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新社会人になったみなさまへ

まずは新社会人になられたこと本当におめでとうございます。
というよりも、「ありがとうございます」の方が私の正直な気持ちです。

2021年時点での日本の生産年齢人口は7,450万人です。1995年をピークに減少していて、2050年には5,275万人に減少すると見込まれているほど、日本は労働力不足に悩まされています。

どの企業・どの部署を見ても人が足りないという声が聞こえてきます。
そんな中で働いてくれるあなたはどの会社でもありがたい存在に違いありません。日本社会という観点から見ても、働けない人たちを支えるという意味で大変ありがたいのです。

先日、私もそんな新社会人の方々とお会いしてきました。緊張した面持ちながらもキラキラした眼差しで講義を聞いてくれて、目の前の方達がこれからの時代の中心になっていくのだなと心から嬉しく思いました。

と同時にちょっと心配していることもあります。産業医という仕事柄メンタル不調になってやめていく方々に多く出会ってきたこともあり、この中のどれくらいの人が辞めないで済むのかなと考えてしまいました。ちなみに、新卒の約3人に1人が3年以内に離職するようです。
※厚生労働省が発表した資料によると、2018年の就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者が36.9%、新規大卒就職者が31.2%。

中には強い意志を持って新しいチャレンジをするために辞める方もいますが、そうでない人も少なくありません。

思ったように仕事ができない自分に自己嫌悪になったり、上司や先輩の理不尽な言動に傷ついたりするかもしれません。期待した社会人と現実の違いにショックを受けるかもしれません。

もちろん、傷つかずに成長することはあり得ません。ですが、心無い一言でやる気がなくなったり、誰にも相談できずしんどくなって休職したり、なかにはせっかく選んだ仕事を嫌いになったりする人もたくさん見てきました。

だから今日は、社会人になったみなさんに働くことが嫌にならないための秘訣をお伝えしたいと思います。ちょっとだけですが人生の先輩としてアドバイスさせてください。もしかしたら昔の自分に教えてあげたいだけかもしれませんが、きっとあなたの役に立つこともあると思います。

働くということ

はたらくとは、傍(はた)を楽(らく)にすること

と、昔教えられたことがあります。厳密に言うとこれは語源ではないそうなのですが、誰かを楽にする、もう少し拡大解釈すれば「誰かを幸せにする」という行為だと考えられるかもしれません。

心理学で有名なアドラーも人間の最大の幸福は貢献感だと言っているように、誰かを幸せにする行為はとても幸せなことだと思います。報酬をもらっても嬉しいとお思いますが、働いて、誰かの役に立っているその感覚を持てること自体も幸せなことなのです。

ですが、ここで注意があります。

誰かを幸せにする行為は、他人から強制された途端、とても不幸に感じてしまいます。無理やりやらされる他者貢献ほど嫌なものはありません。自分自身がやりたいと思って行動するから、やってよかったなと思えるんです。

そして、心からやりたいと思うためには、自分自身が健康で幸せであることが必要不可欠です。働き始めると辛いこともたくさんあります。会社という組織に入ると、理不尽なこともたくさん経験すると思います。

初めは誰かに喜んでもらって、エネルギーをもらえていたことも、感じられなくなる日が来るかもしれません。入社当初思っていた頑張ろうと思っていた気持ちも感じられなくなる日が来るかもしれません。そこまでしんどくなると、この文章さえ読む気力も湧いてきません。

だから、今のうちに伝えさせてください。

自分を一番大切にしてあげてください

自分の心と身体が両方健康ではじめて人に何かをしてあげられるのです。

自己犠牲で誰かのために頑張ろうと繕っても、きっとうまくいきません。一見うまくのりきったように感じても相手は気づいてることがほとんどです。もし仮に、うまくいったとしても決して長続きはしません。

何のために働くか?

誰かの喜びそのものが自分の喜びに感じられるからではないでしょうか?

結局誰かのためにと言いながら、自分の幸せのためなのだと思います。
社会はそうやって支え合ってできています。

たがら、まずは自分を一番大切にしてあげてください。

新人は〇〇しないといけない
といった「べき思考」にいっぱい出会うと思います。

もちろんそうした方がいいことも多いですが、全ての大前提に自分が健康で元気であること。

これがとても大切なのです。

どうしてもしんどくなったら休んでもいいです。ほとんどの会社で休職制度があるはずです。

心が疲れてしまったら上司に相談してください。上司がうまく相談に乗ってくれない時は、人事部の人や他の誰でもいいので相談してください。
中には産業医や保健師といった専門的に社員の健康をサポートする立場の人もいます。

みなさんは決して1人ではありません。誰かに頼って甘える力も社会人として重要なスキルです。

こういうことがないことを願っていますが、もしそんな時が来たら、今日の話を頭の片隅に残しておいて、思い出してください。

それでは、これからの長い長い充実した社会人生活を楽しんでください。応援しています。


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