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抒情

抒情と言ってまず思い浮かべるのは 私の場合
すすきの草っ原が広がるかわらとか 水と枝葉
じみていない稲のような植物がある風景だ 抒情
詩というとそういうところに一人ポツンといて 風の
流れや草のこすれる音を聞いている そういう事
を書いているものだとずっと思っていたが
調べると思いのたけを述べた詩 というような
説明がなされていて 水も草も出てきたからと
いって特に抒情詩ではなく 出てきたとしたら
それはあくまで人間の感情の例えだったりする
というのは なんとなく詩というのは川べりや
草っ原の寂しい様子を書くものだという誤解を
深いところで解けずに私の中でささめく

というのも川べりや雑木林の近くで生まれて
気が付くと一人でそんなところをがさがさしてい
る記憶がプリセットされているようで 事実幼児
の頃に友達がいた記憶がなく 幼稚園も一年
しか行っていなくて 家で粘土遊びをしている
のが常だったから そんなに草叢や藪の中には
いるはずもないのに どうしてそんな光景が折り
につけひきだされるのだろう 何だか 長じて
ものを読むようになったうえで つくられてきた
イメージのような気がしなくもない 

もし海辺に生まれていたならばどうだったろう
そういえば幼い頃は長らく海が怖かったので
海水浴の記憶がない 川はあっても今よりも
ずっと汚染がひどかったので川遊びの記憶もな
い さらにいえば この年になるまで砂浜で海
へと沈んでいく太陽も見たことがない 鉄工所
のある工業港へ沈んでいく夕日は何度か見た


もう夕方まで海で遊んで そのまま夕暮れまで
そこに留まるような機会は さりげなく訪れるこ
とはないだろう 宿泊の準備をした大仕掛けな
行動でしかそういう光景を見ることはない 夕方
に海岸を散歩するというような環境に身を置く
には労力がかかるところに住んで これからも
住み続けるだろうというかなり確かな予測がある

リリカル 抒情的 リリック 詩句 凛々しいとく
に語感からくる連想 リリシズム 抒情主義?
感情的な という事と何が違うのだろう 感情
を修辞でコーティングするのがリリシズムという
事なのだろうか なんとなく面白くない これが
抒情詩だ という作品の見本が見たい 人に
よって抒情は様々な解釈がありそうで という
ことはとても抽象的なものなのだろう しかし
深く水や植物とかかわりがある気がしている
それ自体にはほぼ動きは無くて外からの物理
で流れたり揺れたりしていて

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