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映画感想『ボーはおそれている』

原題「BEAU IS AFRAID」

◆あらすじ◆
日常のささいなことでも不安になってしまう怖がりの男ボーは、つい先ほどまで電話で会話していた母が突然、怪死したことを知る。母のもとへ駆けつけようとアパートの玄関を出ると、そこはもう“いつもの日常”ではなかった。その後も奇妙で予想外な出来事が次々と起こり、現実なのか妄想なのかも分からないまま、ボーの里帰りはいつしか壮大な旅へと変貌していく。


最新作はホラーじゃなくてブラックホームコメディだったかぁ!

愛情を履き違えた母親の支配欲に縛られ何ひとつ自分で判断出来ないまま中年になってしまったボー。
そして祖父も父も腹上死だったと吹き込まれ未だ童貞で自己肯定感ゼロの不安症だ。

今作は、そんなボーがやむ無く外界へと走り出すロードムービーファンタジー。

人それぞれの内的世界などひとつの視点では測れない。
ましてや同じ事象に対する二者の見解の相違やその善悪をどうして第三者が判断出来ようか

この物語は同じ事柄には多種多様な側面がある事をかなり難解且つ回りくどく描いてる。

が最終章の展開には度肝抜かれるし爆笑!

アリ・アスター監督作は『ヘレディタリー/継承』以来だがその湾曲した進行や展開は更に進化し精神疾患への滑走路的様相を呈していた。

ボーは何を恐れ何から解放されればその内的精神はクリアになるのか?

最後には何気に合点が行くが何せ179分と言う長尺・・・
その間ホアキンがまぁドタバタギャアギャアしてるのでコチラの精神が疲れるのは必至。

めちゃ体力消耗したわ、もうヘトヘト…(笑)

なんなの?この血!



*ネタばれ*

ドタバタ劇を繰り広げる中、怪我をしたボーを助ける夫婦が登場するんだがその夫がボーに「アナタの睾丸は肥大している」的な事を言うシーンの伏線回収で【睾丸お化け】が現れてもうチープな怪獣映画さながらでちょっと可笑し過ぎた。


前述したが祖父も父親も死因は腹上死だと言われ自分も同じ様に死ぬ恐怖から中年になるまでずっと童貞だが母が死に呪縛から解放された気になったボーは母の葬儀に遅れてきた幼馴染で初恋の女性といきなりベッドインの運びとなるが・・・腹上死で天に召されるのが女の方だと言うあの持って行き方は最高に笑えた。
騎乗位の恰好で死後硬直の進んだ姿のまま運ばれていくの恥ずかし~~~~ww。
ボーはマスターベーション率どれくらいだったのか知らんけど女の最後の言葉が「ゴムを突き破ったわ」だったのがもう爆笑!

因縁の女!

で、女が腹上死!ちゃんちゃん。

この最終章が一番コメディとして成り立ってて実は生きていた母親と対峙するシークエンスはちょっとホラー感も出しつつオーディエンスにボーの人生をジャッジする機会を与える仕組みになっている。

只モノではない母


現実と妄想の狭間に彷徨うボーの思考はどうして出来上がったのか?
中年の成りした子供ホアキンがもう可愛くてね。

まぁ理解出来なくて良い映画だと考察した次第。
2/3くらいまでは解らんまま進むからね。

とにかく可愛いホアキンを観られるのがイイよ!



ヒグチユウコ×大島依提亜ポストカード

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