【感想】エリザベート2022

今年は何回か観劇に行ったのですが、なかなか感想を書く気力が出ず……
ようやく書けそうな気がしてきたので、投稿してみたいと思います。



観てきたのは、帝劇で公演中の『エリザベート』。
2019年の感想は、下の記事にまとめています。

2020年公演もチケットを取っていたけど、残念ながらコロナで中止に。
育三郎さんファンの母に育様トートを見せてあげたかったので、今回は無事行けてよかったです。



観劇した回のキャストは、こちらの皆様(敬称略)。

エリザベート:愛希れいか
トート:山崎育三郎
フランツ:佐藤隆紀
ルドルフ:甲斐翔真
ゾフィー:涼風真世
ルキーニ:上山竜治

本当に全員素晴らしくて、「熱演」という表現がぴったりだった……
当然のように歌はうまいし、芝居の部分も含めて気持ちのこもり方がすごかった。
それもあってか、今年観た作品の中で、一番感動しました。



2019年の感想では、「トートもフランツも、エリザベートを愛していたのかわからなかった」と書いたけど、今回は2人からすごく愛を感じたな~

前回と比べてよい/悪いではなく、この違いがすごく興味深かった。
3年経って私自身に変化があったのか、キャストによる演じ方の違いなのか……
理由はわからないものの、観るたびに受け取るものが違ってくるのも、舞台に通いたくなる理由の一つなんだな~、と改めて思いました。



育三郎さん演じるトートは、エリザベートが大好きで、その大好きな彼女にも好きになってもらいたい……!って印象。
少女漫画っぽさがあったなー。

要所要所でエリザベートの前に出てくるのも、好きになってもらうために頑張ってる感じがして、いじらしかった。

最後にエリザベートが気持ちに応えてくれたときは、「当て馬キャラが大逆転でヒロインを手に入れた!」展開に見えて、観ていて「キュン……!」としちゃいました(笑)

佐藤隆紀さんのフランツからも、エリザベートを求める気持ちがすごく伝わってきた。
これは私の佐藤さん本人に対するイメージがあるのかもですが、愛情深い人って感じ。

でも、その愛情深さゆえに、エリザベートのこともゾフィーのことも尊重しようとして、結局どっちつかずになって両方を傷つける……みたいな……
普通によくあることだから、身につまされる気持ちになりました。

最後にエリザベートと歌う「夜のボート」は、佐藤さんにぴったりの曲だと思ってたので、本当に聴けてよかった~

そして、ルドルフ役の甲斐翔真さんは、背が高くて男らしいスタイルに、きりっと整ったビジュアルで、ただ立っているだけで堂々たる「主人公!」ってオーラが……!

声も太めで、今までのルドフルとは違う印象を受けました。

でも、話すと幼い頃のひ弱さの面影もあり……
立派に成長した王子だけど、トートに誘われて死を選んでしまうのもそこまで意外ではないと思わされる。

むしろ、非の打ちどころがなさそうな外見だからこそ、内面の寂しさと不器用さ、そのせいで苦しんでいるというギャップが際立って、彼の辛さをより一層感じられるのかも。


あと、上山竜治さんのルキーニ、めっちゃよかったーーーー!
歌もお芝居もうまいし、ビジュアルもルキーニにぴったりだと超期待してましたが、予想を超えて素晴らしかったです。

場をかき回す怪しい男感が、すごかった。
でも、同時にどの場面にも馴染んでいて、「その場にいるんだけど、いない」的な本当に不思議な存在……

この男なら、わけわかんない理由でエリザベートを刺したって言い続けるだろうな、という狂気を感じました。

そしてそして、愛希れいかさんのエリザベート、今回も本当によかったです。
晩年、感情表現が減っていくエリザベートですが、何も言わなくても気持ちが伝わってくる演技力がすごい。

それにしても、なんとかして自分らしく生きようともがいて戦ったエリザベートが、自分からトートの手を取るのって、どういう気持ちの変化なんだろうな。

最初に書いた通り、あの一瞬は少女漫画のようで「キュン……!」としたんだけど、じわじわと「いや、きっとエリザベートは、黄泉の国へ行っても、トートの思い通りにはならないだろ……」と思ったり。
それでも、エリザベート大好きなトートのもとでなら、なんだかんだうまくやっていくのかもしれないですね。



ところで、2019年から今回までの間で、私もちょっとしんどい経験をしました。

だからこそ、自分の思い描いていたのとはまったく違う苦しい環境で生きるエリザベートの言葉
嫌よ逃げないわ、諦めるには早い。生きてさえいれば自由になれる
が、非常に響きました。

私はここまで強く生きられない……と思うけど、「生きてさえいれば」の気持ちは大事にしていきたいところ。



最後に。
私が観た回は平日マチネだったのですが、空席がほぼ見当たらない盛況ぶり。

上演中から、キャストさんの素晴らしい演技に対する客席の興奮を感じられて、カーテンコールで早々にスタンディングオベーションが起きたのも納得でした。

私は2階席にいたのですが、熱心に拍手する観客の背中を見ているうちに、「人生に演劇を必要としている同志たちがこんなに沢山……!!」って気持ちになって感動しちゃった。


今年は母の付き添い的に観劇することが多かったけど、体調も安定してきたし、また色んな舞台に足を運びたいなあ、と心から思います。


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