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社会人とは-受けとる側から与える側へ-

新年度からnoteを始めたので、しばらくの間、新社会人に向けた内容を書いていきたいと思います。

今回は、社会人とは何か?

人によって、定義がさまざまだと思うので、まずは辞書を調べてみましょう。

①社会の一員としての個人。 ②実社会で活動する人

広辞苑第五版

ただ実際にネット辞書等調べてみると、以下のように、学生や生徒と対比した言葉として使われているという記載の方が多かったです。

① 社会を構成する一員としての個人。
② 社会で職業につき、活動している人。 学生、生徒などに対していう。

コトバンク

言葉通り捉えるなら広辞苑の定義の方が正しいのですが、私も含めて後者の意味で使われている方が多いのではないでしょうか?

今回は言葉の定義の話をしたいのではないので、このへんにして、本題に入ります。

社会人とは何なのか?

受けとる側から、与える側に


これは、ある会社の新入社員研修で聞いた役員さんの言葉です。私が社会人10年目になった時、ご縁があって産業医として関わることになり、この機会に恵まれました。

今までなんとなくぼんやりと社会人をしていた私にとっては目から鱗でした。

仕事をするからお金がもらえる。それくらいにしか思っていなかった私の視野が大きく広がったのを覚えています。

学生時代は受け取る側だったのか!と改めて自分の置かれている状況に気づきました。

日々生活をしていて当たり前だと思っていたものすべてが、どこかの、誰かのおかげで成り立っている。このことに改めて気づかせていただきました。

道路、水道、電気、ガス、電車、バス、トイレットペーパー、タオル、食べ物…
挙げたらきりがありません。

喉が渇いたからコンビニでお茶を買う。これだけでも、茶葉を栽培する人、栽培する土地を持つ人、茶葉を積む人、茶葉を運ぶ人、茶葉をこしてお茶にしたり、ペットボトルを詰めたりする工場の人、その工場の機械を作る人、ペットボトルを作る人、その原料となるナフサを作る石油会社の人、石油を掘る人、ペットボトルのお茶を運ぶ人、そのトラックを作る人、そのガソリンを作る人、運ぶ人、コンビニの店員さん、コンビニを建てた人、コンビニを維持する水道電気ガスに関わる人…

たった1本のお茶を飲むのにも数えきれない人が関わっています。
もちろんすべて人力ではないかもしれませんが、こういことを考えると、社会はほんとに数多くの人で支え合っているんだなと感じるようになりました。
また、今現在のひとだけでなく、一昔前では考えられなかったほど便利な仕組みを作りあげて来た先人たちも含めると、数えきれないほどの方達のおかげで私の生活は成り立っているんだなと感謝の気持ちが湧くようになりました。

なんて自分は恵まれてるのだと

もちろん今現在必死で生活していて、頑張られている方も多いと思います。みなさんに無理にこう考えてくださいと言っているわけではありません。

ただ、一歩引いた目で見て、自分の状況で「何か恵まれているな」と感じることがあれば、 誰かを羨むことや、仕事をしなければいけないというプレッシャーも少し減るのではないでしょうか。

私自身、今は医師という仕事をしていますが、これもとても恵まれているなと感じるようになりました。

少し前までは、もっと勉強しないといけない。〇〇の資格をとらないといけない。きちんと仕事をしないといけない。何もかも完璧にしたい。もっともっと努力しないといけない。とある種の強迫症のように頑張っていた時期もありました。

ですが、受けとる側から与える側にという言葉をもらってから考えが大きく変わりました。

たしかに医師になれたのは勉強したからではありますが、勉強に集中できる環境や勉強が大事だと思えるようになった学校の先生や友人たち。その学校に行くのを支えてくれた家族や塾の先生たち。

医師になるだけでも数多くの方々に支えられてきたんだなと思うようになりました。

それに前述したように、今も現在進行形でたくさんの人に支えられているんだなと思うようになると、肩の力がすっと抜けたような感覚になりました。

頑張らなければいけない。上司から認められなければいけない。成果を出さなければいけない。
そういった気持ちはどこかにいき、心から仕事をしたいなと思うようになりました。

産業医として関わっている会社の従業員や管理職の方たちと話をするときに、なんとか力になりたい。みなさんの負担を少しでも減らしたい。そう思うようになりました。

今の力では不十分なこともたくさんありますが、自ずと勉強しようという気持ちが湧いてきたんです。

自分が評価されるためではなく、目の前の人を楽にしてあげたい。

ほんのちょっとしたことなのですが、視点を自分ではなく相手に向ける。
たったこれだけのことなのですが、全ての行為が前向きに捉えられるようになりました。

といっても常にやる気に満ち溢れている訳ではなくて、しんどい時は緩めることももちろんあります。

自分にムチを入れて頑張っていたのが、自分らしく自然体で頑張れるようになった感覚です。

こんな感覚にさせてもらえたのも、今の自分はこんなにもたくさんの人のおかげで生きているんだなと思えるようになったことがきっかけです。


なので、これを読んでいる方で、もし同じように思えたら、少し気持ちは軽くなるのではないでしょうか?


もちろん、そう思えないこともあると思います。そういうときは無理に思う必要はありません。

それだけ今は余裕がないのだと思います。

まずは自分の心や身体の声に耳を傾けて、労ってあげることも大切です。

「しなければいけない」と自分にムチを入れるのを止めて、ちょっぴりでいいので自分自身に優しくしてあげてくださいね。



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