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映画や映写やスクリーンの事。

かつて映写技師をしていた、技師と言うのは恥ずかしいが、適当な言葉がない。

最初は映画フィルムの現像所でのアルバイトだったのだけど、現像所での映写は映画館で映写するよりもシビアだ。

ラッシュという、映画になる前の、撮影されたばかりのフィルムを上映する事もある、ピントが合っていることが最優先、もしピントが甘いと、カメラマンのミスでピントが合っていないと勘違いされる、撮影済みの映像のピントが合っていないなど、あってはならない事なので、映写時のピンボケなど許されない。

しかし、現実にはピントが合ってなくて使えない映像も無くはない。

特に怖いカメラマンは映写室まで入ってきてチェックした。

その後はシネマ・プラセットという映画館で映写していた。

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「時の娘」誰も知らないような映画だけど、このポスターに小さく名前が載っている、助監督でもスタッフでもなく{映写}として。

ポスターに映写技師の名前が印刷されている事など、まずない、そいう意味ではめずらしいポスターだと思う。

まあ、なにが言いたいかと言えば映写には、ちょっとウルサイってこと。

しかし、時代は流れて映写機で映画を上映する事もほぼなくなり、大きなシネコンはほぼすべてデジタル上映だ。

自宅でも、基本的に映画はビデオプロジェクターを使って、大きく映して見る。

まあ、だた、そのほうが映画っぽいというだけ。

幸いにも白い壁があり、狭い試写室程度の大きさで上映出来る。

映画館とは比べ物にならない、と言ってしまえばそれまでだけど、テレビ、パソコン、スマフォで見るよりは映画館ぽい事だけは事実だ。

それでも、映画館との決定的な違いがいくつかある。

画質の問題は、今あるもので(エプソンの4万円弱)そこまでヒドイと感じないけど、高額なものを買えば画質はほぼ問題ないと思う。

音も同様で、良いアンプとスピーカーがあれば、問題ないだろう。

問題があるのは......

① 夜しか上映出来ない。カーテンを閉めた所で、どうしても真っ暗には出来ないので、暗くなってからしか上映出来ない。

② 騒音。防音がしっかりしている部屋ではないので、どうしても外の音が聞こえて来る。

それぐらいだ、もともとカンペキな映画館を目指している訳ではないので問題と言うほどでもない。

それで、今までは白い壁に映写していた訳だけど、まあ、なんだかんだの事情で、その、自宅で一番大きな壁に映写して見る事が出来なくなった。

仕方なく、空いている部屋をシアタールームに.....

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なんとかここにスクリーンを...... と言う事で、まず生地屋さんに。

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今回は生地問屋さんみたいな所へ、しかし、生地を大切に扱わない事、はなはだしい。

勝手に見て、勝手に戻すから(日本も同じか?)グダグダになってるし、床に立て掛けているから、下になってる部分はホコリだらけ。

それでもなんとかスクリーンになりそうな、少し伸びる素材の白い布を見つけて購入。

この白い布、巻いてあった外側が、ホコリとか、色んな人にベタベタ触られた汚れで、黒くなっていたので、その部分はいらないと言ったら、その部分ふくめてオマケしてくれた、さすが問屋、3メートルの値段で4メートルぐらい貰えた。

それでスクリーンを作る。

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この布の端を縫い、

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ハトメを取り付ける。映画館の本当のスクリーンもこんな感じで大きなハトメがついていて、この穴にロープを通して、上下左右からスクリーンをピーンと張って完成させている。(シネマ・プラセットの場合)

今回は家庭で、常設ではないので、ちょっと引っ張るぐらいでヨシとする。

で、一応出来たのだけど、

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まあ、見ていただければわかるとおり、窓が透けて見えちゃう、まあ、暗いところで映写するので、さほど気にならない気もしたけど、

やっぱり気になり、今度は黒布を購入。

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すっごい面倒だったけど、黒いバックスクリーンも製作。

一応、画角は計算して、いわゆるビスタビジョンサイズで最大限大きく写せる大きさ、横幅は2メートル70センチ。

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自分だけの映画館の完成。

本当は部屋中、真っ黒にしたい。

もう少し広い部屋が欲しい。

もっといいプロジェクターが欲しい。

本当のスクリーンが欲しい。

映画館が欲しい。

欲は限りない。


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