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「B2CとB2B双方の新製品をほぼ同時期に立ち上げた八王子の町工場」前編 オリエント技研株式会社 代表取締役 後藤康彦さん

本記事は2017年に対談したものです。情報はその当時のものですので、ご了承ください。

●ご挨拶と出演者紹介

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三木:はい、ということで第146回マイクロモノづくりストリーミング本日も始まりました。本日はオリエント技研株式会社の後藤社長に新たに開発されたパイピングドラゴンというドラムを中心としたお話を伺っていきたいと思います。よろしくお願いします。

後藤:よろしくお願い致します。

●enomonoとの出会いとzenschool受講後の変化

三木:まず最初に我々と後藤さんの出会いのきっかけは?

宇都宮:サイバーシルクロードのセミナーですね。

後藤:京王八王子駅前のサイバーシルクロード八王子という産学と一般市民と商工会とをつなぐところでセミナーがありまして、クラウドファンディングという言葉はよく耳にしたんですけど、ぜひ1回勉強したいなということで参加させていただいて初めてお会いしました。

宇都宮:いつ頃でしたっけ?

後藤:2014年の春ぐらいだったと思いますね。9期生がちょうど2014年の秋口に募集をしてましたよね。「あと1人決まればスタートです」という連絡をずっといただいていて。「どうしようかな?どうしようかな?」と。僕は春にセミナーを聴いた時に、これはもう核心を突かれた思いで。

宇都宮:そうなんですか?どの辺が?何かそこまで刺さったんですか?

後藤:そうですね。大手に依存ではなくて自分たちで主体的にっていうモノの考え方にかなり…「会社をやるっていうことで待ってるだけではダメだな」と強く感じて色々動いていた時だったんですね。だからセミナーがあるといえばあっちこっち顔出して、交流会ですとか異業種交流会ですとか、初めて商工会の賀詞交換会にも出てみたりして、ネットワークを広げようと一生懸命になり始めた時だったんですよね。

三木:その時って経営的には大変な時期だったんですか?

後藤:そうですね。2007年に父親から継いで社長になるんですけど、それまでずーっと良かったんです。2007年に継いで半年後ぐらいにいきなりリーマンショックって初めて聞く言葉が耳に飛び込んできて、「何が起きるのかな?」って思ってたら、2008年以降はもう私が社長になった途端に業績が階段を転げ落ちるがごとくどかどか落ちていくっていう、そういう経験をしたんですね。

三木:それ以前は別のお仕事をされてたんですか?

後藤:私21でこの会社に入ってずっと働いているので、前職っていうのはないんですけども。だから半導体の業界はイケイケで本当に忙しい時代をずっと経験してきて、その中で波があるとするとシリコンサイクルといいますけど、4年に1度ぐらい大手さんが開発をする新しいモノに着手する、それを売りに出すっていう時に設備をすごく使っていただくということで。その後その設備で作っているものがだんだんだぶつき出して、一旦設備投資があまりなくなるんですね。そうするとうちの業界も暇になってしまう。4年に1回ぐらい波が来て、暇になったり忙しくなったりっていうのをずーっと繰り返す業界なので、暇になってもあんまり驚かなかったんですよね。

三木:また戻ってくるよね、みたいな?

後藤:そうです。結構楽天的な構えだったんですけど、リーマンショックだけはちょっと今までとは状況が違ったのかなと思いますね。

三木:問い合わせしても、「まだ今検討中だから」みたいな感じですか?

後藤:そうですね。いっぱい出てた話がみんな止まっていくっていう感じですよね。そんな中で少し兆しが見えて、「やっぱり動き出すな~良かった」ってほっとしたところで2011年に震災があったんですよね。震災でものすごい影響を受けまして、話が途中で止まったり予算が凍結になる。途中までやってた話もそこでなくなってしまうっていうことが次々に起きたんですね。せっかく決まってて作ってるモノも部品が入らない。だから半年ぐらいそのまんま時が止まって動かないっていうことになる。だからリーマンショック以降、震災でかなりバタついてしまってっていう時だったんですよね。だから前々から色々頭には考えていたことですけど、「自社開発品を作ったりしたらどうなんだろうか?」と。

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三木:そういう迷ってる時にセミナーに参加されて、何かピンと来るものが?

後藤:だから核心的には大手依存じゃなくて自分たちが主体的に動いて考えなきゃいけないっていうことで、セミナーもかなり過酷だったと思うんですよ。

宇都宮:1日12時間…

三木:あの時って4日間でしたっけ?

後藤:そうです。1日12時間が4回。しかもこんな山奥に住んでいて、電車に乗ることもほとんどないんだけど東京まで行ってそっからまだ先に行かなくちゃいけないって。

三木:過酷な(笑)修行ですね(笑)

後藤:そこに1日12時間で。当時色々、昔よくあった幹部候補セミナーとかあるじゃないですか?どっか富士の裾野で駅前で歌を歌わなきゃいけないとかそういうとこに飛び込むのとほとんど同じような感覚で、清水の舞台から飛び降りるぐらいの勢いで、「あと1人」「あと1人」っていう連絡を見ながら「じゃあやろう!!」って決めたんですね。

三木:飛び込んでみたらそんな感じでした?

後藤:そうですね。だから初めて勉強することもたくさんありましたし、自分でもう一度見つめ直すっていう時間を改めて…通う間往復の時間もありましたしね。

宇都宮:行き帰りも考えたんですか?

後藤:そうですね。だから当時1回あって次が1週間2週間必ずあいたんですね。その間に色々考えることもありましたしね。だから僕にとっては本当にある意味すごいきっかけをいただいたenmonoのzenschool受講でしたね。

宇都宮:ご卒業してからはどんな雰囲気でした?

後藤:やっぱり一皮向けたっていう言い方はおかしいけど、今回僕太鼓を作りましたけども、そのモノは太鼓であれ何であれ、そのモノができたことで1歩進むわけですよね。そこでまた色んな人とコミュニケーションを取ったり、太鼓の専門家の人とかの意見を聞けたり。1歩階段を上がったことでそこから見える景色がだいぶ変わったんです。

宇都宮:やっぱり以前とは違いますか?

後藤:そうですね。こっちの考え方も違ってくるんで、主体的に動くようになるんです。想像して「ああやればいいんだけどな~」なんて思ってることはどんどん行ってやってしまうっていう風に変わりましたかね。

三木:すごい。アクティブになったんですね。

後藤:元々そういうことが好きなんですけど、リーマンショック以降元気がなくなったっていうのが正直なところでしょうね。イケイケでずっとやってきたのに、いきなり出鼻をくじかれてすごく元気がなくなってた時代でしたね。

●オリエント技研株式会社の紹介

三木:ちょっとその本業のほうに立ち戻って、もともと本業はどういうお仕事でしたっけ?

後藤:すごく昔から説明に難しいんですけど、半導体の製造設備の製造です。

三木:半導体の製造設備の製造で、特にどの辺の?半導体も色んな工程があると思うんですけど。

後藤:よくプリント基板なんかに黒いゲジゲジみたいのが乗っかってるんですね。超LSI。そういうマウントをはがしてみると中には5mm角ぐらいのちっちゃな集積回路があって、それをウエハーの状態で色んな薬品に漬けたりして処理して作っていくんですけども、その処理装置、薬液でウエット洗浄装置といったモノを中心に作ってる会社なんですね。だから僕小さい頃から父親が何をやってるのかっていうのを人に説明できなくて。「難しいな~」と思ってきたんですけど。未だによく分かっちゃいないんですけど(笑)

三木:説明しづらいですもんね?

後藤:そうなんですよ。だからもう文章で書く時も半導体製造装置の製造ということになります。

三木:その業界は絶えず仕事が結構あったって感じですよね?

後藤:当時はそうですよね。

三木:成長する、ずっと続いていくみたいな。

宇都宮:80年代、90年代ね。パソコンがどんどん広がりつつある…

後藤:とにかく断っても断っても仕事が来ましたし、もう本当に「見積もりをくれ」って言われても、納期書くところに納期は12ヵ月、14ヶ月って書かなきゃなんなくなっちゃうんですよ。そうするともう「お断りのメールですか?」って怒られちゃうんですけど、今仕事が半年以上ずっと詰まった上に来ている話なのでもう想像できないんですよね。それでも1回お客さん怒って電話を切っても、また電話かかってくるんですよ。

三木:「やっぱりできない?」って?

後藤:「1年後でいいからやっぱり考えてもらえないでしょうか?」と。そういう時代でしたね。

三木:すごい好景気だったんですね。

後藤:そうですね。ただ好景気なだけで利益率という意味では、忙しいだけで町工場はなかなか利益を上げるのが難しかった時代ですけどね。だからそれも自主性を持って自分とこの装置がどんどん売れるっていうんであれば儲かるんでしょうけど。うちは町工場で外注下請けを貫いてずっとやってるので、結局大手の会社からはどうしても納期では叩かれ金額では叩かれ、そういう要求も色々大きいわけですよね。その中で何とかやりくりするということで。

三木:そんな中で常に言われてやるみたいな流れが思考回路的にはできていたっていう?

後藤:当たり前になってしまいますよね。結局お客さんの指示通りのモノを作ると。図面もある意味うちで全部書くわけじゃなかったりする時もありますし。一番大事な頭脳の部分、シーケンス制御のシーケンスソフトはお客さんが作ったり。

三木:でも今はシーケンスもされるんですよね?

後藤:自分のところでももちろんできるんですけど、そういう頼まれ方をするんですね。「ソフトは自分のところでやるから側(がわ)だけ作ってくれ」と。だから全体の機能は保証するけど、実際それでうまくいかなくてもプロセスは保証できないという形で、ある意味楽ではあるんですけど、それでは何年やってたって何の進歩もしないんですよね。先へ進めないっていうことに気づくんですよね。自分たちでできるモノをどうやったらできるのかってことにこだわっていかないと先に進めないんだなという思いはありましたね。

●自社商品「パイピングドラゴン」の開発

三木:そんな後藤さんがschoolでどういったワクワクを取り出したんですかね?

後藤:そこでもう本当にびっくりした最初のワクワクトレジャーっていうね。

宇都宮:びっくりしました(笑)?

後藤:頭の中ではどうしてもうちの工場で作れて何となく売れそうなモノっていうのをどうしても考えちゃう。アイディア出すのは嫌いなほうじゃないので、次々「あれを作ったらどうか?」「これを作ったらどうか?」っていうのはあるんですけど、その時言われたことは「本当に心の底からそれをやりたいんですか?」と言われると…

三木:最初別のモノを言ってましたよね?売れそうなやつ。

後藤:「これやったら売れるんじゃないかな?」みたいなやつをね。だからレッドオーシャンなんていう言葉も初めてそこで深くよく理解したわけですけど。売れそうと思ってやってたのでは、行き詰った時にはこれもう投げちゃうなというのは分かりましたね。「じゃあ何をやったらいいのか?」っていうのが本当に苦しみましたね。寝ても覚めてもそのことしか考えてなかった。「何を作ればいいんだろう?」って現場を歩き回って、縦線横線を何度も見て。

宇都宮:そうだったんですか(笑)?

三木:出てきたのは何だったんですか?ワクワクは?

後藤:私音楽が小さい時から好きで。

三木:ずっとバンドをやられてたんですか?

後藤:僕小学校の時は郷ひろみになる予定だったんですよ。

三木:そうなんですか(笑)?

宇都宮:そんなことおっしゃってましたよね?

後藤:そうなんですよ。中学生になってビートルズになることを決意するんですけど。そうやって何となくギターを弾いてみたり打ち込んだことで音楽がずっと好きだったんで、漠然となんとなく「楽器を作ってみたい」っていうのは頭の片隅にあったんです。ただうちの工場と楽器っていうのが全くつながらなかったんですね。「えー!?」と思って。「楽器か~、やっぱり楽器だよな~」と思って、ある日使わずに置いてあるパイプを眺めてるうちに、「これで太鼓を作ってみたりしてな~」なんて冗談で調べ始めたら何となく作れそうだということがだんだん分かってきて。

三木:こういうモノを作られました。

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後藤:そうなるともうアイディアはいくらでも出てくるわけで。

宇都宮:いきなり火花が爆発したんですか?

後藤:そうですね。ただ色んな形の色んなモノをアイディア任せでどんどん作ってみたくなっちゃったんですよね。これはもう本当に休みの日に出てきて毎週色々発表会に向けて一生懸命作ったんですね。

三木:この名前がパイピングドラゴンっていうのはどういう意味なんですか?

後藤:本当に龍が鳴くがごとく激しい音が出るようなそんな太鼓を作ってみたらどうなるか。目指したのがペダルをつけて踏んだらば音程が上がり下がりするようになるっていうことだったんで、その音がそんな風な音になったらおもしろいんじゃないかなということだったんですね。

三木:そういう音程が変わるっていうんですか?今ここにちょうどあるので、どれか1個ちょっと叩いてみるというか。

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後藤:最近作ったのはこんな感じです。

三木:これは素材というか、この外側は?これ自体はどういうモノなんですか?

後藤:パイプで作ってあるんですけど。

三木:パイプっていうのは工業用の?

後藤:そうですね。これちょっと特殊でポリプロピレンなんですね。通常はみんな塩ビなんですけど、これめったに出ないポリプロピレンで加工しなきゃなんなくなるっていうことで4mあるやつを1本買ったんですよ。そしたらばその仕事をキャンセルになって使わなくなったと。言ってる矢先に物置見に行ったら同じモノがもう1本あったんですよ。

三木:結構高いんですか?4mでどれくらいなんですか?

後藤:4mで2万いくら。4万だったかな?

三木:1m1万ぐらい。

後藤:だからこれを使ってって言ったのはちょうどいい大きさのヘッドって言うんですけど、最初は自分で作ろうと思ったんですよ。

三木:この皮も?

後藤:はい。ホームセンター行って、PPのシート色々買ってあるんですけど、それ溶接して、溶接した中から押し出してそれで音を出るようにしてみようと思ったんですけど、私バンドをやってる関係で楽器に詳しい人たちが結構仲間にいて、実際ドラムを作ってる人だとか、あとは大学の打楽器科を出てる人だとか、その辺の仲間に色々相談しているうちにこれは作るモノではないと。

三木:皮はね。

後藤:これはプロユースで作る場合だって、とにかく太鼓のヘッドっていうのは消耗品でだめになったら楽器屋で買って交換するんだっていうことで、ただ一辺にすごい目の前が開けて、「じゃあ周り作ればいいんだ!簡単じゃないか!」と。そういうことでこの余ってたパイプがちょうどうちの古い旋盤でくわえられるギリギリなんですよ。

三木:これ削ったんですか?

後藤:そうです。回して外側から刃物を入れて削る模様だったら色んなモノが作れる。

三木:ネジ状になってるんですか?

後藤:これはただ丸く外側から刃物を入れて、ここもアールで作って磨いてっていうことをして。

三木:これは浮いてるのは何か意味があるんですか?

後藤:これはここから絞め込む幅がまだこれだけあって、こんなに絞め込むことはまずあり得ないんですけど。周りをリングで絞めることでこの高さを変えるという。

三木:結構いい音が出ますね。(叩いてみる)

後藤:八王子の秋、10月に行われるワクワクフェアっていうのに出展をしてるんですね。この太鼓を出すと色んな人が寄って来て叩いてくれるんですけど、みんなこうなるんですね(良い音が出ない)。ちょっとここの端っこのところを勢いよく叩く。良い音が出ますよね。周りと一緒に叩いてみると…その笑顔!

一同:(笑)

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後藤:これがたわいもないことなんですけどものすごい発見で、全て通りがかる人に「叩いてください」って言うとこうなって(良い音が出ない)、3分もしないうちに「あっ!」って喜んでいただけるっていう。

宇都宮:三木さんも今の笑顔いいですよね。

後藤:瞬間的にすごい良い笑顔になるっていう。これはすごい発見で。

三木:本当に結構良い音しますね。どうですか?自分で作ってみてこんなに良い音が出ると思ってました?

後藤:いや、もう大発見です。

三木:通常は木とかなんですね?

後藤:そうですね。だから通常木で作るやつが当たり前ですから、素人で僕らが作ろうと思うと木をくりぬくってまず無理だし、リング状に加工した木っていうのはそこら辺で売ってるわけでもないので、パイプだったら最初からどんどんいけちゃうのかなと。

宇都宮:在庫してますしね。調達も容易ですしね。

後藤:そうなんですよ。自分のところでちゃんと削れて。

三木:結構プロの人にも使ってもらったりとかしてるんですか?

後藤:そうですね。自分のライブでも使ってますし、この間一緒に出たバンドの人から2つつなげたやつを買っていただきまして、その人があちこちで年間何本もライブやる人で歌いながらそれを叩く写真をこの間アップされてたので、すごいうれしかったですけどね。こうやって置いておくと色んな人から色んなアイデアをもらうんですね。うちのお客さんから「取っ手を付けてほしい。取っ手を付けたら1個買うから」と。「取っ手付けてどうするんですか?」って言ったら「お祭りの時に踊りながら叩くんだ」と。

宇都宮:こう持ちながら演奏する。

後藤:あ~そんな発想もあるんだなと思って。

宇都宮:樹脂だと軽いんですか?

後藤:何も削らないやつが1.3kgぐらいなんですよ。だけど削ったやつがどんどん軽くなってこれが800gぐらいなんですね。だからこれはすごく軽いんですよ。ちょっとこれだと足の上に落としたら怪我をするなというのがあったんですけど、そちらは本当に軽いですね。だから工夫次第で軽くすることができました。

宇都宮:(叩いてばかりいないで)司会してくださいね(笑)

三木:楽しいですね。ここから進化してドラゴンっていう由来のものになったのは…

後藤:セミナーで作った第1号です。これはペダルを付けて…ただちょっと抜けが悪いってことが分かって、太鼓ですから横に穴を開けても音はまっすぐ出るということがこういう太鼓で分かったことなんですけど、すごいストレートにドンと音が来るんですけど、これはまだ改良の余地がありますね。

三木:本当にドラゴンっぽい感じですね。

後藤:だからこれをここで作ったのが…下のパネルを踏むと音が上がるっていうやつです。オクターブぐらい目指してるので。

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三木:これおもしろいですね。これいいですね。これが最新バージョン?

後藤:これがそうですね。これもちょっと最初に作って…邪魔だったら取ればいい。

宇都宮:おっきくなると音が大きくなる。

後藤:そうですね。これはボルトで作ってるのでこれを絞めれば…

三木:これはどうして音が…下を踏むと締め付けが強くなるんですか?

後藤:色々音を変えられる。これは苦労して作ったんですよ。

三木:パイピングドラゴンⅠ、Ⅱ。

後藤:あとこの辺のやつも。長細いパイプで作ったらどんな音がするのかなっていうのは、次々実験してみたらいいんです。ただこれ筒の音なんですね。打楽器を勉強してきた人に聞くと、「その筒の鳴りと皮で一番良いチューニングっていうのがやっぱりある。それから強く締めすぎても弱くてもあんまりそれ以上の鳴りが良くなることがないんだ」と。だからパイプをいっぱいつなげて叩いてみたんですよ。そしたら大発見なのは良い音が出ない。同じ音が出るんです。3mつないでも2mつないでもベーンっていうパイプの響く音が出ちゃう。

宇都宮:たぶんホーンの形状を変えるといいかもしれないですね。

後藤:あの短いやつも作ったけど、結局この締め具合で出てくる音が変わる。

宇都宮:こいつは結構いいですね、シンプルで。

後藤:そうなんですね。ここに行き着いて初めて、「これで色々バリエーションを考えるのが一番いいのかな」と。

宇都宮:色合いだけ変えるだけでも雰囲気変わりますしね。

後藤:お祭りの時用に子供用のスタンドを作って、このスタンドに乗せて。

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三木:すばらしい。

後藤:これをリハビリに使えるんじゃないかというお話もいただいて、こういう軽いモノで角をちゃんと丸くして、今色んな施設で色んな体操をしたり、その中にこのリズム体操みたいなのが流行ればおもしろいかなと。

三木:カホンていいですね。カホンとリハビリ。ちょっとかっこいい感じ。

後藤:こんな軽いモノでできるんだったら…コンパクトですしね。そちらも目指してみたいという夢がだんだん広がるわけです。

▶後編に続く。

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