その度、継続の難しさを痛感致します。
短期的な目標を達成する事は誰でも出来ます。
しかし、私も含め達成した目標を継続する事は、個人の自意識や摂生だけでは難しいと感じております。
その際、他者からの刺激や共感が必要となります。
トレーニングとは身体や精神に対して負荷を掛けるわけですから、気持ちの向上がない時は億劫になるものです。
自身にとって必要な良き習慣は、選択をしない環境を作る事が大事であると考えます。
毎朝ジョギングをしようと決意しました。
ある日雨が降り、どうしようかと迷いましたが、風邪を引いては元も子もないので、今日は休もうと判断します。
ある日前日夜更かしをしてしまい、睡眠不足で運動すると後の仕事に悪影響を及ぼすと考え、休みます。
そして三か月もすれば最初の決意を忘れ、ジョギング自体を辞めております。
このように選択肢があれば、人は楽な選択を取りがちです。
なので、当施設では顧客が不規則な労働環境でない限りは、何曜日の何時と、完全固定の予約制でお越しいただいております。
そうすれば選択の余地はなく、行く行かないの発想がありません。
継続が困難な良き習慣は、選択肢を無くす事が継続を可能にする一つの手法だと考えております。

目的地を共に設定する事で日々の刺激を感じ、他人に知られざる努力を影で支え共感する社会のパートナーが、パーソナルトレーナーであり私の仕事です。

最後迄お読みいただきありがとうございました。

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