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Slay the Spireには手を出すな!

Slay the Spireには手を出してはいけない。本当に恐ろしいことになる。

夕ご飯を食べ終わった後にプレイを始めて気付いたら外が明るくなり始めていたり、空き時間に1ステージだけやろうと思っていたら出かける時間になっていたり、時間が圧縮され、吸い込まれていく。そんなゲームだ。

僕はプロとしてゲームをつくっているので、比較的理性的にゲームと向きあうことができる人間だと自負していたのだけど、撤回しなくてはいけなくなった。中毒と言われても差し支えないプレイ頻度と総プレイ時間になりつつある。ゲームゾンビだ。

Slay the SpireはSTEAMやニンテンドースイッチで遊ぶことができる。プレイ画面のイメージなど、詳細は下記の記事に詳しい。

Slay the Spireのプレイ感は既存のジャンル名に収められない発明だと僕は思うが、「ローグライクとデッキビルディングのかけ合わせ」と説明されることが多い。

ローグライクとは、『ローグ』というゲームを起源とするジャンルだ。簡単に言うと、こちらが1回行動すれば相手も1回行動するという状況下で最適な行動を選択し、生存しつづけてスコアを上げていくゲーム、だろうか。有名タイトルでは『風来のシレン』などの不思議のダンジョンシリーズが挙げられる。

デッキビルディングとは、カードゲームのジャンルだ。最も有名なタイトルとしては『ドミニオン』がある。ドミニオンを遊んだことがあるならすぐに理解できる。プレイ中にデッキのカードを入れ替えたり捨てたり増やしたりしてデッキを強化し、戦うゲームだ。

Slay the Spireはこれらのシステムを組み合わせたゲームなのだ。

なぜ中毒性があるのか

端的に言うと、ローグライクにもデッキビルディングにも中毒性があるからだ。中毒性×中毒性=スゴい中毒性というわけだ。

両者に共通しているのは「次はもっとうまくやれる!」とプレイヤーに思わせるところだ。

ローグライクは複数の選択肢の中から行動を選ぶゲームで、1手間違えば死に、すべてがやりなおしになる。逆に絶体絶命の状況でも、最善手を打ち続ければ切り抜けられる可能性がある。リアルタイムゲームではないから、選択肢を吟味する時間はいくらでもある。

もちろん本当にどうしようもない時はあるから、その時は潔く死ぬしかない。ただ大抵そのときは自分の責任なのだ。その場で間違ってなくても、もっと前に死につながる行動がある。

それは裏を返せば、自分の優れた判断でいくらでも状況を打開していける、という最高な成功体験にもつながる。この快感がローグライクというジャンルが愛され続ける理由だろう。

デッキビルディングにはそこまでのヒリヒリ感はないかもしれないが、無数のカードセットの中からどのカードを選んで自分のデッキを構築していくかというゲームなので、こちらもまた自分の優れた判断がダイレクトに成功体験につながる。

ローグライクでの死が、次なるプレイ時にデッキビルディングで優れたカードを選択したり、行動を決める判断力の成長材料になるのだ。つまりプレイヤーの成長スパイラルが早く小さくなるようにデザインされている。Slay the Spireを遊ぶプレイヤーは誰もが自分の成長を実感できることだろう。そしてそれは、めっちゃ気持ちよく、楽しい。そして中毒者ができあがるのだ。

だからSlay the Spireに手を出してはいけない。お盆で時間があるから、と甘く見てはいけない。ひとたび手を出せば、飽きる頃にはシルバーウィークが終わりかけているだろう。


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『モダンアート』欲望の螺旋階段に墜ちていけ。競りゲームの金字塔。
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ミヤザキユウ|ボードゲームデザイナー

ボードゲームデザイナー/株式会社バンソウ取締役 ボードゲームづくりを仕事にしています。主にゲームデザインについて書きます。記事にスキをいただくと、オススメなボードゲームをご紹介します。 お仕事のご依頼・ご相談は、noteの仕事依頼ページのフォームからお願いします。

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コメント4件

おもしろそう!しかしながらカルドセプトやシレンに使い込んだ時間がまた吹っ飛ぶかと思うとホント怖い!
>ンゴ氏さん
まさにそんなプレイ感です。ダンジョンモノよりも適度に選択の幅が絞られてるので、できるかも感つよいです。
このゲーム、今年の夏休みに購入してから夫婦でハマっちゃって、ヤバイです。毎日ボドゲ、Switch、ボドゲのループですよ。面白すぎて時間泥棒!!!どうしてくれるんですか!ほんとにもう。。。ありがとうございます😊
>しばたまさん
うふふw ボードゲーム会のときにお話ししましょう
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