見出し画像

何度言っても理解しない部下/ちゃんと教えてくれない上司

揉め事のほとんどはコミュニケーションエラー

私は、仕事柄、上司と部下の揉め事によく遭遇します。

上司「何度言っても同じ間違いを繰り返す。学ぶ気がない」
部下
「自分は上司に嫌われている」

上司と部下、別々に面談をしていると、それぞれからよく聞く言葉です。

揉め事のほとんどはコミュニケーションエラーです。
このお互いのすれ違いを調整するのが、私の仕事です。

関係性が悪くなってからだと修復が難しいこともありますが、可能な限り修復に向けての話し合いをしてもらうように働きかけます。

その時に押さえておきたいポイントが

どちらか一方が悪いわけではない

ということです。

「間違い」という言葉にある通り、「間」が違っているのです。
つまり、人と人との「間」が違っているだけなんです。

ここがコミュニケーションエラーの根幹です。

自分の考えや気持ちが、相手に伝わることが大事で、伝えたらOKというわけではありません。「伝えたい」「理解したい」とお互いが思っていることが大前提でコミュニケーションが成り立つのです。

上手く伝わらなかった事実があった時に、「伝え方が悪かったかな?」「私の聞き方が悪かったかな?」とお互いに自分の行動を振り返る姿勢がとても大事です。

これだけ多様性が広がってきた現在、空気感では伝わりません。言葉を尽くしてお互いを理解し合おうとする気持ちがコミュニケーションには必要なのです。

雲、雨、傘

そして、次に大事なことが

事実、解釈、アクションを区別すること

この本に例え話で、雲、雨、傘が紹介されていました。

雲:空に雲がかかっている  【事実】
雨:雨が降りそうだ     【解釈】
傘:傘をさす        【アクション】

大石哲之(2014)コンサル一年目が学ぶこと

これらをごちゃ混ぜにして話すとややこしくなるので、きっちりと意識して分けましょうという内容です。

医療界の具体例で恐縮ですが、少し例をあげさせてください。

「患者の田中さんは、2日前から咳が出てきて、『風邪かな』と様子をみていたそうなのですが、なかなか改善せず、今日はさらに息をするのもしんどくなってきたため受診されました」

という報告です。
この文の中にも患者さんの解釈(「風邪かな」の部分)が含まれたりして、ややこしいのですが、この報告そのものが事実しか言っていないのです。

この事実をもとに、どう解釈して、どういうアクションが必要かを考えることがとても大切なのです。

仕事のプレゼンでもそうなのですが、これはコミュニケーションエラーでもとても大切なのです。冒頭に挙げた上司と部下のセリフを見てみましょう。

上司「何度言っても同じ間違いを繰り返す。学ぶ気がない」
部下
「ちゃんと教えてくれない。自分は上司に嫌われている」

どうでしょうか?解釈がかなり入っていることに気づくと思います。

上司:学ぶ気がない(ように思う)
部下:自分は上司に嫌われている(ように思う)

この解釈を勝手に加えているのです。自分だけで解釈することは自由ですが、よく起こる喧嘩の原因は、これを相手にそのままぶつけることにあります。

自分がそのように思っているだけで、相手が実際にそう思っているとは限りません。伝えるとしても、

上司「学ぶ気がないように(私は)捉えてしまう」
部下
「嫌われているように(私は)感じます」

というように、事実ではなく自分の解釈だと理解して話したほうがいいでしょう。

もっと言えば、お互い人間なので、解釈を伝えるだけでも傷ついてしまう可能性が高いです。相当できた人でない限り、これらの言葉を言われると凹むのではないでしょうか?少なくとも私はそうです。

なので、解釈を伝えるときは慎重に伝え、原則は事実ベースで自分の感情を伝える方が賢明です。この場合、

上司
「同じミスを繰り返しているね。どのように教えたらいいのか悩んでいるので、あなたの考えを聞かせてほしい」
部下
「いつも教えてくれても内容が理解できないので、もう少し詳しく教えてほしいです。」


このような形で、事実とそれに対して自分がどう感じたかをベースに話してみてください。

このように、事実、解釈、アクションを分けて考えることはとても大切です。

これ以外にもあらゆる場面で、この考え方は生きると思います。ぜひ意識して仕事してみてください。


最後まで読んで頂きありがとうございます🍀
もし気に入って下さった方は、スキ・コメント・フォローして頂けるととっても嬉しいです(*^^*)

働く人の心が楽になるための活動に使わせていただきます。