体調崩して寝込んでいたら、上司で彼女の飛鳥さんに癒されまくりました…とさ
今日から連休の筈だったが…
〇〇:ごほ…ごほ…
風邪をひいてしまい、折角の休日を寝て過ごすことになってしまった。
〇〇:喉痛っ…
ペットボトルに入ったポカリを飲み、再び布団の中に戻った。
(スマホの通知音)
ベッドの傍らに置いていたスマホを取り、画面を開くと飛鳥さんからLINEが来ていた。
飛L:昨日早退したけど、具合どう?
〇L:ダメです、熱は38度で…
〇L:喉が痛いです…
飛L:うわぁ…辛いねそれ。
飛L:よく休んでね。
〇L:そうさせてもらいます。
飛鳥さんとやり取りを終えて、少しだけ気が楽になった。
本当は休みだから、体調さえ崩していなければ飛鳥さんとデートなんか出来たかもしれないが、今はとにかく身体を休めよう。
〇〇:ごほッごほッ!
咳込んで喉が痛むのでポカリを飲み、漸く掛け布団を掛けて目を瞑った。
数時間後…
〇〇:…
…くん。
〇〇:?
…てるかな?
ぼんやりと声が聞こえて、目を覚ました。
飛鳥:あ、〇〇くん。
目を開けると、飛鳥さんがベッドの横に膝をおろしていた。
〇〇:飛鳥さん。
飛鳥:LINEにメッセージ送ったけど、心配だから見舞いに来ちゃった。
飛鳥さんには合鍵を渡していたので、それで部屋に入れたのだろう。
〇〇:えぇ、なんかすいません…
〇〇:ごほッごほッ…
飛鳥:ほい。
少し離れたところに置いたポカリを、飛鳥さんが持ってきてくれた。
〇〇:ありがとうございます。
ポカリを飲み、喉の腫れに染みた。
飛鳥:咳辛そうだね。
〇〇:はい…
飛鳥:なんか薬とか飲んでる?
〇〇:あ、いやまだ…
飛鳥:これ、持ってきたんだ。
飛鳥さんが紙袋から、漢方薬を取り出して僕に渡した。
〇〇:これ、喉に効くやつですよね?
飛鳥:そうそう、前にね実家帰った時に貰ってさ。使う機会なかったからとってあったんだよ。
〇〇:ありがとうございま…ごほッ、凄く助かります。
飛鳥:水で飲んでって書いてあるから、水用意してくるね。
キッチンに向かった飛鳥さんがコップに水を入れてきて、部屋に戻ってくると僕に渡してくれた。
〇〇:ありがとうございます。
それから薬を口に含み、水で喉に流した。
飛鳥:効くと良いけど…
〇〇:うぅ、苦ッ…
飛鳥:そりゃ、漢方だからね。
飛鳥:ま、良薬は口に苦しって言うし。
〇〇:ですね。
飛鳥:じゃ、ゆっくり休んでね。
〇〇:はい。
飛鳥:なんか必要だったら、呼んでね。
飛鳥:じゃ、おやすみ。
〇〇:おやすみなさい。
飛鳥さんに看病してもらったお陰か、自然と安心感に包まれて眠りに就けた。
〇〇くんが寝てる隣で、椅子に座って看病することにした。
昨日の朝会社に来た時、〇〇くんの顔色が暗かった。
〜昨日〜
飛鳥:顔色悪くない?〇〇くん。
〇〇:え、あぁ…ごほッ。少し疲れているかもしれません。
飛鳥:今日休んだら?
〇〇:いえ、そこまでじゃないので大丈夫ですよ…
飛鳥:本当に?無理しないで良いんだからね?
〇〇:はい、大丈夫です。
そう言って笑って誤魔化していたけど、明らかに体調は悪そうだった。
その後マスクして〇〇くんは仕事していたけど…
〇〇:!?
ゴンッ
フラついてデスクに足をぶつけていた。
飛鳥:だ、大丈夫!?
〇〇:すいません、ちょっと目眩して…
飛鳥:やっぱり休んだ方が良いよ。
飛鳥:早退して良いからさ。
〇〇:すいません、そうさせてもらいます…💦
無理しないで欲しかったけど、午前中〇〇くんがいてくれたお陰で仕事は早く終えられたので、〇〇くんには感謝しかなかった。
飛鳥:(最近、〇〇くんに負担凄かったからな…)
飛鳥:(頑張ってくれてたんだよね…)
飛鳥:ありがとね、〇〇くん。
そう呟いて、私は寝てる〇〇くんの頬をそっと撫でた。
早く〇〇くんが元気になるように、願いを込めて。
それから椅子に座って、持ってきた小説を読み始めた。
飛鳥:…
飛鳥:!
読んでいたらいつの間にか寝落ちしていて、目を覚ますと時計は午後5時を指していた。
〇〇:zzz
スヤスヤと寝ている〇〇くんを見て、少しは休めているかなと思えて安心した。
飛鳥:ふぁ〜、ちょっと喉渇いたな。
部屋を出て、〇〇くん家の冷蔵庫から飲み物を頂こうとした。
冷蔵庫に麦茶が入っていたので、コップに注いで飲んだ。
飛鳥:ふ〜
部屋に戻ると、〇〇くんが目を擦って起き上がっていた。
〇〇:ん…飛鳥さん。
飛鳥:あ、〇〇くん。冷蔵庫の麦茶貰ってたよ。
〇〇:ああ、良いですよ。
起き上がった〇〇くんの顔色が、さっきより良くなっていた。
飛鳥:どう?具合は?
〇〇:ん、あぁ…
〇〇:結構楽になりました、喉が痛いのもだいぶ引いたし。
飛鳥:そっか、良かった。
〇〇:飛鳥さんがいてくれたお陰ですね。
多分漢方薬のお陰だとは思うけど、ニコッとして〇〇くんはそう言ってくれた。
飛鳥:嬉しいこと言うね〜
飛鳥:でもちょっと体調良くなったからって、スマホとかいじっちゃダメだからね?
釘刺して言うと、〇〇くんは頷いた。
〇〇:そうですね。油断しないで。
飛鳥:あ、お腹空いてる?
〇〇:え、ああ…少し。
飛鳥:お粥、で良いかな?作るからさ。
〇〇:ありがとうございます、飛鳥さん。
飛鳥:じゃ、寝て待っててね。
飛鳥:あとで呼びに行くから。
〇〇くんには寝てもらって、その間にお粥を作りにキッチンに向かった。
飛鳥さんにお粥を作ってもらう間、ちゃんと寝て待っていた。
数十分後…
飛鳥:お粥出来たよ〜
〇〇:ありがとうございます。
飛鳥:どうする?ここで食べる?
〇〇:え、ああ…
飛鳥:ほら、身体冷えちゃうからさ。
〇〇:じゃあ、ここで。
飛鳥:分かった、お盆に乗せて持ってくるね。
飛鳥さんのお言葉に甘えて、お粥を持ってきてもらった。
飛鳥:ふ〜っ。
飛鳥:はい。
〇〇:え?
飛鳥:ほら、あ〜んして。
〇〇:あ、あ〜ん。
れんげにお粥をよそってもらい、飛鳥さんが食べさせてくれた。
飛鳥:味薄いけど、大丈夫?
〇〇:ええ…美味しいです。
飛鳥:良かった。
飛鳥:ふふ、懐かしいね。
〇〇:え?
飛鳥:ほら、去年の夏私が体調崩した時はさ〇〇くんに看病してもらったじゃん。
〇〇:ああ、そうでしたね。
飛鳥:あの日からだもんね、私たちさ。
〇〇:そうですね。
飛鳥:んふふ。
〇〇:ふふ。
2人して微笑み合って、恋人同士になったその日を振り返っていた。
それから、漢方薬を飲んで早めに眠ることにした。
飛鳥:あ、今日ここに泊まるね。
〇〇:え、ああ…でも。
飛鳥:その方が早く元気になるでしょ?
〇〇:そう、ですね。
風邪を移したくないから断わろかと思っていたけど、飛鳥さんにいて欲しいという気持ちがどこかにあって断れなかった。
飛鳥:じゃ、おやすみ。
〇〇:おやすみなさい。
女神に微笑まれながら、ベッドで眠りに就いた。
次の日の朝…
〇〇:ふぁ〜、ん?
目を覚ますと、昨日までの喉の痛みが嘘のように引いていた。
〇〇:熱も下がったな。
額に手を当てると、体の熱さも引いたみたいでホッとした。
〇〇:ん?
隣を見ると、飛鳥さんが寝ていた。
飛鳥:ん、ふぁ…
飛鳥:おはよう、〇〇くん。
目を擦りながら、飛鳥さんが起き上がった。
〇〇:おはよう、飛鳥さん。
飛鳥:元気になったみたいだね。
〇〇:飛鳥さんのお陰で、熱も喉の痛みも治りました。
飛鳥:良かった♪
飛鳥:じゃあ、今日はお家デートしよっか。
〇〇:へ?
飛鳥:まだ〇〇くん、病み上がりだし。
飛鳥:でも一緒に居たいからさ。
それから、家で飛鳥さんとまったりとしていた。
風邪引いて連休が台無しになるかと思いきや、
飛鳥さんにひたすら癒され続けた…とさ。
fin.
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