私とファッションとハートの服
子供のお迎えの時に学童の先生から
「おかあさん、いつも洋服の雰囲気が違うから、顔をよく見ないとわからないわ」
と言われた事がある。
思いもよらない言葉になんと答えたらいいのか分からず、しばらく固まってしまった。
いつも雰囲気が違う?そうなのだろうか?
その日はカーキ色のカーゴパンツを履いていて、前日は朱色のナロースカートを履いていた。
どちらの日もトップスは白だった。
雰囲気が違う服を着てるつもりはなかったが、そう見えたという事実がとても面白い。
パーソナルスタイリストとして、着こなしに幅があるのかと自信が持てる気がする。
洋服といえば、自分のファッション観が生まれた瞬間は今も強烈に思い出せる。
小学生の頃。
我が家は父のボーナスの後、母が服を買いにつれて行ってくれた。
特急に乗り池袋まで行き、西武池袋の5階で洋服を揃えるのだ。洋服を買った後は西武池袋の今は無き屋上の遊園地で、ラーメンを食べてアイスを食べて帰るのがとても楽しみだった。
自分で言うのははばかれるのだけれど、オシャレな子だった。
けれど、もうひとりオシャレな子がいた。ゆきちゃんだ。
ゆきちゃんは全身ピンクハウスで、ハートのモチーフやリボンのたくさんついた花柄の服をよく着ていた。
小学校3年生の夏のある日、ランドセルを背負って帰るゆきちゃんとお友達の後ろを歩いていたら、ゆきちゃんのランドセルの背中の上に穴が開いていた。
なんだろうとよく見ると背中がハートにくりぬかれたTシャツを着てきた。サイズは小さくて、5センチほどの控えめなハートだったと思う。
そのTシャツを見たときに衝撃を受けた。
ファッションとはデザインなんだ!と雷を打たれた。
今の私が注釈をいれるなら。
ファッションとはデザインの多様性が楽しく面白いとあの時小学生の私は、ハートのTシャツに度肝を抜かれたのだ。
小学生の私はその後、必死になって服をリメイクし始めた。
あの衝撃は子供の心に置いておけるものではなかった。
なんとかあの衝撃を再現したくて、試行錯誤を繰り返していた自分がとても可愛くて愛おしい。
自分のファッション観はあの日ゆきちゃんのピンクハウスのおかげで生まれた。
ファッションとは多様性なのだと知ったあの日から今まで、飽きることなく色々な服を着ている。
結局その時先生に、何て返すべきかわからず笑ってごまかしてしまった。
次に先生から服装についてお話を頂いたら、こう返そうと思う。
「はい、服を楽しんでいます」
PROFILE
【zizideza】なかちゃんプロフィール
ファッションコーチング/パーソナルスタイリスト
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Services
01.一軍だけのクローゼットを作ろう講座
02.ファッションと向き合うコンサルティング講座
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なかちゃん|ファッションコーチング・パーソナルスタイリスト
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