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【ぺちゃくちゃ】


「ぺちゃくちゃ」ちは、プレゼンテーションの形式です。ぺちゃくちゃでは、講演者は、20枚のスライドを1枚あたり20秒でプレゼンテーションを行います。
 要するにスライドの枚数と、1枚あたりの時間が決まっているというわけです。
 このぺちゃくちゃというプレゼンテーションスタイルから、少しアイディアをもらい、理科の授業で取り入れました。
 『春の生き物』という単元で発見し、観察した生き物について「ぺちゃくちゃ」の形式をつかって紹介してみようということです。
 今回は、全員でぺちゃくちゃをしてみました。25人学級なので、スライドは25枚。1人1枚の発表です。1枚スライド再生時間は30秒。自動再生機能を活用し、30秒経ったらすぐに次の人のスライドに進む仕組みです。
 つまり、30秒で自分のスライド1枚について紹介したら、すぐに次の人にバトンタッチをして、次の人が話し始める。それを25枚連続して行うというものです。

 相手意識をもって話さなければなりませんし、時間内で紹介をしなければなりません。

 1ページ目は、出席番号1番の人。2ページ目は2番の人。というように、使うページを割り振り、25枚のスライドを25人が同時に共同編集していきます。
 
 この共同編集では、相互参照ができるので「あ!あの人のまとめ方上手だな!」と思ったら、自分がまとめているスライドに取り入れることができます。そういった協働的な視点から見ても、子どもたちにとってより良い学びとなり得ると考えています。

 もちろん「ぺちゃくちゃ」という形式で紹介をするのは初めてです。なかなかイメージが湧きにくい部分もある様子でした。
 そこでとりあえずやってみることに。
 「けテぶれ」の考え方です。とりあえず、やってみて、分析して、練習し、本番に向かおうというわけです。
 
 一度やってみると、「30秒を過ぎてしまう。」「内容が足らなくて時間が余ってしまう。」「顔を上げて伝えられない。」「声が小さくなってしまう。」など、様々な分析結果ができてきました。
 その分析をもとに練習です。
 内容を加える子もいれば、削る子も。声や目線を意識して話す子もいます。
 そして、むかえた『春の生き物』プレゼンテーション(ぺちゃくちゃ形式)
 
 この活動を通して、感じたことは3つです。
 一つ目は、アウトプットの保証です。
 観察したことをシートにまとめて終わりではなくて、相手意識をもって伝える機会があることで、「どう伝えるとより伝わるだろう。」「人に話すためには、より自分が詳しくなっていなければ。」というように、より強い記憶として定着します。「人に教える」は最上位の理解度です。
 二つ目は、即興力についてです。
 子どもたちの発表を見ていて、驚かされたシーンがありました。それは、スライドのまとめにはたくさんの情報が書いてあるけれど、時間を考えてあえて話さない内容があったこと。「あ、これ間に合わなそうだな。」と感じたら、より重要なものを残し、そうでないものを省いて話亭なのです。ほんの数秒の出来事でしたが、見事な即興力に驚かされました。こういった即興的力こそ、これからあらゆる他者とコミュニケーションをとって生活する中で大切です。
 三つ目は、テンポの良さです。
 次々と、スライドが代わり、話し手も交代していくので、非常にテンポの良い。テンポが良いので、聴き手が飽きることもなく、熱中して聴くことができます。 
 子どもたちのノートには、友達の発表を聞いて学んだことについて、たっぷりのメモが残されていました。能動的に聴いていた証です。
 
 タイマーを設定して、交互に練習し合ったり。声を聴きあって声量を確かめたり。
 豊かな横のつながりも見られ、とても素敵な時間でした。

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