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2017年7月31日(月) | 東北旅行記①

【 京都~福島(いわき)~宮城(山元、丸森、名取、石巻) 】

京都から夜行バスに乗って、10時間かけて朝8時に福島県のいわき駅に着いた。いわき駅に来たのは、二度目だ。JR常磐線で宮城県の山元町にある山下駅に向かった。全線復旧はまだしていないので、不通区間の竜田駅から原ノ町駅までは代行バスに乗り換えた。

海岸線を北上して進む電車からは、穏やかな海を眺めていた。しかし、乗り換えた代行バスの窓からみる風景は大きく一変した。
原子力発電所近くも通り、テレビで見た映像が目の前に現れてから特に、空気が一気に重く変わった。バスの中では誰も話さず、ただただ外の風景を目に焼き付けるようにみていた。
バスから降りると相馬市は前日まで馬追祭りだったので、祭りの後の余韻を感じられた。目に入ってくる景色の変化が、心に変化になっていた。

山下駅で2014年に会って以来の知人たちと再会した。この山元町には2014年にも訪れたが、3年経って全く違う風景になっていた。復興の現状を目の当たりにした。
震災前の風景を知らないから、二回しか訪れていないから何とも言えないが、整備された駅前から何か大切なものが消えつつある気がふとした。

「自然から生命を守るとは、どういうことなのだろうか。」

山元町は海側ではイチゴを、山側ではリンゴを栽培している。この話を2014年に聞いた時、少し頭が混乱した。イチゴは暖かい地域、リンゴは寒い地域のイメージだったから。
前回は海側を案内してもらい、今回は山側の隣町の丸森町を案内してもらった。山側の丸森町をみて、駅前で感じた違和感の正体が少しわかった。

丸森町は緑の美しい自然溢れる場所だった。午前中の電車や代行バスの窓からみた哀しい景色とは違い、緑のグラデーションがあまりにも美しくて、車の窓から流れて入ってくる景色に見惚れていた。
町並みも古い建物と新しいお店が多く、観光にすごくいい。自然と暮らしが調和した町並みで、ぜひ訪れてほしい町の一つだ。

美味しいお昼ご飯と開店したばかりのジェラード屋さんを案内してもらい、その後は彼女の家によせてもらった。彼女の家は藍染めをしていて、自然から色をいただく藍や製法を教えてもらった。
暮らしの中に自然が在った。いや、自然の中に暮らしの方かもしれない。2014年に少し話をした程度だったので、当時の話、今までの話、これからの話をたくさんした。未来の話をする彼女たちは、新緑のように活き活きしていた。

当初は山下駅まで送ってもらい、電車で名取市の杜せきのした駅に向かう予定だった。次の行き先の杜せきのした駅で会う人も共通の知り合いで、その知り合いに会うことを彼女たちに伝えると、彼女らもその知人に会いたいということになって、車で一緒に向かった。
4日目でも同様に別のこれまた共通の知り合いが遠くまで送ってくれた。その話は4日目の話でふれるが、本当にみんな優しく、東北に行くといつも心が癒されリフレッシュできる。

みんなで名取の知人が働くパン屋さんを訪れた。この場所も2014年に訪れている。場所こそ以前と変わらないが、お店がイタリア料理屋からパン屋に変わっていた。今はパン屋の店長で忙しいにも関わらず、前よりも和かい顔になっていて何か嬉しくなった。
お店の前にあるテーブル席でアイスクリームをご馳走になりながら、ここでも懐かしい話やこれからの話をたくさんした。この場で盛り上がったイベント企画を、その後実現したのがすごく嬉しかった。

名取駅まで送ってもらい、今晩泊まるホテルのある石巻駅へ電車で向かった。石巻でよく泊まるホテルで名前は『FUTABA INN』といって、本当に素敵なホテルなので超お薦めです。
本当は三連泊したかったけれど、翌日の1日は石巻川開き祭りがあって予約がいっぱいで、1日だけ別のホテルに泊まって、2日はもう一度このホテルに泊まる。

晩御飯は買った美味しいパンを食べて、お腹いっぱいにふくれた。一日目は移動などで少し疲れたが、いろいろな意味でお腹いっぱいな一日になった。

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