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墓参り

墓参り

今日は梨を買いに行き、その後で墓参りをした。台風が過ぎ、吠えるように気温が上がった。ここのところでは珍しく、日経平均が二百円以上下げていたので、思わずレバレッジETFをしこたま信用で買ってしまった。投資信託が担保になるのだ。ああ、莫迦をした。午後、墓参りにいく予定をすっかり忘れていた。昼食を済ませて、実家へ行った。案の定、母は何の支度もしていず、暑い中待たされた。車もそうそうすぐには冷えない。座り順でがたがたしてようやく車を出したのは十五分程度後だった。そのわずかな時間が待てない。暑さに堪えがきかない。毎年、人に送る梨をおなじ店で買う。幸水は八月すぐぐらいだとのことだったが、まだかろうじて間に合った。直に豊水だ。梨園と言えば背の低い梨の木に蝉がとまっているのは昭和から変わらないが、キウイの棚が梨園の入り口にあるのはここ何年かのことだ。蝉も減った。土から出て羽化するところを猫や烏に食べられてしまうらしい。脱皮したてで、柔らかくておいしいのだろうか。梨の用事を済ませて、墓に行く。墓石は日光に焦がれて、中まで熱が入っているようだった。何度水をかけてもすぐにたまり水が温まった。私たち以外、炎天下に墓参りしている人間はいなかった。何度も水を汲み墓石にかぶせた。折り合いの悪い父だった。何となく手を合わせない。そのかわり石を隅々まで水洗いし、きれいに拭き取るのが常だった。今年から、盆でも休みはない、と心で伝えた。今までも盆に特に休みを取ったことはなかったが、盆に限らずいつでもフリーに、今年からなったのだ。どう思っているだろう。線香の煙が追いかけてくるようだ。すっかり陽が入ってしまった。帰るなりシャワーを浴びた。


一年前に書いたものですが今年も同様なことをしています

梨については ことしは出足が早くて いつもの店では買えませんでした

もう幸水はおわり 夏ももうじき終わり

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