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眠れない夜、その訳は

昨日の夕方、師走のせいか、
埼玉からの帰り道の高速道路は大渋滞、
一向に前に進めない車中で
俺は焦っていた。

スタッフから

「メンフクロウのニンニンが
昼に与えたゴハンを吐いて
具合悪そうにしています。」

と、電話があったからだ。

これはヤバい!

この時点で俺の頭をよぎったのは
鳥インフルエンザ。

今年はかつてない勢いで
日本各地で猛威を振るっている。

先週あたりから、
芦ノ湖にもオオバンだけでなく
ヒドリガモたちもやって来た。

彼らは人がいない時には
湖から芝生広場に上がってくるので
芝生広場には
彼らの糞もたくさん落ちている。

もし、
このカモたちが感染していたら
ウイルスたちが入り込んできたら
大変なことになる。

毎年のことだが、
彼らがやって来て
春にシベリアへ帰るまでの間は
気が休まることはない。

すでに芝生広場での
ペリカン散歩や

ハリスホークのフリーフライトは中止し
感染防止に備えている。

そんな時のこの電話に
一向に前に進めない
高速道路の車中で焦っていた

やっとのことで到着した時には
現場はすっかり夜になっていた。

暖房の効いた個室に隔離されていた
ニンニンの顔を見ると、
俺の顔を見て、元気に
こちらに飛んでこようとしている。

どうやらこれは
鳥インフルエンザではなさそうだ。

昼に食べたゴハンに
何か問題があったのか?

タカやフクロウたちには
冷凍で送られてくる
ウズラの肉を与えているが、
その肉の鮮度によっては
食当たりのような症状を
見せることもある。

だから、ウズラは解凍して
食べやすい大きさに切り分けたら
すぐに食べさせていたのだが、
送られて来る前の鮮度については
対応することはできない。

肉を切りながら、
この肉が大丈夫か?
を目と鼻と経験で察知することは、
若いスタッフには難しいが、
こうした経験を重ねることで
成長してくれるだろう。

ニンニンも暖かい部屋の中で
夜更けには元気になってくれた。

眠い目を擦りながら
家に向かう空には
明るい月が光っている。

目には見えないウイルスの侵入を
防ぐ闘いはこれからが本番だ。
頑張ろう!

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