最近音楽を聴きながら歩くのが好きだ。

 昨日今日と雨が続いたけれど、外に出たのは音楽のおかげかもしれない。天気の悪い日は外に出たくはないが、雨は好きだ。この時期のしとしとと降る冷たい雨は特に。

 ぼつぼつと傘を伝う、雨粒の感触も、澄んだ空気も心地いい。何もかもが洗い流されて、粛々としていて、しかし大胆に進んでいくようなさっぱりとした心持ちになれる。

 その中で唯一洗い流されていないやぼったい存在が傘の下の自分であることには目をつぶる。濡れるのはやっぱり嫌だ。

 アスファルトは真っ黒に染まる。魅入られるような艶のある黒。その先では木々の葉に水滴が滴るのだろう。それがずっと広がっていく。なんだかとてもせいせいした気分になる。

 下ばかり見て歩いていたら、周りで傘をさしているのは自分だけだった。傘を伝うあの感触もなくなっていた。

 傘から手のひらを出して確かめてから傘をたたんだ。

 少し寂しく私は前みて歩いている。


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ぜん雑記

きになったものもの。
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