都合の悪い夢

これは、僕が専門学生の頃の見た夢の話です。
舞台はとあるホテルで、私は探偵でした。正確にいうと名探偵で、
可愛い小学生高学年くらいになる助手の女の子もいます
このホテルから失踪事件が起きたので依頼を受けたのです。
フロントにいる女性や、ホテルマンに事情を聞き、知り合いの警部に
軽く挨拶を交わしたりしました。警部は「君が来たからもう大丈夫だ」
と安心しており、私も「私が来たから安心して下さい。」
なんとも理想な名探偵なことでしょうか。さすが夢の話です。
私は事件現場の部屋はもちろんの事、可愛い助手と共にホテルの中を
隅々まで捜査しました。すると、突然に警部がやってきて
「すみません、事件解決のお時間です。」
なんと、時間制限があったのです。
これには焦りました。なぜなら形としては捜査してましたが、
何も事件の真相には辿りついていなかったのです。
ホテルのフロントには警察関係者と事件の容疑者が集められておりました。
来た時にはそこにいる全員が一斉に私の顔を見て、
これでもかというプレッシャーを与えました。それでも一丁前に
ポーカーフェイスを気取って、名探偵面をしてました。
警部が「それでは名探偵お願いします。」それから私は黙りでした。
俯いて周りの目から離れて、そこには名探偵とはかけ離れた。
惨めな男の姿がありました。周りも沈黙だったのが余計に辛かった。
すると、ホテルマンの男が「クックック」と笑って、
化物へと姿を変えたのです。そして化物は私を食べました。
周りは真っ暗になって、そこで目が覚めました。

「犯人が化け物のミステリーなんて、随分と低レベルなお話しだな、
それも食べられたって酷い、夢落ちより酷いわ。」
そんなことを呟いてた私は、すっかり目が冴えたので1時間くらい
動画を見ていました。そしたらまた眠気が訪れたので、
二度寝をすることにしました。

また夢を見ました。その夢は私が名探偵で、舞台がホテルで、失踪事件……
これはさっきの夢と同じではないか?助手も同じだし、ホテルも同じだ。
ただ唯一違うことは、私が犯人を知っているということです。
つまり、食べられてゲームオーバーになったから、リセットボタンを押して
やり直ししたということです。さすが夢と言ったところでしょうか、
都合がいいですね。これでハッピーエンド見れるわけです。
さっきよりも、自信に満ち溢れていました。顔も澄まし顔ではなく
ドヤ顔です。犯人のホテルマンを睨んで、警部に挨拶し、
いい加減に捜査をしました。そして、さっきと同じく時間が来ました。
フロントへ行くと、みんなが集められて私に注目を向けていました。
全く緊張もなく、犯人であるホテルマンをチラチラ見て、
格好良く決めれる自分を想像してニヤついていました。
警部が「それでは名探偵お願いします」待ってましたと思いましたが、
またしても黙りしました。気づいたのです。
例え犯人が分かっても、相手が化物だったらどうすることも出来ない
ということに。だってこっちは名探偵と言えどもただの人間だから。
そして私はまた食べられてしまいました。

いかがだったでしょうか?
一度見た夢をもう一度やり直して1から見るという経験皆さんありますか?
僕は今のところこれだけです。それにしても夢の中だけでも格好良くさせても
いいと思いませんか?本当、都合の悪い夢でしたわ。
それでは今回はここらへんで失礼します。


#私の不思議体験

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?