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還暦

本年最後の釣行として
いつもの水路に着いたとき
いつもの場所のかなり近くに
釣り座を構えたご老人
ここいいですか
と聞くと
どうぞ と言われ
それきり二人は口をきかない
余りの寒さに
フードをかぶる

煙草の匂いが流れてきて
くさいなと顔をしかめた
マスクとフードで防備され
喫煙者からは見えないはずだ

おおたか
だという声が聞こえて
思わず上空を仰ぐとき
フードを帽子をとるように脱ぎ
耳元に冷気が流れた

はやぶさ かな
と言いなおしていてそう遠くない
青空に
白く光る二羽の鳥のかげ
それに呼応する二羽の黒い鳥
おおたか または はやぶさは
二羽の烏を連携して狩る
こんな光景初めて見た
ここは仮にも東京だった

芯から冷えて釣りどころではなく
今日もタナゴはつれないままで
人に慣れた
猫たち
アオサギ
水辺のいつもの生き物たちと
人たち

老人が
釣れた魚を水溜まりにあけると
アオサギが人など
ものともしないで飢えをいやした
とさかのような黒いリボン
と言うよりネクタイ
頭にあんな羽がはえていたのか
間近で見て 写真に撮った
いい写真が撮れた

はずだった

がフィルムならぬ
メモリーカードが入ってなかった
帰宅したらアダプターに刺さっていた

とは その時は知らず
しきりに撮った
かっこよくとってもらえよ
と老人が言った
振り返って照れ笑いした
珍しく母と少女が
釣りの見物に出ていた
その母の方にも
会釈した

この人たちに
私はいくつに思われているだろう
あと数年で還暦だとは
多分思われてないはずだ





人は年をとりますが わが身内 詐欺被害 2回目 4年ぶり 春先のできごと 昨日発覚 警察は年明けで つかれた おそらく3度目もあると踏んで 警察と連携し 今度は下手人とらえる予定 処罰はどうでも 金だけ返せ


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