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巨大ロケットStarshipのSF映像的な見所【Starship Flight 3,Flight 4】

3月14日にスペースXの巨大ロケット「Starship」の打ち上げ実験がありました。

Super Heavyブースターと合わせて全長121mという、大型のロケットを打ち上げ、大気圏再突入や貨物室の開閉など大規模な発射実験を行うイベントであり、高画質で生中継されていた事もあり世界から注目されていました。

打ち上げとミッション中の中継映像はNASA等のYoutubeチャンネルで配信されていたのですが、画面上に解説や解説者のワイプなどが表示されている物が多いです。

以下の動画はX(旧Twitter)で配信されていた生の配信画面のキャプチャなので、映像だけ振り返るのにおすすめです。

海面に落ちる雲の巨大な影

海面に落ちる雲の巨大な影は、ISSからのライブ映像でもよく見られる光景ですが、今回のStarshipでは大気圏への再突入前に姿勢制御を行っている場面でのライブ映像があったので、ISSのライブ映像とは違った角度や視点で、海面の様子が見えます。

従来の宇宙で撮影した映像の中には、間違いなく無かった物だと思います。

再突入前にロケットが姿勢制御している場面
雲が2~3層に重なって海に影が落ちている

ゲームエンジンのUE5では「ボリュメトリック クラウド」のようなリアルな雲を生成する機能があり、海や陸地へ落ちる影も描画することが可能なようです。Unityなど他のゲームエンジンでも雲の生成機能はあるので、似たような風景が再現可能かもしれません。

回転するロケット

今回のStarship打ち上げの実験の一つとして、貨物扉の開閉が行われましたが、開閉中やその前後でロケットが水平方向に飛行しつつ回転し続ける様子が映像で見られました。

これはロケットに当たる日光を均一にして、過剰に温まる部分の発生を防いでいる、という説明をXや放送中の解説で見ました。また、イーロン・マスクは多少であっても人工的に重力を作るために、Starshipを回転させていると言及しています。

理由は色々あるでしょうが、回転している様子はISSや有人飛行の映像では見られない珍しい映像だと思います。

回転するロケット

再突入の断熱圧縮とプラズマの発生

これだけの高画質で、ロケットの表面に発生したプラズマを見れるのは珍しいでしょう。再突入が始まった後に機体が分解してしまったらしく、地表までの変化など細かい部分は見られませんでした。

プラズマの発生

後に調べましたが、プラズマの発生により地上と通信不能になる問題は、スペースシャトルの時代には解決されていたようです。

Flight4の見所

既に次の発射試験に向けてエンジンのテストなどが行われ、その様子が公開されています。かなり高画質なのでクオリティの高い映画やゲームの映像を見ている気分になれます。

夜明けの空や海を背景にロケットエンジンの発射炎を撮ると、ハリウッド映画でよく見るティールオレンジのようなライティングになるのが、映像が注目を集める理由の一つかもしれません。

また、SpaceXとは直接関係ありませんが最近は「回転デトネーションエンジン」という新しい方式の効率の良いエンジンも開発され、従来のロケットエンジンとは違った新しい見た目をしているので新世代のロケットのデザインには取り入れられてそうです。

発射台や機体外部のカメラには広角のレンズが使われていて、FPVドローンやGoProの映像なども同じような画角に見えます。巨大な物、宇宙からの地球や空から地上を撮る時は、こういったカメラが大きく撮れて良いなと思っています。映像作品でも大きな物をテーマに撮影している物は広角レンズが多いと思います(以下の動画など)

逆にスマートフォンで取られた事件映像のような物は、望遠気味になっていると思います。

見所や気付いた点としては、こんな所です。

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