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新宿コマ劇のモノノケ


新宿のコマ劇がまだあった頃
霊感の強いと有名な某歌手のkさんが
体験した不思議でホッコリする
関係者の方から聞いたお話です。


老舗劇場の『新宿コマ劇』で
Kさんが数日間の公演するという
リハーサル中の最中


何人もが舞台の裏や、上を
タッタッターーー!と小走りする
足音がきこえた。

最初はスタッフかと思ったKさんだが、
その足音はとても軽く、
まるで子供が何人も
遊んで居るような感じだったという。

しかしリハーサル時間は限られている為に
途中集中が途切れるも、
その場はやり過ごした。


どうもその足音はKさんにしか
聞こえていない様子なので、


彼女は『ああ、またかな?』と
ソウイウ感じだ。


リハを、終え
楽屋に戻ったKさんが
ふっとパイプ椅子に座り
ペットボトルのお茶に手を伸ばした
時だった。



すぐ後ろで
爪が床を引っ掻くように歩く
ナニカの気配がして、


ん、、
と直感的に彼女は
『ココには狐がいる』と感じた。



その時
あ!と思わず声をあげて
昨日の夢を思い出した。



「あたし昨日ね、
子供が沢山出て来る夢見たのね。」


「何人かの子供に囲まれて、“お腹空いたよー“
とか“なんかちょうだい?“って
裾を引っ張られる変な夢だったけど、
そういう事だったのねえー」


彼女は腑に落ちた感覚にしっくりきたあとに
ホッコリした気持ちになった。


その夢は怖い夢ではなく
ただ、変てこな感じだったという。


コマ劇にはお供えにありつけない
はぐれた小狐が何匹か居着いて
随分とお腹を減らしている様子で
訴えてきたのだろう。と
考察したKさん。


本番前にコマ劇の小狐たちに
お腹いっぱいになる様にお供えをして、
きれいなお水も一緒にあげて
公演が終わるまで続けたそうです。


そして、その年にkさんの出演した舞台は
怪我や大きな問題も無く
お客さんも満員御礼にて
大成功で幕を閉じたのでした。

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