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自傷との向き合い方

新年一発目の記事は、元気モリモリ〜〜〜ッな感じで行こう!
というわけで 最近はじめた筋トレの話にしよう!!!

…と思ってたんですが、予定変更です。

というのも、筋トレの話をするにあたり、何故はじめたのかという理由を考えてみたところ、「シンプルに強くなりたい気持ちが7割、自傷行為の代わりにできるかもしれないという発想が3割」だったので、まずそこについて書いた方が良いな、と思い至りまして。ゆえにこんなタイトルです。

みんな自傷に悩んでる?

以前、私は「ストレス解消のための自傷って、だめ?」という記事を書きました。

要約すると「イライラした時にカッターで自分の体をスパッと切ると気分がスッキリするので、ストレス解消のために自傷をしてました!でも自分の大事な人に”君が傷つくと悲しい”と言われてやめました!そんなこんなでやめたはいいけど、ぶっちゃけ自傷の何が駄目なのか、結局わかってないし、納得もできてません!なにが駄目なのか教えてくれ〜!」みたいな感じです。

ありがたいことに、自傷についての記事はかなり読んでいただけてるようです。圧倒的にアクセス数が他の記事と桁違いなのでね…。

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こうなると、読んでもらえること自体はありがたいし嬉しいんだけど、同時に悲しくもなってきます。

「自傷行為に悩む人、あるいは身近に自傷する人がいて、その対応に困っている人が、それだけ多くいる」ってことなのかなあ、と。
あくまでも想像ですけどね。

3年以上前に書いたこの記事の疑問、「自傷ってなんで駄目なの?」については、今でも私の中で明確な答えは出せていません。

ですが、自分なりに「自傷にどう向き合えば良いのか」について、ちょっとした気づきを得たので、今回はそれを文章にしようと思います。

あくまでも個人の考えですし、心理学だとかカウンセリングなどのプロでもないので、参考程度にお読みください。また、内容的に自分語りが多く含まれますが、ご容赦ください。

「自傷をやめろ」はやめてくれ

冒頭で、私は「自傷の代わりとして筋トレを始めた」という話をしました。こう書くと「やっぱ自傷否定派なの?」と思われそうですが、別に私は自傷を否定するつもりはまっっっったくありません。

というのも、私自身が今まで散々否定されてきたからです。

私は今まで、他人(主に心療内科の先生やカウンセラー、電話相談室の相手など)に、自傷行為について話すたびに「やめなさい」と、必ずと言っていいほど否定されてきました。

そのことが本当に腹立たしかったし、納得いきませんでした。

なぜやめなければならないのか、理由を聞いても「親御さんが悲しむ」だとか「後々で大変になる」だとか、どうにも納得がいかない言葉が返ってくるばかり。「じゃあどうすればいいんだよ」という憤りがたまるだけ。

そんな私のもとに、初めて真っ向から否定せずに接してくれた人が現れました。会社をやめた頃から通っていた心療内科の先生です。

月イチくらいの頻度で通っている心療内科、もはや数年の付き合いなので「お変わりないですか」「ないっすね」「眠れてます?」「そこそこですね」「じゃあいつものお薬出しときますね」「ありがとうございます」の5分にも満たない会話で終わる仲。

そんな感じの関係だったのですが、色々と嫌なことが積み重なってモヤモヤしていた私は、数年ぶりに自傷癖がぶり返していました。刃物を使うまでは行かないものの、痣になる程度には自分の腕に噛み付くことを何度か繰り返してしまう日々。

「お変わりないですか」と聞かれて「自傷癖がぶり返しました」と返答。
すると先生が「あら」と目を見開きました。あ、この流れはお説教かな?となかば投げやりになっていた私に、先生は至極冷静に問いかけてきました。

「ぶり返したってことは前からやってたの?」
「それはいつ頃から?どういう感じで?」

おや?おやおや?今までの人たちの対応と違うぞ?と思いながら、素直に質問に答えていくと、先生はなんと私に、こう尋ねたのです。

「泥水さん自身は、自傷癖をどうしたいのかな?」

・・・!?

そんなこと、初めて聞かれたんですけど!?!?!?!???

思わず目が点になりました。説教なし!?マジで!?
やめたほうがいいとかそういう話しないの!?

私が「攻撃的な気持ちになったときに、ストレス解消としてやっているので、自傷以外の方法で解消できるなら、やめたほうが良いのかな〜?と思ってます」と伝えると、フンフンと頷いて「攻撃的な気持ちが生まれるなら、それをうまく昇華できるやつがいいよね〜」「あ!キックボクシングとかどうです!?あれ結構スッキリするらしいですよ!」と、ノリノリで代替案を出してきました。
なるほど、運動か…と考える私に「うまい代わりが見つかると良いね〜」と先生は朗らかに、さっぱりと言って、その日の診察は終わりました。

今振り返ってみると、先生は「自傷の代わりを見つけられると良いね」と言っていたので、結局「自傷自体はやめたほうが良い」と遠回しに提案していたんだろうな、とは思います。
ですが、私は後になってそのことに気づいても、なぜか怒りが湧きませんでした。

「自傷をやめろ」と頭ごなしに言われなかったことが、何よりも嬉しかったんです。
私に必要だったのは、感情論や一般論を抜きにして、まず話を冷静に聞いてくれる人だったんだ、と、そこでようやく気づきました。

今までの心療内科、なんだったんだよ〜〜〜〜!!!!!!

自傷を許せとは言わないけども

自傷を(頭ごなしに)否定されなかったことで、ちょっと冷静になった私は、改めて「なんで自傷って、世間だと否定されるんだろう?」と考えました。考えたんですけど、やっぱりわからなかったので、私の自傷について「できればやめてほしい」と言ってきた相手に突撃インタビューを試みました。自分で考えるより聞く方が早いからね。

まず「傷を見ること自体がショックだった」、と言われました。
それは、例えばグロいシーンを見てオエッとなったり、目の前で人が怪我をして血をダラダラ流してたらヒエッとなるのと似たような感覚だそうです。

それを聞いて、私はひとつ納得しました。自分は自傷しているので流血沙汰に慣れきってしまっているけれど、自傷しない人にとっては怪我してること自体が忌避すべき感覚なんだな、と。それは生物的に自然なことだな、とも思いました。

次に言われたのが「自傷に至るほどのストレスが君にあるんだと推測して、悲しい気持ちになった」
これは、まあなんというか、むずがゆいというか、ありがたい話ですね。心配してくれてるってことだよな、と自分は解釈しました。

でもやっぱり、自分的に気になるのは「悲しい気持ち」のところでした。
心配してくれるのはありがたいです。いやそれはもう、本当に、皮肉抜きに、ありがたいことですよ。

でもね、自傷してる身としては「そんなこと言われても…」なんですよ。

悲しいのはあなたであって、私じゃない。
私はもう、悲しいとか苦しいとかを超えて、ただのストレス解消でやっているのだから、悲しまれてもどう反応して良いのかわからない。やめたところで、自傷にかわる良い方法や根本的な解決がない限り、苦しむのは私自身。

きつい言い方をするなら「勝手に憐れむな、勝手に悲しむな」。

…さすがにキツすぎるし、失礼だし、人の親切を無下にしすぎなので、そんな言い方はできませんが、でもこれだけは譲れないと思うことは、「自傷を自分の価値観だけで判断しないでほしい」

その人がどういう意図で自傷しているのか。
それは、当たり前ですが人それぞれです。
そして、その人がどういう気持ちを抱えて自傷しているのか。
それも、当たり前ですが、ひとくくりにはできないのです。

自傷している人を、本気で思いやる気持ちがあるならば、自傷しているからといって、”かわいそう”、”ヤバイやつ”、”病んでいる”などの、レッテルを貼らないでほしい。
まずは、否定も肯定もせず、ただ事実を受け止めてほしい。

私は心療内科の先生に、フラットに話を聞いてもらうことで、ようやく「こうしてほしかったんだ」と気づくことができました。

自傷している人全員にとって、それが適切な方法かはわかりません。
ですが、少なくとも私のような、ストレス解消で自傷をしていて、自傷そのものにもはや疑問を抱かなくなっている人間にとっては、とてもありがたい対応でした。
色眼鏡なしに人の話を聞くこと自体、なかなか難しいとは思いますけどね。

今まで出会ってきた心療内科の先生やカウンセラーの方々、電話相談室の人などの対応を振り返ってみると、もしかして「自傷をする人への対処法」って、まだまだマニュアル化されてないというか、適切な答えが出てないんじゃないか、という気がします。

心の病自体、まだまだ最近になってようやく認められてきた感じなので、しょうがないのかもしれません。ですが、少しずつでも、自傷に対しての偏見が減って、自傷する人もしない人も気が楽になれる社会になっていってくれるといいな、というのが今の気持ちです。

自傷に関してはまだまだ色々思うことがあるので、また形にしていきたいです。少しでもこの記事が、誰かの助けになったり、参考になれば幸いです。

ちなみにインタビュー相手には、今も昔も、心から感謝しています。
ほんとですよ!感謝していること自体は嘘じゃないですよ!!

次はきっと筋トレの記事。泥水でした。

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