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元気をもらったあの食事

このタイトルを頭に思い浮かべて
真っ先に思いついたのは
友人が作ってくれた食事だった

当時の私は
仕事もプライベートも
うまくいかなくて
毎日泣きながら暮らしてた

朝目覚めと共に
会社に行くのかいやでたまらなく
吐き気を抑えながら
満員電車に乗って

会社で歯を食いしばって
働いて

帰り道なんとか家にたどりついて
部屋に帰ったら
ピンと張りつめた糸が切れたように
音が漏れないようにただひたすら泣く

そんな日々だった

部屋にいても悲惨だった

元彼が上階に住んでるものだから
別れてすぐ付き合ったらしい
元彼とあたらしい彼女の
和気藹々とした声が聞こえてくるたびに
なんともいえない
行き場のない気持ちを抱えこんでは
叫びたいのか泣きたいのか
笑いたいのか
感情の迷路に迷い込んで
抜け出さなくなっていた

ベットの配置を変えて
寝る時の位置を変えてなるべく
上の階の音が聞こえないように工夫したり

いろんな工夫をしながら
耐えながら
毎日必死に生きてた

毎日食べる食事もだんだんと疎かになっていってげっそりやつれて体重がみるみる間に落ちていった

そんな私を見かねた友人が
いつのまにやら
私の帰宅時間に合わせて
こんなLINEをくれるようになっていた

「今日は何が食べたい?」
「〇〇つくったけど食べられる?」
「外出てこれる?」
「部屋に食事持っていこうか?」

当時の私は彼女のそんな言葉が
おもいやりが
作ってくれたご飯がとてもあったかくて
とても沁みた

彼女の作ってくれたご飯を食べながら
何度泣いたことだろう

そうしてそんな日々をすごしていくうちに

段々外に出るようになり
新しい習い事や趣味を始めて
普通に暮らせるようになった頃

仕事もやめた

泣いてばかりの日々も終わりを告げた

あのとき
彼女の作ってくれたご飯が
私の支えだった

ここ数年で何が一番おいしかった?
心に残った料理はなんだった?

もしそう聞かれたら
私は間違いなくこう答えるだろう

彼女の作ってくれた
おうどん、おそば、スープ、おにぎり
に勝るものはない

と。

毎日泣きながら食べたあの食事は
当分忘れられないだろう

#元気をもらったあの食事

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