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【グランドデザイン】



 ミッションビジョンの会に参加。

 年度はじめはもちろん、1年間をどっしりと構えて進むことを目的に、月に1回こうして、はっきりとした目的が継続した学びが得られるところが大きく学べるところ。

 課題もあり、定期的に「考える」時間と量を確保できる。

 自分だけでは、「考えているつもり」にはなれるけれど、本当の意味では圧倒的に「考える」が足りない。

 提出の制限があったり、相手に見せることを前提として取り組みから、とにかく「考える」。

 これまで、自分も年度初めの準備を自分なりに書籍等を漁りながら、行ってきたが、今回のミッションビジョンの会を通して、その年度はじめの準備の奥深さに初めて出会った。

 まあ「年度始め」というよりは、目の前の子どもたちを伸ばすためにどれほど考えているかという「考える量」に圧倒された。

 今回は、グランドデザインを作成。

 ゴールとなる教室をイメージ。

 自分は、「自分らしく、ゆるやかにつながり合う教室」としたんだけれど、子どもが見えるか見えないかでいうと見えにくいのかなあ?とも思ったり。

 まずそのミッションが決まったら、ビジョンの作成へ。

 ビションは主要な教科。

 月ごとのイメージするゴールを確定。

 〈4月〉
 現状維持ではなく、さらに成長する意欲あふれる集団

 〈5月〉
 関係性が固定せず、自分らしさを表現し、あなたらしさを言葉にできる集団

 〈6月〉
 自分を冷静に客観視したり、それぞれへのチューニングを合わせたりして行動できる集団

 〈7月〉
 限界をつくらず伸び続ける集団、喜びを与え合う文化のある集団

 〈8月〉

 イベントを主催し、参加率が90%以上

 〈9月〉
 4年生として成長を振り返り理想とする自分や集団を明確にもち、一歩先に踏み出せる

 〈10月〉
 全員で一つのものをつくり上げる大きな達成感を味わい、全体を巻き込むエネルギー溢れる状態

 〈11月〉
 自分たちの課題を明確にし、自分たちで壁を乗り越える集団

 〈12月〉
 全員が自分で自分を伸ばし、多様な他者と手を貸し合える力を身に付ける

 〈1月〉
 個人や集団がよりよくなるために、最適な手段を選び磨き合える

 〈2月〉
 磨いた力を、自分のためではなく多くの人のために使いたいという意欲あふれる集団

 〈3月〉
 人のためになりたいという意欲があふれ、学校や地域に愛される集団

 これを考えるだけでも、ものすごくパワーを使った。

 そこから、月ごとのそのイメージを具現化するための、具体的な仕掛けや意識を、また月ごとに文字に書く。
 やっぱり書くと考える。

〈仕掛け〉

4月
語り
学級目標
当番活動
学級通貨
成長ノート
けテぶれリセット
生活けテぶれ
算数学び合い
暗唱
地図引き
辞書引き
ありがとう信頼貯金

5月
宿泊学習の企画に余白
2週で席替え
チャレンジランキング
漢字ライセンス
成長ノート
Padletで学習積み重ね可視化(体育や図工)
会社活動振り返り

6月
Canvaで自然体験を
なくしたい言葉
増やしたい言葉
美点凝視
イベントの企画
漢字大テスト
会社活動振り返り
総合プロジェクト学習

7月
夏休みイベント企画
学級通貨イベント
成長ノート
漢字大テスト
心に残る価値語
会社活動振り返り

8月
夏休みイベント実施
学校や地域、保護者を巻き込む

9月
こんな4年生は嫌だ
成長ノート
価値語づくり
運動会の目的と目標
漢字大テスト範囲提示
学び合い2.0
仕組みのブラッシュアップ

10月
運動会の企画の余白
学校規模で主体性の波
ハロウィンイベント
けテぶれ→漢字大テスト
成長ノート

11月
クラス会議
子どもが見る教室は
成長ノート
言葉のプレゼント
冬のイベント企画(参加型)

12月
白い黒板
成長ノート
学級通貨イベント開催(参加型)
学び合いの完成
心に残る価値語
価値語づくり

1月
単元、1週間単位の学び合い
教室の外への貢献活動
語り
10年目としてふさわしい
成長ノート
けテぶれ通信(子どもたち発)
地域に向けた取り組み

2月
自己、集団の成長を語る
10年目を祝う会
色あせないものを共同制作

3月
6送会での貢献
学校や地域を巻き込んだ
イベント企画運営
成長ノート
白い黒板
心に残る価値語
心に残る学級通信 など

月ごとのゴールイメージを達成するための仕掛けの次は、そこで意識すること。

〈4月〉
 現状維持に捉われない。持ち上がりであるため成長してきたものは大切にするが、「慣れ」の部分はリセットする。仕組みを再整理。一つ上のステージを感じる。4月の鮮度を意欲として出力。量が書けること。

〈5月〉
 関係性をリセットする。固定化しないように座席、グループなどランダムに仕組む。お互いを認め合う時間を設け、言葉や行動で届ける機会をつくる。新しい関係にスポットライト。

〈6月〉
 体験学習での成長体験を言語化し、生活につなげる。言葉に敏感になり、言葉の環境を整える。言葉を通して自分らしさを再確認。強みの発見。場面や状況でアウトプットの仕方を工夫する。抜き出し、量のの調整。

〈7月〉
 価値語を通して、最も心に残った言葉から自分の成長を振り返る。漢字大テストを活用し、個や集団としての成長実感。自分の学び方、集団としての学び方をデザイン。お互いの成長を喜んだり、集団の成長を喜び合う。イベントで喜びを届ける。

〈8月〉
 学校が休みのときに、集まって楽しみをつくれるつながりを形成。そこに、地域や保護者が関わるなど、参加型の視点をもつ。学校外でも、「楽しむ」を作り出せる経験をする。

〈9月〉
 4年生としてふさわしい姿とはどんな姿かを一度たちどのまり再確認する。こんな4年生は嫌だなという視点から考える。2学期で一度一区切りであり、そのゴールの姿を個人としても集団としても具体的に描く。そして一歩踏み出す。

〈10月〉
 行事ごとの多いこの時期は、余白を提供。教師が一方的にデザインするのではなく、子どもたちと共につくり上げる。そして、子どもたちには「自分たちで創り上げた」という経験をプレゼントする。学級単位を飛び越えて、学校全体を巻き込んだ行事で経験を積む。

〈11月〉
 クラスの現在地を再+I8:J9確認。課題意識を持ち、12月に向けて、修正ポイントを明確にする。自分たちで提案し、考えを出し合うという当事者意識が芽生えるようにする。

〈12月〉
 学級を修める月。自分で進んで行動する。自己を見つめ、調整して磨いていく自律。また多様な他者と折り合いをつけながら手を貸し合う協働。を全員が身につけるために、テストの点数や、普段の授業にこだわる。その成果を可視化する。

〈1月〉
 12月で完成したものを研いでいく。より精度高く、より細部にわたって拘っていく。また広い世界に視野を向け、学校の一員として、地域の一員として貢献する感覚をもてるようにする。より良いものを発信し合うほどの自治的集団をイメージする。

〈2月〉 
 2分の1成人式を、学校や保護者を巻き込んだ行事として、子どもたちの手で創りあげる。またそこで、10年間を振り返り、「感謝」を届けることができる。そしてこれからへの応援者を増やす自己プロディースを添える。振り返った成長を他者貢献へ。

〈3月〉
 学級の範囲を超える。学校の組織の一員として、認められる存在を意識。地域にまで目を向けられたら良い。学級担任に依存せず、自己の成長や集団の成長で得た力を世のため人のために貢献する。最も大きな喜びを感じられるポイントを集団全体のメリットにおく。 

 こんな感じで、意識をしていく。

 また、その仕掛け、意識に加えてどんな「価値」をつけたり「語り」をしていくかも書き出す。

4月
文字はその人を表す
0.5秒で反応する
静かはつくる
落ち着きは音で決まる
聴き方のプロ
あいさつの意味
小さな「ッ」
切り返すスピード"

5月
バケツを虹色に
プラス1
仕事はつくる
発見力
手を引っ張る
納得解をおもしろがる
つまらないの壁を壊す
いつでも、どこでも、誰とでも

6月
周りは敵だらけ?
まず「いいね!」
「楽」か「楽しい」か
一流のブレーキ
鬼のように書く
行動の敬語

7月
つかみ取る学び
アシスト
束で伸びる
上の2になろう
サーカスの像
メモ力
指先で送るメッセージ

8月
「楽しい」か「楽しむ」か

9月
かしこく、かっこよく
自分のフルパワーを引き出す
1マイル走の奇跡
Homeの安心感
1人でいる力

10月
生み出し力
目的と目標の違い
成功の反対は何もしないこと
エジソンとフィラメント

11月
動物的か、人間的か
青い根と赤い根
ほころびに負けない
感情で動くな、理性で動け

12月
自律と協働
弱みと強みはトレードオフ
ライバルは自分
準備が9割
さかなのなみだ

1月
信頼貯金
安心安全マイホーム
根を張れ
生長ではなく成長を
「いつの間にか」が嬉しい

2月
ご縁は一生
10歳の壁を超える
プレゼント力
ラーメンとチャーハン

3月
幸せになる原則
win-win -win
喜ばせごっこ
それでも変わらないもの

というように、ここはこれから学んでいって、自分の「内側」としっかりマッチした言葉になるように整えたり、増やしたりしていく。

最後は自分の経営の軸ともなっている『学び合い』の状態をイメージ。

4月
1時間1課題にむかえる。分からないことを「分からない」と言える安心感がある。1人の子がいない。

5月
集団の壁を壊す。これまでの積み重ねの凝り固まりを解消する。とにかくあらゆる仲間と学び合える。その良さを振り返りに書ける。

6月
自分自身の学び方に目を向け、強みと弱みを理解する。弱さを受け入れながら、仲間の力を借りながら進む。

7月
テストの平均点が90点以上。普段の学び合いでも全員達成。終わってから新しい課題を見つめたり、次に進んだりする行動がある。

8月
学び合いでできたつながりで楽しみをつくる。

9月
予習の文化が定着し始める。誰といるかではなく、どう学ぶかということが集団形成から見える。

10月
中学年ブロックで、合同学び合いにも挑戦。「分かった」といい状態がどういう状態かは全員が分かる。分かるの精度を高める濃い時間。

11月
点数にこだわる。平均は90点以上が当たり前になる。全員達成できる時間が3時間に2時間のレベルまでくる。

12月
学び合いでは全員達成が当たり前になり、課題を自分たちでつくったり、テスト問題をつくったり、単元を進めたりと幅広い学び方が生まれる。

1月
学級内でも学び合いは、学び方の面でも関係性の面でも成熟する。

2月
成熟した学び合いが、他の学年に広がる。多くの学年とともに学び合うことができる。与え合う喜びを学び合いを通して感じる。

3月
学び合いが「学習」を超えて、「生き方」のレベルであることを2年の経験から感じ取り、行動意欲が湧く。 

 あくまでイメージだけれど。

〈嬉しかった言葉〉

算数で協力することは、私にとっての「楽しい」です。

授業を通して、心のコップが満タンになり、相手の気持ちを考えられるようになった。

もう1人の自分に問いかけることで成長できた。相手にいいことをすると返ってくると心で思っています。

授業を通して、関わりが広がりました。1日1日の大切さを初めて感じた1年です。

1学期は協力って何?って思っていたことを思い返すと、もったいないです。

私は完璧じゃなくっていいです。だって自分がこれ以上成長できないってとこまでいけばそれが今の自分だから。

振り返りのコメントが次の算数や、振り返りにつながります。「こんな教え方がすごくよかったよ。」「なでかというとなど理由を書いているところがすごいね。」など書いてくれると、次の算数でその教え方ができたり、振り返りも理由がかけたり、文章をどんどん書けるようになりました。

大変なこともあったけれど、みんなでたくさんその度に話し合って、それも思い出です。

先生が学校にいると明るくなります。それだけで楽しい気持ちになります。

毎っ日お手紙を書いて、私もすごいと思ったし、家族もすごいと思っています。「リセット」を今でも覚えています。

これは、今年度に子どもの振り返りや手紙でもらった言葉。その中から嬉しかったもの。自分の積み重ねであったり、子どもの中での成長や捉え方であったりに刺激をもらった言葉。これはある意味3月の子どもたちの姿であるとも言える。

そして、NG指導も明確に。

絶対にしないこと。

①押し付ける指導
②感情を言葉や表情に出す指導
③子どもに気を遣う関わり
④排除するような指導
⑤他責思考
⑥あれた言葉遣い
⑦放任 任せきり
⑧教師に余裕がない
⑨学級だけのメリットを考えた指導
⑩在り方の伴っていない外側のハウツー

 と、まあ一通りはこれで完成。


 これを4月に再会する子どもたちに合わせて整えていく。


 これほど、脳に汗かく講座はない。

 それでして、まだ足りないなと感じだ。

 古舘先生のミッションに対するビション。そのビジョンの具体的な要素がまたいくつもの資料となって作り上げられてる。

 年間1000時間。

 1時間にどんな言葉で成長を促すのか。

 ほめ言葉リスト。

 なくしたい言葉リスト。などなど。

 圧倒的に考えてきた量の違いにまた愕然とした。

 これから始まる新年度準備。
 そこまでやり切るのかとわくわくしつつ、身も引き締まる。

 そしてこれから月一回、自分で作成したグランドデザインをブラッシュアップしていく。

 その都度、またそのビジョンの具体を考え抜いて、具体化できる1年間にしていけたらと思う。

 というわけで、アーカイブもあります。

 宿題のある有料放送と、今回の会のアーカイブはぜひ!!!!

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