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城山文庫の書棚から059『森ではたらく!27人の27の仕事』編著:古川大輔・山崎亮学芸出版社 2014

一口に林業と言っても、様々な職業がある。木を育てる人、木を切る人、木材を加工する人。樹を植えてから刈り取るまで3代100年に渡る大仕事だ。森にまつわる生業だと対象は更に広がる。そんなあれやこれやの森の仕事に関わる27人(組)の声を集めたのが本書だ。

登場するのは30代(刊行当時)を中心とした若い人たち。中には家業を継いだ人もいるが、他所から移り住んで森ではたらく若者が殆どだ。樹木からアロマを作る人や蜂獲り師、森のようちえんを運営する人など、様々な仕事について思いを込めて語る。

無名の職人達に混じって広く名の知れた2人が登場する。作家・三浦しをんさんと映画監督・矢口史靖氏だ。三浦さんの小説『神去なあなあ日常』を原作とした矢口監督の映画『WOOD JOB』は主演の長澤まさみの演技がとても良かったのを覚えている。

編著者のひとり古川大輔さんは森林再生コンサルタント。関西を拠点に幅広く森を「興す」ことを通じて地域づくりに携わっている。日本の森の多様性や美しさを後世に残したいという古川さんの想いが詰まった一冊に本書は仕上がっている。