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webディレクターって必要ないよね?

ディレクター、プロデューサー、コンサルタント
世の中には何しているかよくわからない人たちがたくさんいる。

僕の肩書は「webディレクター」だ。
webディレクションをしている。

でも一般の方にどんな仕事をしているんですか?と聞かれると上手に説明するのが難しい。
なぜならwebディレクターの仕事の範囲は人によってかなり違うからだ。

たまにこんな事声が聞こえる
「webディレクターはいないほうが仕事が回る」「邪魔!」「めんどくさい!」「仕事しろ!」

確かにwebディレクターが機能していなくて炎上したりプロジェクトメンバーやクライアント全員で地獄に落ちていくような案件があるもの事実である。

その結果、
「webディレクター不要論」が生まれる。

しかし、厳密に言うと
「機能不全webディレクターは不要だが、webディレクションは必要」なのだ。

webディレクターを外した場合は、誰かがwebディレクションを行う必要がある。
webディレクションを「スケジュール管理」「校正」「予算管理」だけと思っていると大火傷をする。

まず、キャスティング
運良くデザインとコーディングをどちらも高いレベルで行えるクリエイターが見つかればいいけど、最近はデザイナーとコーダーは別々になることが多い。
ディレクターはその間に立ってトラブルが起きないように調整する必要がある。
クライアントの要望を表現と機能で切り分け、表現部分はデザイナーに機能の部分はコーダーに相談する。予算との兼ね合いを計算しながら着地点を探る。
また、デザイナーのやりたい事がコーディング側で実現が難しい場合もあり、それを上手く説明するのもディレクターの仕事となる。

少しややこしい仕様になると
コーダーとは別にプログラマーをアサインする必要が生まれ
デザイナー、コーダー、プログラマーと三者の間に立つこともある。
チャット上で高速で繰り広げられる議論は前提知識がなければまったく理解できない。

続いて幅広い知識とリスクヘッジの問題がある。
webサイトを公開するためにはドメインとサーバーが必要となる。
それらを分かりやすくクライアントに説明する必要がある。
リニューアルの場合は、サーバーやドメインの移管等の知識も必要になる、このへんは間違うととんでもなくややこしいトラブルに発展する。

打ち合わせの中で、デザインやシステム面はもちろん、Google AnalyticsやSearch Consoleといったアクセス解析の話も出るし、各SNSやyoutubeの特徴や運用方法、web広告やwebサイト自体の運用方法などむっちゃ幅広く話は展開していく。
webディレクターは専門家ほど深い知識は必要ではないけど(もちろん深いにこしたことはない)
「ここに地雷が埋まってるかも」と気付けるくらいの知識と経験がないとリスクヘッジが難しい。

ここまででもカバーする範囲はかなり広いけど、
最近ではマーケティングやブランディングの知識も求められる事が多いし
クリエイティブの品質を担保するためのアートディレクションも必要となる。

だけど現実は
ここまでのスキルセットを持っている人はとても少なく、いたとしても常に仕事に追われていて依頼するのが難しかったりする。

結果、「webディレクションができない即席webディレクター」が爆誕するのである。
即席webディレクターはキャスティングの良し悪しが判断できないので、運良く優秀なwebデザイナーに当たれば、そのwebデザイナーがwebディレクターとして機能し良い結果になることがあるが、そうじゃなければ節目節目でトラブルが起きる。
サーバー移管やCMSの仕様など進行の度に分からないことが分からない状態が起きて阿鼻叫喚の地獄が生まれるのだ(いいすぎか)

つまり「webディレクター」という肩書は気軽に名乗ると危ない仕事である。

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